問題 21指定居宅介護支援事業者について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、複数の指定居宅サービス事業者を必ず紹介しなければならない。
2 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、利用者に入院する必要が生じたときは、介護支援専門員の氏名と連絡先を入院先の病院又は診療所に伝えるよう、あらかじめ利用者や家族に求めなければならない。
3 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、要介護認定申請が行われていない場合は、利用申込者の意思にかかわらず、速やかに申請が行われるよう援助を行わなければならない。
4 通常の事業の実施地域等を勘案し、自ら適切な指定居宅介護支援を提供することが困難なときは、他の指定居宅介護支援事業者を紹介するなど必要な措置を講じなければならない。
5 利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域で指定居宅介護支援を行うときは、要した交通費の支払を利用者から受けることができる。
問題文をよく読んで素直に考えることが必要な問題である。
難易度A
1は「必ず紹介しなければならない」との部分が×ぽいと感じられる。地域によっては該当するサービス事業所が一つしかない場合もありうるからである。
2は〇ぽい内容である。3は「利用申込者の意思にかかわらず」の部分が×ぽい。要介護認定申請が行われていない場合、まずは利用者の意思を尊重すべきであろう。
4は〇ぽい内容である。5は類似した肢が過去問で問われており
(R元再-問43、R元-問6)
知っていた人は迷わず〇とできたであろう。
【正解2,4,5】
問題 22 指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 家庭内暴力がある場合には、必ずしも利用者や家族の参加を求めるものではない。
2 開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により参加が得られなかったときは、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
3 末期の悪性腫瘍の利用者について、日常生活上の障害が1か月以内に出現すると主治の医師が判断した場合には、その助言を得た上で、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
4 サービス担当者会議の記録は、要介護認定の有効期間に合わせて最長3年間保存しなければならない。
5 要介護更新認定の結果、要介護状態区分に変更がなかった場合には、サービス担当者会議を開催する必要はない。
前問と同様に、問題文をよく読んで素直に考えることが必要な問題である。
難易度A
1は〇としてよさそうな内容である。
2も特に問題のない記述であり〇としてよいであろう(※実務上もよくあることである)。
3は知らないと自信を持って判断できないので△にして次に進む。
4であるがよく読めば×だとわかるのではないだろうか。記録の保存期間を「要介護認定の有効期間に合わせて」の部分がおかしいし、「最長3年間」も変である(最低ならまだしも)。4は×である。
H29-問8で出題されている。
5は「要介護状態区分に変更がなかった場合」であっても、その原因はさまざまであり「サービス担当者会議を開催する必要はない」との結論はおかしいというべきであろう。5は×である。
以上から、4と5の×が明らかなので、消去法で正解を導くことができる。
【正解1,2,3】
問題 23 介護予防サービス•支援計画書について適切なものはどれか。2つ選べ。
1 「課題に対する目標と具体策の提案」欄には、利用者や家族の意向を踏まえた目標と具体策を記載する。
2 「【本来行うべき支援ができない場合 】妥当な支援の実施に向けた方針」は、利用者と家族の考え方の違いが大きい場合には記載しない。
3 「目標とする生活 」の「1年」欄には、利用者とともに、生きがいや楽しみを話し合い、今後の生活で達成したい目標を設定する。
4 「期間」は、常に利用者の要支援認定の有効期間と同じ期間にする。
5 「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス」欄には、地域のボランティアや近隣住民の協力なども記載する。
素直に読んで判断すれば、何とか正解を導ける問題だと思われる。
難易度B どこかにヒントがないか、素直に読んで素直に考えることが大切である。
1は一読するとよさそうである。〇か△として先に進む。
2は妥当な支援に向けた方針なのだから、利用者と家族の考え方の違いが大きいからこそ記載すべきだと考えられる。2は×ぽい内容である。
3は特に問題のない記述であり、〇か△として先に進む。
4であるが、「常に」という部分が怪しいし、介護予防サービス•支援計画書の「期間」を利用者の要支援認定の有効期間と同じ期間にするという部分が明らかに変である。計画書の期間は要支援認定の有効期間よりも短いのが通常であろう。本肢は×ぽい。
