成年後見制度の情報guardianship

最近、よく聞く「成年後見制度」って、どういう仕組みなの?

確か、認知症などで判断能力が低下した時に、本人に代わっていろいろな手続きをしてくれるんだよね。ただ、「いろいろな手続き」っていうのが、分かり難いよね。

成年後見制度で行われる支援は、一般的に「財産管理」と「身上保護」と言われているよ。

財産管理って、自分のお金が管理されるってこと?

成年後見制度を利用すると、後見人と言われる人が通帳やキャッシュカードを管理することになるんだけど、それは、後見人が勝手にお金を使っちゃうとか、お金の使い方を決められちゃうとかいうことではなくて、金融機関で必要な手続きを本人に代わって行うことができるってことなんだ。

う~ん。ちょっと、分からないな…

例えば、キャッシュカードの暗証番号を忘れてしまったり、金融機関の届出印が分からなくなってしまったら、例え、自分名義の口座でもお金を下すことが出来なくなるよね。そんな時でも、成年後見制度を利用して後見人と言われる人が選任されるとその人が手続きを代わりにしてくれるんだよ。

でも、自分で手続きをすれば、特に困ることは無いんじゃない?

もちろん、本人が自分で手続きが出来れば問題はないよ。でも、そもそも認知症などが原因で、暗証番号を忘れちゃったり、届出印を無くしちゃったりする訳だから、本人が自分で必要な書類を用意したり、窓口で手続きをするのは、とても難しいことなんだ。

確かにそうだね…そう言えば、この前、親の代わりに銀行で手続きをしようとしたら「本人じゃないからダメ」って言われて出来なかったね。

「身上保護」って言うのは、どうゆうことなの?

療養看護に必要なことを支援するってことだよ。

事務手続きのこと?

事務手続きはもちろん含まれるけど、医師のインフォームドコンセントに同席したり、本人の介護に係わる人たちが行う会議に出席したりもする。書類上のことだけでなく、もっと幅広く療養環境全体の調整をしたり、心身状況に合わせて生活環境を整えたりするのも後見人の仕事なんだよ。

自分が病気の時や介護が必要になった時に、そういうことをしてくれるのは、確かに心強いかもしれないね…

ところで、成年後見制度を使いたい。もしくは、自分の親に成年後見制度を使わせたいと思ったら、どうすればいいの?

それでは、成年後見制度を利用する為の手続き方法や改めて成年後見制度でできること等を詳しく見ていこう!

成年後見制度とは?

成年後見制度は、任意後見制度と法定後見制度の2つに分かれています。
また、法定後見制度は、判断能力の程度によって「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれています。

任意後見制度:判断能力が低下する前に、予め、後見人の準備をしておく制度です。
法定後見制度:判断能力が一定程度低下した時、(すぐに支援してくれる)後見人を選ぶ制度です。

成年後見制度については、厚生労働省の「成年後見はやわかり」に詳しくまとめられているので、こちらをご覧ください。
成年後見はやわかり|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

成年後見制度 Q&A

誰でも利用できますか?
任意後見制度は、ご本人が希望した場合、どなたでも準備を進めることが可能です。
一方、法定後見制度は、認知症・知的障害・精神障害等が原因で、医師によって一定の「判断能力低下」が認められると診断された人が利用する制度です。
制度の利用はどの様に、行われますか?
任意後見制度は、本人と任意後見受任者との「契約」によって行われます。
法定後見制度は、家庭裁判所に申立を行い「審判」を得ることで後見人等が選任されます。
なお、申立ができるのは、本人・配偶者・四親等以内の親族等です。