お金に関する情報money

はぁ…(溜息)

元気がないけど、どうしたの?

TVを見ていたら、高齢期の生活は介護だけでなく、自分で出来なくなることが増えて、非常にお金がかかると言っていたので、憂鬱になってしまったんだよ。

そんなにお金が必要なの?

専門家という人が解説していたんだけど、とても私の貯金と年金では賄えないよ。

「早いうちから備えることが大切だ」と言われているけど、備えと言っても具体的に何をすればいいんだろう?

まずは、病気で入院したり、介護サービスを使ったりした時に支払うお金の仕組みを勉強してみたら?

入院費や介護サービスの利用料は、国が一律に決めているんじゃないの?

確かに、決められている部分もあるけど、その人の収入や財産の額によって支払う割合が違っていたり、支払う上限額が違っているみたいよ。

なるほど…。人によって負担する金額に違いがあるってことか。

うん。それに、例えば、高齢者の人が利用する介護保険サービスなどでは、契約する事業所によって「加算」される金額が違ったり、提供されるお昼ご飯などの料金が違っていて、最終的に支払う総合計が違ってくるみたい。

なるほど…お金の仕組みを勉強して、自分が希望する生活を送る為には、どの程度のお金が必要かということを考えればいいんだね。

人によって生活スタイルが違うし、お金だけでない事情もいろいろ違うから、やみくもに情報収集をするのではなく、「自分の場合は…」っていう具体的なシミュレーションをすることが大事なんだと思う。

具体的なシミュレーションを考えておくってことが、早いうちからできる備えってことなのかもしれないね。

確かに、そうだね。

具体的なシミュレーションを考えて記録しておく為に、「終活ノート」や「ポートフォリオ」を活用する人もいるみたいよ。

使うツールや考える手法は、自分の好みで良いから、具体的なイメージで考えて見ることが大切なんだね。

よし!早速、お金に関する仕組みを勉強しながら、自分のイメージする生活を考えて見ることにしよう。

医療や介護の費用負担を軽減する時、役立つ仕組みについて説明します。

医療にかかる費用を軽減する制度

医療費助成制度

一般的に、医療保険に加入している人が医療を利用すると、かかった医療費の1割から3割の自己負担を支払う必要があります。この時、医療費の全額、または一部を負担してもらえる制度です。医療費助成制度は、「公費負担医療制度」と「公費以外の医療費助成制度」の2種類に分類されます。

公費負担医療制度
国の法律に基づく制度です。病名に基づいて認定を受けた患者の場合、診療をした医療機関は、本来、患者が支払うべき負担金額を国または地方自治体に直接請求します。
※公費負担医療制度には様々な種類があります。
※「公的サービスに関する情報」に記載している、自立支援医療も公費負担医療制度の一つです。

公費以外の医療費助成制度
各地方自治体の条例に基づく制度です。この為、負担額や認定を受ける条件は、お住まいの市区町村によって異なります。この制度の利用対象になった場合は、一度、医療機関の窓口で請求金額を支払う必要がありますが、後日、支払った負担額の一部または全部が、市区町村から払い戻されます。

高額療養費

医療機関や薬局で支払う医療費の1カ月あたりの上限額を定めた制度です。超過した金額は、医療保険から後日払い戻しされます。上限額は、年齢と所得によって異なります。高額療養費は、加入している医療保険者に申請します。}
後日、払い戻されるとは言え、費用が高額になると、一時的な支払でも負担になる場合がありますよね。そんな時は、お住まいの市区町村で「限度額適用認定証」の交付手続きをしておくと、1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口支払いが予め自己負担限度額までになります。つまり、窓口支払いをしなくてすむということです。ただし、差額ベッド代などの保険外負担分等は対象外です。

高額介護サービス費

介護保険が適用されるサービスの自己負担額において、上限額が決まっているという仕組みです。上限額は、所得によって違っています。定められた上限額を超過した金額は、払い戻しを受けることが可能です。先に記した「高額療養費」の介護保険版と思って頂ければ分かりやすいでしょうか。

