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5.介護支援分野(R5年10月-第26回)5/5

問題 21 居宅サービス計画の作成について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 課題分析の結果は、居宅サービス計画書に記載しない。
2 総合的な援助の方針は、利用者及び家族を含むケアチームが確認、検討の上、居宅サービス計画書に記載する。
3 居宅サービス計画の長期目標は、基本的に個々の解決すべき課題に対応して設定するものである。
4 週間サービス計画表には、提供されるサービス以外に主な日常生活上の活動も記載する。
5 サービス担当者会議の要点には、出席できないサービス担当者に対して行った照会の内容について記載しなくてよい。

難易度:★★★

1は×である。これでは何のための課題分析かわからなくなる。
2は○である。
3は○である。
4は○である。
5は×である。これでは照会をした意味がなくなる。
正解2,3,4
実務に関わっている人なら容易に正解を導ける。ケアマネの業務と関連が薄い職種の人は、ネットで公開されている居宅サービス計画の具体例などを見て、それらをイメージできるようにした方が理解が早まるのではないかと思う。

問題 22 指定介護老人福祉施設の施設サービス計画について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 モニタリングは、少なくとも月に1回行わなければならない。
2 アセスメントは、入所者及びその家族に面接して行わなければならない。
3 計画の交付は、家族に行えばよい。
4 地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて位置付けるよう努めなければならない。
5 介護支援専門員以外の者も作成できる。

難易度:★★★

1は×である。
施設サービス計画については、少なくとも半年に1回である。H28問21肢5参照。居宅サービス計画の場合と混同しないように注意。
2は〇である。R元問18肢1参照。
3は×である。
計画は入所者に交付しなければならない。R元問18肢5参照。
4は〇である。R4問22肢1、R3問21肢2参照。
5は×である。H29問22肢2参照。

正解2,4
すべての肢が比較的最近の過去問に出ており、正解したい問題である。

問題 23 Aさん(72歳、男性、要介護2、認知症高齢者の日常生活自立度IIa)は、妻(63歳)と二人暮らしで、小規模多機能型居宅介談事業所に登録し、週2回の通いサービスと週3回の訪問サービスを利用している。Aさんは、若い頃より散歩が趣味であったが、最近、散歩に出かけると自宅に戻れなくなることが増え、警察に保護されることがあった。妻は日中就労(週5日)のため、見守ることができずに困っている。この時点における計画作成担当者である介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 排徊感知機器の情報を収集し、Aさんと妻に情報提供を行う。
2 Aさんや妻の同意を得ないで、Aさんの立ち寄りそうな店舗などに、Aさんの写真と妻の携帯電話番号を掲示してもらう。
3 Aさんの心身の状況や自宅周辺の環境をアセスメントし、自宅に戻れなかった理由を探る。
4 通いサービスの利用日以外は外出をしないように、Aさんを説得する。
5 近隣住民等による見守り体制が取れるかどうか民生委員に相談する。

難易度:★★★
1は〇である。
2は×である。
「Aさんや妻の同意を得ないで」写真や携帯電話番号を掲示してもらうことはプライバシー権の侵害になる。
3は〇である。
4は×である。
Aさんの行動の自由を制限するものであるし、「説得」という禁忌ワードが含まれている。
5は〇である。

正解1,3,5
ケアマネジャー(になろうとしている人)としてのセンスが問われている。

問題 24 Aさん(80歳、女性)は、最近、閉じこもりがちになり、体力が低下してきた。同居する娘は心配になって市役所に相談し、要支援1の認定を受けた。地域包括支援センターから委託を受けて、介談支援専門員が訪問したところ、娘は「母にはいつまでも元気でいてもらいたいが特に希望するサービスはない」と言う。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 特に希望するサービスがないので、今のところ支援の必要がないと考え、しばらく様子を見るよう娘に伝える。
2 指定訪問介護の生活援助を紹介する。
3 指定認知症対応型共同生活介護を紹介する。
4 Aさんの社会参加の状況や対人関係を把握する。
5 地域ケア会議などにおいて生活機能の改善のために必要な支援を検討する。

難易度:★★★

1は×である。
地域包括支援センターから委託を受けて訪問したケアマネの対応として、あまりに消極的すぎる対応である。娘は特に希望するサービスはないと言っているが、母に元気でいてもらいたいと」思っているし、最近、閉じこもりがちで体力が低下してきた母を心配している。
2は×である。
Aは要支援1であるが、生活援助が必要な事情は問題文にない。なお、この場合、利用できるのは、介護予防・日常生活支援総合支援事業の中の訪問型サービスである。
3は×である。
Aは要支援1であり、指定認知症対応型共同生活介護を利用できる要件を満たしていない。また、Aに認知症を疑わせる事情は問題文にない。さらに、Aや娘が利用を希望している事情もない。
4は〇である。
まずは、アセスメントを行うべきである。
5は〇である。
地域ケア会議は個別課題解決の機能もある。問14肢1参照。

正解4,5

問題 25 特別養護老人ホームに入所しているAさん(80歳、女性、要介護4)は、がんの末期で余命1か月程度と医師から告げられている。Aさんは自宅で最期を迎えたいと希望している。自宅で一人暮らしをしている夫は、Aさんの希望に沿いたいと考えているが、自宅での介護や看取りに不安を抱いている。Aさんの居宅介護支援の依頼を受けた介護支援専門員がAさんや夫との面談を進めるに当たっての対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 夫が何を不安に感じているのかを聴き取る。
2 施設の嘱託医に居宅療養管理指導を依頼する。
3 夫の負担を考慮し、施設での看取りを依頼する。
4 Aさんが自宅でどのように過ごしたいのかを聴き取る。
5 Aさんの自宅がある地域で看取りに対応している診療所の情報を収集する。

難易度:★★★

1は〇である。
Aは自宅で最期を迎えたいと希望しているが、夫は不安も感じている。その内容を明らかにすることは、Aの希望を叶えるうえで、必要なことだといえる。 2は×である。
Aが施設に入所している間は、施設の嘱託医に居宅療養管理指導を依頼することはできない。Aが施設を退所して自宅に戻った場合、本肢の内容は選択肢の一つになり得ると考えられるが、そこまで深読みすべきではないだろうし、この時点での対応としては、本誌よりも肢5の方が適切である。
3は×である。
最後をどのように過ごすのかは、本人の意思が基本となる。「人生の最終段階における医療・ケアのあり方について」参照。
4は〇である。
Aが自宅で過ごすうえで必要なアセスメントである。
5は〇である。
Aはがんの末期で余命1か月程度と医師から告げられているため、自宅で暮らすうえで、医療とのつながりが不可欠な状態といえる。看取りに対応している医師の存在は、自宅での介護や看取りに不安を抱いている夫にとっても有益である。

正解2,4,5

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