5は特に問題のない記述であり〇だと判断できる。
本問は適切なものを2つ選ぶ問題なので、再度選択肢を吟味する必要がある。2と4が×だとして、残る1,3,5から2つ選なければならない。
5を〇で確定させたとして、1と3はいずれが適切だろうか。
知識として有していなければ、1がポイントになる。1は「~の提案」となっているが、これは誰が提案するのだろうかと考えてみる。計画書を作るのはケアマネなので、提案するのはケアマネだと考えるのが素直だろう。
そうだとすると「課題に対する目標と具体策の提案」については「利用者や家族の意向を踏まえた目標と具体策」である必要はないのではないかと推測することはできないだろうか(あくまでケアマネからの提案なのだから)。
そのように気づけたなら、2を×として、3を〇と判断すべきだろう。
【正解3,5】
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「介護予防支援業務に係る関連様式例の提示について」(老振発第0331009号・平成18年3月31日)では「「総合的課題」に対して、目標と具体策を記載する。
この目標は、利用者や家族に対して専門的観点から示す提案である。
したがって、本人や家族の意向は入っておらず、アセスメントの結果が現れる部分である。」と説明されている。
問題 24 特別養護老人ホーム入所中のAさん( 98歳、女性) は、食事摂取量が激減し、全身衰弱が進行している。発語も困難で、意思疎通も難しい。
嘱託医の判断では、Aさんはターミナル期の状態であるとのことであった。Aさん及びその家族の入所時の意思は、「最期 まで施設で暮らしたい」とのことであった。
この場合の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 看護職員が作成した看取り介護計画があるため、施設サービス計画は作成しない。
2 Aさんと家族の意向は明らかなので、改めて面接をせずに、介護支援専門員が単独でターミナル期の施設サービス計画を作成する。
3 看取りに対する家族の意思を確認するため、介護支援専門員がAさんの家族、嘱託医、生活相談員等との面談の日程調整を行う。
4 Aさんの意思を尊重し、最期まで介護職員が単独で看取りの介護を行った場合は、看取り介護加算を算定できる。
5 終末期の身体症状の変化や介護の状況等を記録し、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による情報の共有に努める。
終末期におけるAさんの意向についての問題であり、「より適切なもの」という部分に注意して解けばよい。
難易度A 例年通りの事例問題である。
1は×である。看護職員が作成した
看取り介護計画と
施設サービス計画は
別物であり、介護支援専門員が看取りのための施設サービス計画を作成する必要がある。
2は内容が変であり、ほとんどの人が×としたのではないだろうか。
3は適切な内容であり、〇と判断できる。
4であるが、「最期まで介護職員が単独で」という記述に違和感を感じたのではないだろうか。特別養護老人ホームは多職種が連携して行う必要があることから、4は×だと判断すべきであろう。
5は特に問題のない記述であり、〇だと判断してよさそうである。
【正解3,5】
問題 25 Aさん(80歳、女性、要介護2)は、長女(51歳)、長女の夫(50歳)、孫(17歳、女性、高校生)と同居しており、通所介護を週3回利用している。
長女及び長女の夫はフルタイムで働いており、平日は孫が介護を担っている。
長女から、「最近娘の学校の成績が下がってきたが、介護が負担なのではないか」との相談を受けた。
介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 長女に対し、仕事を辞めて介護や家事に専念すべきであると説得する。
2 家族と介護支援専門員で、家事や介護の家庭内での分担及び介護サービス利用の見直しについて話し合う場を設ける。
3 長女及び長女の夫に勤務先の介護に関する支援制度を確認するよう依頼する。
4 孫のため、直ちにAさんの短期入所生活介護の手配をする。
5 孫の話を傾聴し、必要に応じて若年介護者(ヤングケアラー)としての悩みを持つ者同士の懇談会などに関する情報を提供する。
問題文をよく読んで、「より適切なもの」という部分に注意して解けばよい。
難易度A 例年通りの事例問題である。
1は内容もいまいちだし、「説得する」のは明らかに×である。
2は改めて現状を見直す機会を設けるという内容であり、〇としてよさそうである。
3は長女や長女の夫にも協力してもらって孫の負担を軽減することを考慮したものであり、〇としてよいであろう。
4であるが、Aさんの気持ちや孫の状況などを十分に分析していない段階で「直ちにAさんの短期入所生活介護の手配をする」のは適切とはいえず、×だと判断すべきである。
5は孫の悩みを解消するための一助となりうるものであり、〇としてよい内容である。
【正解2,3,5】