高額医療・高額介護合算療養費

「高額介護サービス費」や「高額療養費」を活用しても、なお負担が大きい場合に活用できる制度です。医療費と介護サービス費の合計が年間の上限額を上回った場合、超過した金額は、払い戻しを受けることが可能です。上限額の基準は、年齢と所得によって異なります。1カ月あたりの自己負担額ではなく年間の自己負担額で計算されます。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)

介護保険施設(4種類)に入所する時やショートステイを利用する時、食費や居住費を軽減できる制度です。(※介護保険サービスを利用する際の利用料については、「公的サービスに関する情報」に詳しく記載しているので、そちらも併せてご覧ください。)
特定入所者介護サービス費を利用する為には、お住まいの自治体で負担限度額認定を受けなければなりません。(認定を受けると、介護保険負担限度額認定証が発行されます。)

介護保険負担限度額認定証を発行してもらう為には、「所得」と「預貯金等」の2つにおいて条件があります。また、利用者が支払う負担額は、この条件によって1段階から4段階に分かれていて、3段階は3段階(1)と第3段階(2)に細分化されています。
ちなみに、第4段階に該当した場合は軽減措置がありませんので、介護保険負担限度額認定証の発行もありません。

更に、負担限度額の認定を受けた場合の限度額は一律ではありません。これは、所得に応じてどれくらい軽減されるかが変わってくるからです。

利用者負担段階の一覧

ソーシャルワンカーと一緒にワン ステップUP‼
★非課税年金とは、国民年金・厚生年金等、非課税年金 = 遺族年金・障害年金等のことです。
★上記一覧は、第1号被保険者( 65 歳以上)の方の場合です。第2号被保険者( 40 64 歳まで) の方は、設定区分の段階にかかわらず、単身で 1,000 万円以下、夫婦で 2,000 万円以下という資産要件になります。
※第1号被保険者、第 2 号被保険者についてを含む介護保険制度については「公的制度の情報」で詳しく記載しています。
★利用者負担段階の設定区分によって、利用者の「負担限度額」が決まります。

※高齢期に必要なお金を試算する時、重要となる制度の一つです。名称だけでもいいので、是非、覚えておいてください。

この他、高齢期の医療や介護に関する費用を軽減したい時に活用できる制度や仕組み

確定申告

収入が年金だけの高齢者の場合、基本的に確定申告の義務はありません。しかし、確定申告を行っておくことによって、納税関係以外の別の制度について、減額などの要件を満たすことに繋がる場合があります。また、医療費控除や障害者控除を活用することで、支払ったお金が戻ってくる場合もあります。

家賃減免制度

都営住宅やURにお住まいの方が利用できる制度です。一定の要件を満たした場合、家賃が減額もしくは免除になる制度です。制度の利用を継続したい場合には、定期的に要件が満たされていることを申告(証明)しなければなりません。認知症等で判断能力が低下してしまうとこの手続きが出来なくなり、家賃の減免が受けられなくなる可能性がありますので、注意が必要です。(※認知症等で判断能力が低下した人が利用できる仕組みについては、「成年後見制度に関する情報」に詳しく記載しているので、そちらも併せてご欄ください。)

その他

例えば、東京都内で実施している「おむつ助成金制度」の様に、自治体によっては、介護費用の負担を軽減するために独自の制度を設けています。

当団体では、お一人おひとりの事情をお聞きしながら、高齢期のポートフォリオ作成のお手伝いをしています。
今、お使いの介護サービスの見直しやお困りごとへの対処はもちろん、住み替え(施設入所や転居等)のタイミング・資産活用の方法等、将来の生活像がイメージ出来き、必要な備えを検討するのに役立ちます。
ポートフォリオ作成時には、福祉の専門家だけでなく、ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士、宅地建物取引士等の専門家が必要に応じて加わりますので、療養と経済の両面から幅広い視野で検討することができます。お気軽にご相談ください。(初回相談:無料/事前申込制)