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32.保育実習理論(R元年-後期)4/4

問16 次の文のうち、「保育所保育指針」の第4章「子育て支援」2「保育所を利用している保護者 に対する子育て支援」の一部として、( a )~( d )の下線部分が、正しいものを○、 誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 保護者の就労と子育ての (a 両立等)を支援するため、保護者の(b 多様化)した保育の需要 に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの(c 主体性)が尊重されるよう努め、子どもの生活の(d 特殊性)を考慮すること。 (組み合わせ) a b c d 1 ○ ○ ○ × 2 ○ ○ × ○ 3 ○ ○ × × 4 × × ○ ○ 5 × × ○ ×   「保育所保育指針」からの問題です。実技関連の問題が苦手な人は、落としたくない問題です。 本問に関する記載は、「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」(2) 保護者の状況に配慮した個別の支援に書かれています。 以下、該当部分抜粋。赤字が答え。
ア 保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考慮すること。

【正解3】

問17 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の一部である。( A ) ・ ( B )にあては まる記述をア~エから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。   ・ 身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、 ( A ) ・ 友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、( B )   ア 自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。 イ 相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。 ウ 自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。 エ 共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。 (組み合わせ)   A B 1 ア イ 2 ア ウ 3 イ ウ 4 イ エ 5 ウ エ   「保育所保育指針」からの問題です。 問題16に続き、落としたく無い問題です。本問に関する記載は、(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿に記載されています。 以下、関連事項からの抜粋。太字は本問関連記載部分。赤字が正解部分。
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。 ア 健康な心と体 保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。 イ 自立心 身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。 ウ 協同性 友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。 エ 道徳性・規範意識の芽生え 友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。 オ 社会生活との関わり 家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。 カ 思考力の芽生え 身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。 キ 自然との関わり・生命尊重 自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。 ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚 遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。 ケ 言葉による伝え合い 保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。 コ 豊かな感性と表現 心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。

【正解2】

問18 次のA~Dのうち、「保育所保育指針」に記載されている「保育士等」に含まれる保育所職員 として、あてはまるものを○、あてはまらないものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 施設長 B 看護師 C 調理員 D 栄養士 (組み合わせ) A B C D 1 ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ × × 3 ○ × ○ ○ 4 × ○ × ○ 5 × × × ×   「保育所保育指針」からの問題です。正解したい問題です。 続いてきましたね。これまで同様に、落としたく無い問題ですが、問題16や問題17と異なり、仮に内容が分からなくても、推論で十分に対応できます。 選択肢A~Dまで、全ての職員が保育所職員であることは、すぐに分かると思います。トラップになり得るとすれば、選択肢1と選択肢2でしょうか。深読みせずに、素直にいきましょう。「保育所保育指針」に記載されている「保育士等」は、選択肢全てが含まれています。

【正解1】

問19 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。 【事例】 母子生活支援施設で実習をしているPさん(21歳、女性)は、実習指導を担当する職員からQさん(20歳、女性)とWちゃん(1歳6か月、男児)の母子の自立支援計画の作成をするよう指示された。Qさんは外国で生まれ育ち、3年前に就労目的で日本にやってきた。職場で日本人の男性と知り合い、結婚し、Wちゃんを出産したが、その直後から夫はQさんに対して暴力を振るうようになった。 そのため、QさんはWちゃんを連れて逃げだし、DV被害者を対象としたシェルターに保護された。 その後、現在の母子生活支援施設に入所して1か月が経った。Qさんは日本語での日常会話や簡単な読み書きしかできない。Wちゃんは元気に施設の近くにある保育所に通っており、新しい生活に慣れてきた。しかしQさんは、身近に相談できる友人がいないため、将来の生活に対して漠然と不安を感じている。Wちゃんのためには夫のもとに戻った方がよいのではないかと考えたり、怖いので戻りたくないと考えたり、混乱している状況である。また、現在のところ、夫との離婚は考えていない。 【設問】 次のうち、Pさんが作成する自立支援計画の1か月以内の取り組みの内容として、最も適切な記述 を一つ選びなさい。 1 本人の意向を尊重し、夫との関係修復を目標とする。 2 養育の負担を減らすため、Wちゃんを児童養護施設に措置し、Qさんは日本語の修得を目指す。 3 DVによるQさんの心理的被害への治療に取り組む。 4 Wちゃんに適切な養育環境を提供するため、里親委託を目指す。 5 夫との関係を断ち切るために、Qさんと夫との離婚調停を進める。   「保育所保育指針」同様に、正解したい問題です。 選択肢2、4、5が適切ではないことは、すぐに分かると思います。悩むとすれば、選択肢1と選択肢3でしょうか。 ヒントは、「Wちゃんのためには夫のもとに戻った方がよいのではないかと考えたり、怖いので戻りたくないと考えたり、混乱している状況である。また、現在のところ、夫との離婚は考えていない。」部分の記載である。 Qさんは、Wちゃんのために、夫のもとに戻った方がよいと考えたり、夫との離婚を考えていない様子である。また、DV被害という事実によって、怖いと感じていたり、混乱した状態にあることが分かる。 これらの記載から、自らの積極的な意思として、関係修復を希望しているというよりは、心理的な治療を1ヶ月以内の目標に設定した方が適切な支援と判断できる。

【正解3】

問20 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。 【事例】 T保育士は、児童養護施設で勤めはじめて2か月の新任である。T保育士が担当するM君(9歳) は、N君(7歳)に対して怒鳴って言うことをきかせようとしたり、N君の持ち物を壊したりするこ とが多くある。T保育士はその都度、注意するが、M君は全く素直に応じることがなく、反発する。 ある時、こうした反抗的な態度に対してT保育士はとても腹を立て、声を荒げた。その様子を見てい た主任保育士はT保育士に対するスーパービジョンの際、「専門職としてあなた自身が自らの感情を 自覚し理解する必要があるのではないか」と述べた。 【設問】 次のうち、主任保育士の発言が示唆している内容を、バイスティックの7原則にあてはめた場合の 最も適切なものを一つ選びなさい。 1 個別化 2 受容 3 意図的な感情の表出 4 統制された情緒的関与 5 自己決定   事例の形式を取ってはいるが、バイステックの7原則に関する理解を問う問題である。 基本中の基本問題なので、必ず正解して欲しい。 ヒントは、主任保育士はT保育士に対するスーパービジョンの際、「専門職としてあなた自身が自らの感情を 自覚し理解する必要があるのではないか」と述べた。という記載である。

【正解4】

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