問題 120 事例を読んで、A町社会福祉協議会のB職員(社会福祉士)の総合的かつ包括的支援に基づく次の記述のうち、最初の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
A町では、大規模な工業団地が開発された結果、海外から来た労働者とその家族が増加傾向にある。街中を歩く外国人家族の姿が日常的となった。そのような中、民生委員から、Bに「慣れない文化に戸惑う外国籍家族の存在が顕著であることや、また一方で、在留外国人との交流を望んでいるものの、どのようにすればよいか困惑している地域住民の声が多く聞かれる」と情報提供があった。
1 教育委員会に外国籍の子どもの生活状況の改善策を講じるよう要望する。
2 在留外国人も加え、学校、自治会等がこの問題を共有化するための懇談の場を企画する。
3 外国の文化や習慣について解説した日本人向けパンフレットを作成し、地域住民に配布する。
4 企業の人事担当者に状況を説明し、問題解決を依頼する。
5 外国籍住民と地域住民の交流の場を設け、広く参加を求める。
1は×である。
対象が外国籍の子どもに限られていること、教育委員会に改善を依頼するだけであることから、総合的かつ包括的支援とはいえない。
2は〇である。
総合的かつ包括的支援として適切な内容である。肢5との関係で、悩んだ受験生がいたと思われるが、いきなり交流の場を設けて、広く参加者を募るよりも、在留外国人も加え、学校、自治会等がこの問題を共有化するための懇談の場を設けた方が、地域における課題を明確化しやすい。
3は×である。
外国の文化や習慣には様々なものが考えられること、地域における課題が明確になっていない段階でAが単独で行うのには問題があることから、最初の対応として、適切とはいえない。
4は×である。
地域の人事担当者に問題解決を依頼するだけであることから、総合的かつ包括的支援とはいえない。
5は×である。
総合的かつ包括的な支援であり、内容も適切である。しかし、肢2と比較した場合、最初の対応として、適切とはいえない。
正解2
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
A社協のB職員の「総合的かつ包括的支援に基づく次の記述のうち、最初の対応として、最も適切なもの」を選ぶという部分を見落とさないことが大切である。悩むとしたら、2か4のいずれが、より適切かであろう。
似た問題を解いたことがなければ、「最初の対応として」どちらが優れているのかという観点から決する他ないであろう。関連問題に、㊱問27・問40、㉝問104がある。
問題 121 事例を読んで、A市福祉なんでも相談窓口担当のB職員(社会福祉士)がこの時点で行う対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(39歳)は3年前夫と離婚し、当時2歳の長男を連れて、それまで一人暮らしをしていた母親(73歳)と同居を始めた。同居開始時、生活全般を母親が支えてくれていたため、Cさんは仕事に専念でき、長男と過ごす時間も確保できていた。しかし数か月前から、母親の物忘れが目立つようになり、会話も成り立たなくなってきたため、家事等も全てCさんが担うようになった。Cさんは心身ともに疲弊し、A市福祉なんでも相談窓口を訪ねた。Cさんは窓口担当のBとの面接において、これまでの経緯を話した後、このまま3人で暮らしていきたいと言った。
1 Cさんの母親に、サービス付き高齢者向け住宅の情報を提供する。
2 Cさんの不安や焦燥感を軽減するため、ピアサポートの会を紹介する。
3 長男への虐待につながる恐れがあるため、近くの児童相談所に通告する。
4 Cさん家族の対応を検討するため、子育て支援課や地域包括支援センターと連携する。
5 長男の発達を優先し、育児に専念するよう勧める。
1は×である。
Cは、Bとの面接で、母親と自分の長男と3人で暮らしていきたいと言っている。そのCの意向を無視して、認知症の症状が出てきた母親に、サ高住の情報を提供することが不適切であることは、言うまでもないだろう。
2は〇である。
3は×である。
事例の中に、児童虐待を疑わせる事情は存在しないことから、近くの児童相談所に通告することは適切ではない。
4は〇である。
Cは、長男の育児と母親の介護のことで悩みを抱えているので、子育て支援課や地域包括支援センターと連携することは適切である。
5は×である。
