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23.総合問題(R2年-第33回)2/2

(総合問題 3 ) 次の事例を読んで,問題 120 から問題 122 までについて答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(10 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり,多動で発語は少ない。毎日のように道路に飛び出してしまったり,高い所に登ったりするなど,危険の判断ができない。また,感情の起伏が激しく,パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ,気持ちが高ぶると騒ぎ出す。お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。現在は,特別支援学校に通っており,普段の介護は母親が一人で担っている。   問題 120 Aさんのこのような状態に該当するものとして,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 注意障害 2 遂行機能障害 3 強度行動障害 4 記憶障害 5 気分障害   本問で目にした障害の特徴は、この機会に覚えてしまおう。 1:注意障害とは、注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、一つのことに集中できない障害。 5:気分障害とは、精神の状態が普通のレベルを超えて高揚したり落ち込んだりなどすることが一定期間続く障害です。 3:強度行動障害とは、「自傷、他害、こだわりなどが強く、指導上の困難を感じる」、「家庭で通常の育て方をし、かなりの養育努力があっても著しい処遇困難が持続している」状態です。最初の「」の自傷他害には当てはまりませんが、著しい処遇困難が持続している様子が事例からは分かります。

【正解3】

問題 121 Aさんの将来を考え,家族以外の支援者と行動できるようにすることを目標に障害福祉サービスを利用することになった。介護福祉職と一緒に散歩に行き,外出時のルールを覚えたり,移動中の危険回避などの支援を受けている。 Aさんが利用しているサービスとして,適切なものを 1つ選びなさい。 1 同行援護 2 自立生活援助 3 自立訓練 4 生活介護 5 行動援護   同行援護、行動援護の区別ができるようになろう。 1:同行援護-視覚障害者の外出を支援する。 5:行動援護-行動に著しい困難を有する知的障害や精神障害のある方が、行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護、排せつ、食事等の介護のほか、行動する際に必要な援助を行う。 この二つは言葉が似ているので間違えないようにしよう。 2:自立生活援助-障害者施設やグループホームなど*を利用していた障害者で、地域で一人暮らしを希望する人に対し、地域において自立した日常生活、または社会生活を営むことができるよう、一定の期間にわたり定期的な巡回訪問(居宅訪問)や随時の対応により、円滑な地域生活に向けた相談・助言などを行う。一言で言えば、地域移行の支援です。 3 自立訓練-知的障害または精神障害のある方に対して、障害者支援施設、障害福祉サービス事業所または障害のある方の居宅において、入浴、排せつ、食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練、生活等に関する相談および助言などの支援を行う。 4 生活介護-障害者支援施設などで、常に介護を必要とする方に対して、主に昼間において、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事、生活等に関する相談・助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動・生産活動の機会の提供のほか、身体機能や生活能力の向上のために必要な援助を行う。 各サービスの違いが分かり難い・・・ がんばるしかないかな。

【正解5】

問題 122 Aさんのサービス利用開始から 6か月が経ち,支援の見直しをすることになった。Aさんの現状は,散歩では周囲を気にせず走り出すなど,まだ危険認知ができていない。介護福祉職はルールを守ることや周りに注意するように声かけをするが,注意されるとイライラし,パニックになることがある。一方で,スーパーではお菓子のパッケージを見て,硬貨を出し,長時間その場から動こうとしない。介護福祉職は,Aさんがお菓子とお金に注目している様子から,その力を引き出す支援を特別支援学校に提案した。 介護福祉職が特別支援学校に提案した支援の背景となる考え方として,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 エンパワメント(empowerment) 2 アドボカシー(advocacy) 3 ピアサポート(peer support) 4 ノーマライゼーション(normalization) 5 インクルージョン(inclusion)   介護福祉士の支援の背景には、「本人の力を引出そうとしている」という考えがあります。 1:エンパワメント(empowerment)とは、個人や集団が本来持っている潜在能力を引き出す支援。 2:アドボカシー(advocacy)とは、一言で言えば代弁です。本人の意思を伝える。 3:ピアサポート(peer support)とは、同じような立場の人によるサポートです。 4:ノーマライゼーション(normalization)とは、障害の有無に関係なく、平等に生活する社会を実現させる考え方です。 5:インクルージョン(inclusion)とは、社会的包摂です。

