4.精神保健福祉の理論と相談援助の展開(出題数:25問)
<出題傾向と対策>
最も問題数が多い科目です。比較的点数も取りやすいので、この科目は絶対に外せません。問題数が多いだけではなく、事例問題の比率も高くなっています。20回試験では15問の事例問題がありました。その内12問は、1事例につき3問の4事例です。しかし、1事例といっても時系列な内容です。(ちんみに、22回試験では事例問題は13問でした。)このような事例問題を出題する意図は明確です。
精神保健福祉士として、様々なケースに包括的に対応できるスキルが身についているかどうかが試されているということです。実質的な実技試験と言って良い内容ではないかと感じます。
包括的とは、時間軸に沿って、場所がどこであれ、どの様な立ち位置であってもということです。福祉や就労に対する政府の方針は財政事情とも密接に関係します。
精神障害者への支援ということで考える時、以下の順番を参考にしてください。
・入院 ⇒ 通院(地域生活)⇒ 一般就労 ⇒ 就労の継続
・入院 ⇒ 通院(地域生活)⇒ A型事業所
・入院 ⇒ 通院(地域生活)⇒ B型事業所
・入院 ⇒ 通院(地域生活)
入院中の支援、入院から地域生活への移行支援、地域生活支援、就労支援、就労を継続させる支援と続きます。これ以外にも更生保護(刑務所・保護観察)の分野から、福祉の分野、通学の継続などもあります。全体像をイメージし、常に精神保健福祉士の倫理に基づく姿勢を持ちましょう。
その上で理論、制度、用語等を理解しましょう。理解ができれば、暗記できなくても解ける問題はたくさんあると思います。人物、歴史、諸外国の動向などの出題頻度が少ないものは、時間の無い人は飛ばしても良いのではないかと思います。事例以外での出題のキーワードは、就労、退院支援、リハビリテーションです。これらに関連する制度や支援方法を整理しておきましょう。
令和2年度(第23回)の試験問題は、相談援助の基盤と専門職と同様に、出だしの問題が難しい。この科目でしっかり得点しようと思っていた人は、ここでペースを乱される可能性がある。本当に注意して欲しい。問39以降は、極端な難問は見当たらない。出題形式も例年どおりであり、難易度も例年並みだと感じる。一部の難問に振り回されることなく、問21から問60までの40問の中から30点取ることを目標にするとよい。そうすれば残り40問の正解率が50%であっても、合計で50点に達することができる。
精神保健福祉士の大まかな戦略としてはこれでよいと考える。
<学習の効率を上げるコツ>
①最初に、過去問学習を活用して、事例問題の攻略を目指す。
②①の学習を行いつつ、精神保健福祉士の倫理・職務内容を整理する。
③①②が一通りできたら、事例以外の過去問をやり、知らなかった理論、制度、用語等を整理する。
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