これでは、Cの母親の問題が宙に浮いてしまう。当然、不適切である。
正解2,4
問題 122 事例を読んで、A市社会福祉協議会のB職員(社会福祉士)の会議における発言として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Bは自治会役員Cさんから「新型感染症のためここ数年中止していた地域フェスタを専開したい。私としては、子どもをはじめ。高齢者や障害のある人も参加できるようにしたいと考えている。近々、他の自治会役員や関係者も含めて、実行委員会立ち上げのための会議を開催し、その会でご意見をいただきたい」と依頼を受けた。
1 「Cさんを今回の企画・運営のリーダーに指名したいと思います」
2 「社会福祉協議会主催で企画するので、自治会は協力してください」
3 「地域フェスタについて、まずみなさんのお考えをお聞かせください」
4 「今後のスケジュールと協力団体への依頼について、一緒に検討させてください」
5 「子どもがいる家庭を手分けして全戸訪問してください」
1は×である。
住民活動主体の原則から考えて、企画・運営のリーダーについても、会議の中で決めていくべきである。
2は×である。
このような発言も、住民活動主体の原則に反する。
3は〇である。
まず、住民のニーズを聞くことが大切であり、この発言は適切である。
4は〇である。
住民活動主体の原則、公私協働の原則に則った適切な発言である。
5は×である。
自治会役員Cは、「子どもをはじめ。高齢者や障害のある人も参加できるようにしたい」と考えており、子どものみを対象としていない。
正解3,4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
社会福祉協議会の活動原則として、①住民ニーズ基本の原則、②住民活動主体の原則、③民間性の原則、④公私協働の原則、⑤専門性の原則を押さえておく。関連問題に、㊱問32、㉟問2、㉛問33がある。
問題 123 事例を読んで、Aがん拠点病院相談支援センターに勤務するB医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のこの時点での対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
大腸がんの治療後、定期受診中だったCさん(44歳、男性)はBのもとを訪れ「先日の受診で異常が指摘され、詳しい検査をしました。本日、がんの再発と転移が判明し、主治医から積極的な治療をするか、あるいは、緩和ケアに切り替えるかという2つの選択があることを伝えられました。今までなんとか乗り越えてきましたがもう限界です。家族になんて話したら良いか」と語った。
1 今後の生活については、家族でよく話し合うことを勧める。
2 Bの過去の経験から、この先の見通しについて説明する。
3 カウンセリングを含め、心理的支援をすぐにでも受けることが可能であることを説明する。
4 病状について再度説明してもらうよう、主治医への連絡が可能であることを説明する。
5 混乱している気持ちを落ち着かせるため、帰宅を促す。
1は×である。
Cは、主治医の話を聞いて動揺しており、「家族になんて話したら良いか」と発言している。この状況下において、Bが家族でよく話し合うことを勧めるのは適切といえない。まずは、Cの心理的なケアを行うべきであろう。
2は×である。
病気に関するこの先の見通しについて説明するのは、医師3の役割である。
3は〇である。
4は〇である。
Cは激しく動揺しており、自分の病状について正確に把握できていない可能性がある。必要があれば病状について再度説明を受けることが可能であることを伝えるのは、Bのこの時点での対応として適切である。
5は×である。
帰宅すれば、Cの混乱が治まるとは限らない。むしろ、動揺しつつもCはBの元に訪れて、率直な気持ちを語っている。そのCに対して、Bが帰宅を促すのであれば、Cは見捨てられたとの思いを抱くのではないだろうか。
正解3,4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
2と5が誤りであることは判断しやすい。早めに消去して、残った肢について検討する。このとき、3が正しいことも判断しやすいだろう。
そうなると、残り4と5のいずれが適切なのかを判断すれば良いだけとなる。4と5を比較した場合、多くの人が4の方が適切だと判断できるのではないだろうか。

