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7. コミュニケーション技術(R元年-第32回)

問題 27 直面化の技法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 利用者の感情と行動の矛盾点を指摘する。 2 うなずきやあいづちを用いて,利用者の話を促す。 3 利用者が話した内容を,整理して伝える。 4 利用者が話した内容を,別の言葉を使って簡潔に返す。 5 「はい」や「いいえ」だけで答えられる質問をする。   この問題は、利用者にとって良いことをしているのは、どの選択肢かという問題ではありません。 直面化の技法とは、どういうものか?という問です。直面化とは、ものごとから逃げずに見つめることです。福祉や介護の世界で使われることはほとんどありません。この問題は、間違えてもしょうがないと思います。

【正解1】

問題 28 意欲が低下した人とのコミュニケーションの基本として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。 1 考え方を変えるように促す。 2 早く元気を出すように励ます。 3 意欲が自然に回復するまで待つ。 4 意欲低下の背景を考える。 5 自己決定してもらうのは避ける。   意欲が低下している人とのコミュニケーションです。 1:意欲の低下の有無に関係なく不適切な選択肢です。利用者の考えを変えるという答えはありません。 2:意欲が低下している人に励ましは逆効果になることがあります。 3:ちょっと迷う選択肢ですが、専門職がする行動ではありません。 5:1同様に間違いです。

【正解4】

問題 29 構音障害のある利用者とのコミュニケーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 閉じられた質問の活用を控える。 2 聞き取れないところは,再度言ってもらう。 3 はっきりと発音するように促す。 4 耳元で大きな声で話しかける。 5 筆談の活用を控える。   簡単に言えば、声が出しにくい人とのコミュニケーションです。 1:閉じられた質問は、開かれた質問よりも少ないエネルギーでのコミュニケーションを可能にします。閉じられた質問を控える理由はありません。 3:はっきりと発音できない人に、はっきりと発音しなさいとは意味がないだけでなく、利用者に苦労をさせるだけです。 4:耳が悪いわけではないので、的外れな対応です。 5:筆談も有効ですね。 2の聞き取れないところを再度言ってもらうということは、聞こえているところはよく聞いているということです。そういった姿勢も良いですね。

【正解2】

問題 30 視覚障害者とのコミュニケーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 挨拶するときは後ろから声をかける。 2 話しかけることは最小限にとどめる。 3 聴覚,触覚,嗅覚を活用する。 4 声の強弱などの準言語の活用は控える。 5 方向を示すときは「あちら」「そちら」と表現する。   常識問題です。 1:介護福祉職が挨拶を後ろからするというのは不適切です。視覚障害者に対しては、絶対にやっては駄目です。 2:不適切です。 4:不適切です。 5:右とか左とかの方が良いですね。あちらでは、まったく分かりません。

【正解3】

次の事例を読んで,問題 31,問題 32 について答えなさい。 〔事 例〕 Jさん(20 歳,男性)は,中度の知的障害を伴う自閉症(autism)があり, 2か月前から就労継続支援B型事業所を利用している。Jさんは,日常生活に関することは自分の感情を伝えることができるが,他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手である。また,社会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい。 ある日,事業所で作業中にJさんが興奮して他の利用者を叩いた。介護福祉職は二人を引き離し,Jさんを個室に連れて行って対応した。 作業終了後,同居している家族にJさんの出来事を伝えた。家族はJさんに,「どうしてそんなことをするの。いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱った。   問題 31 Jさんを個室に連れて行ったときの,介護福祉職のJさんに対する最初の言葉かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 「人を叩くのは許されません」 2 「相手の気持ちを想像しましょう」 3 「自分のしたことを反省しましょう」 4 「ここで話をしましょう」 5 「なぜ叩いてしまったのですか」   この問題は、感覚的に選べるかどうかという感じです。 1:知的障害がある人への言葉かけではないと思います。説教ですね、これは。 2:迷った人もいた選択肢でしょう。Jさんは、まだ興奮していると思います。知的障害があり、興奮している人に対して最初に話す言葉ではないと思います。 3:説教ですね。 5:詰問になっています。 4は、これから何をするかもよく分かっていない、興奮気味の知的障害の人に対する最適な言葉だと思います。

【正解4】

問題 32 Jさんを叱った家族への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 叱ることは正しいと支持する。 2 家族の対応は間違っていると否定する。 3 Jさんへのこれまでの対応や思いを聴く。 4 家族の対応には介入せずに黙認する。 5 介護福祉職の指示どおりに対応するように伝える。   消去法で答えは出ます。 1:場合によっては虐待にもなりかねない家族の対応を支持することはできません。 2:家族の対応を全否定することもできません。 4:黙認もできません。 5:論外です。 3の家族の思いの受容は、Jさん自身にも良い影響を与えると考えられます。

【正解3】

次の事例を読んで,問題 33,問題 34 について答えなさい。 〔事 例〕 Kさん(80 歳,男性)は,中等度の認知症(dementia)があり,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居中である。16 時頃,KさんがL介護福祉職に,「仕事は終わりました。家に帰ります」と伝えてきた。その後,L介護福祉職がKさんの居室を訪問すると,Kさんは,「早く家に帰らなくては…」と言いながらタンスから衣類を取り出していた。   問題 33 L介護福祉職が居室を訪問したときに,最初にとる対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 衣類をタンスへ戻すように促す。 2 居室から出ないようにお願いする。 3 ここに入居したことを覚えていないのかと質問する。 4 ここは仕事場ではないことを説明する。 5 挨拶しながら表情や行動を観察する。   この問題も感覚的に解けるのではないでしょうか。 1:強制になっています。自己決定に反します。 2:懇願になっています。自己決定に反します。 3:詰問になっています。不安を抱える利用者に対する言動ではありません。 4:相手の主観を否定しても相手の主観が変わることはない。否定ではなく、その行動の意味を知ろうとする姿勢が重要。

【正解5】

問題 34 客観的事実を表す介護記録として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 16 時頃,「仕事は終わりました。家に帰ります」という発言があった。 2 自宅のことが心配になって「家に帰る」という発言があった。 3 不安時に無断外出が心配されるため,様子の観察が必要と考える。 4 認知症(dementia)が悪化し,ここがどこなのかを理解していないようだ。 5 帰宅願望があったが,特に問題はなかった。   客観的な記録とは、という問題です。 2:自分のことが心配になったかどうかは介護福祉職の主観。 3:考え方を記載することは客観的な事実を表す記録とは言えない。 4:主観ですね。 5:主観ですね。

【正解1】

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