【正解1】

(総合問題 4 ) 次の事例を読んで,問題 123 から問題 125 までについて答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(45 歳,女性)はアパートで一人暮らしをしていた。家族や親戚との付き合いはなかったが,趣味も多く,充実した生活を送っていた。ある日,車で買物に行く途中,交通事故を起こし,U病院に救急搬送され手術を受けた。手術の数日後,医師から,頸髄損傷(cervical cord injury)があり,第5 頸髄節まで機能残存するための手術をしたこと,今後の治療方針,リハビリテーションによって今後の生活がどこまで可能になるかについて,丁寧に説明を受けた。   問題 123 Bさんの今後の生活に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 自力歩行ができる。 2 自走式標準型車いすを自分で操作して,一人で外出することができる。 3 自発呼吸が困難になり,人工呼吸器が必要な生活になる。 4 電動車いすを自分で操作することが可能になる。 5 指を使った細かい作業が可能になる。   損傷部位が上部になるほど障害が広範囲になる。数字が小さい程、つまり1が最上部になる。 第5 頸髄節まで機能残存するための手術をしたとのことです。つまり第5 頸髄節より上部は機能が残存している。 1と5は不可能。3の人工呼吸器が必要な状態ではありません。 2も可能な人、可能な場合もあるようですが、4の電動車いすの操作が可能というのが妥当なところ。

【正解4】

問題 124 Bさんは,入院当初は落ち込んでいたが,徐々に表情が明るくなり,U病院でのリハビリテーションにも積極的に取り組むようになった。現在はVリハビリテーション病院に転院して,退院後の生活に向けて身体障害者手帳を取得し,準備を進めている。Bさんは,以前のようなアパートでの一人暮らしはすぐには難しいと考え,障害者支援施設への入所を考えている。 障害者支援施設に入所するために,Bさんがこの時期に行う手続きとして,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 居宅サービス計画を作成するために,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。 2 要介護認定を受けるために,市町村の窓口に申請する。 3 施設サービス計画を作成するために,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。 4 サービス等利用計画を作成するために,相談支援専門員に相談する。 5 障害支援区分の認定を受けるために,市町村の窓口に申請する。   介護保険制度と障害者支援制度を混同しない様にしよう。 1~3は介護保険制度。 4と5が障害者支援制度です。 障害者支援制度では、手帳の取得→障害支援区分の認定→サービスというのが大まかな流れ。手帳に関しては、障害の程度によって決まりますが、障害支援区分はその人に必要なサービスのことも勘案して支援区分が決まります。例えば、家族に援助者が誰もいない場合といる場合では必要なサービスの量は変わってきます。この障害支援区分の認定はサービス等利用計画を作成する前に行います。

【正解5】

問題 125 その後,Bさんは希望どおり障害者支援施設に入所した。入所した施設では,C介護福祉職がBさんの担当になった。C介護福祉職は,Bさんから,「日常生活で,もっと自分でできることを増やし,いずれは地域で生活したい」と言われた。そこでC介護福祉職は,施設内の他職種と連携して支援を行う必要があると考えた。 C介護福祉職が連携する他職種とその業務内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 工作などの作業を行いながら身体機能の回復を図るために,看護師と連携する。 2 運動機能の維持・改善を図るために,理学療法士と連携する。 3 趣味活動を増やすことを目的に,管理栄養士と連携する。 4 活用できる地域のインフォーマルサービスを検討するために,義肢装具士と連携する。 5 栄養状態の面から健康増進を図るために,社会福祉士と連携する。   専門職の業務内容の問題です。ほとんどの人が解けたのではないでしょうか。 1は作業療法士の業務内容 3については、管理栄養士でないことは明白。 4は社会福祉士と思われます。少なくとも義肢装具士でないのは明白。 5は管理栄養士又は栄養士 理学療法士と作業療法士は似たところがあるので注意しましょう。

【正解2】

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