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20.高齢者に対する支援と介護保険制度(R3年-第34回)1/2

問題 126 「令和 3 年版高齢社会白書」(内閣府)で示された日本の高齢者の生活実態などに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 1 高齢者の就業率を年齢階級別にみると,65~69 歳については,2010 年(平成 22年)から 2020 年(令和 2 年)までの間,継続して下落している。 2 2016 年(平成 28 年)時点での健康寿命は,2010 年(平成 22 年)と比べて男女共に延びている。 3 2020 年(令和 2 年)における 75 歳以上の運転免許保有者 10 万人当たりの死亡事故件数を 2010 年(平成 22 年)と比較すると,およそ 2 倍に増加している。 4 60 歳以上の人に家族以外の親しい友人がいるか尋ねたところ,「いる」と回答した割合は,日本・アメリカ・ドイツ・スウェーデンの中で,日本が最も高い。 5 60 歳以上の人に新型コロナウイルス感染症の拡大により生活にどのような影響があったか尋ねたところ,「友人・知人や近所付き合いが減った」と回答した割合は,およそ 1 割であった。   白書の内容を覚えてなくてもできると思います。 1:高齢者の就業率は上昇しています。少なくとも、継続して下落している、が間違いと分ります。近所の風景を見ていてもそう感じるのでは。 2:正しい 3:ちょっと引っ掛け的な感じ。75歳以上の人口が増えているのは確かですが、設問は10万人当たりの件数を問うものです。これで2倍はありえません。 4:日本の高齢者が諸外国と比べて友人がいないことは有名です。少なくとも、最も高い、が間違いであることは明らかです。 5:1割という少ない数字でないことは想像できると思います。 *時間がある人は白書を読んでみてください。時間がない人は無理に読むことはないと思います。

【正解2】

問題 127 高齢者保健福祉施策の変遷に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 1 高齢者介護・自立支援システム研究会「新たな高齢者介護システムの構築を目指して」(1994 年(平成 6 年))において,措置制度による新たな介護システムの創設が提言された。 2 介護保険法(1997 年(平成 9 年))が制定され,高齢者のニーズに応じた総合的なサービス利用を支援するため,居宅介護支援(ケアマネジメント)が定められた。 3 高齢者介護研究会「2015 年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~」(2003 年(平成 15 年))において,「第 2 次ベビーブーム世代」が高齢者になる時期を念頭に,既存の介護保険施設の拡充が提言された。 4 「医療介護総合確保法」(2014 年(平成 26 年))において,地域包括ケアシステムが「全国一律に医療,保健予防,社会福祉及び自立支援施策が包括的に確保される体制」と定義づけられた。 5 「認知症施策推進大綱」(2019 年(令和元年))において,認知症の人の事故を補償する給付を現行の介護保険制度の中で創設することの必要性が明示された。 (注)「医療介護総合確保法」とは,「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」のことである。   この問題はすべての選択肢に対する正確な知識がなくても解けるものです。また、正確な知識がなくても解けるような訓練が必要です。 1:1990年代に措置制度による新たな介護システムが創設されるというのは変だと思ってください。 2:正しい。 3:第 2 次ベビーブーム世代ではなく、戦後のベビーブーム世代(所謂団塊の世代)です。 4:地域包括ケアシステムですから、全国一律というのは変。 5:このような事実はありません。

【正解2】

問題 128 事例を読んで,Y特別養護老人ホームに入所している高齢者への介護に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。 〔事 例〕 Hさん(83 歳)は,要介護 5 で,ユニット型個室のY特別養護老人ホームに入所しており,ほぼ日常生活全般にわたり介助を必要とする。自発的な発話が聞かれることは少なく,簡単な質問や指示に対してもほとんど反応がない。最近,かゆみのためかベッド上で自分の胸や脇の下あたりをかきむしることが続いている。感染性のものであるかも含めて,翌日に嘱託医が診察を行う予定である。介護・看護職員と生活相談員(社会福祉士)は,今後の対応を話し合った。 1 Hさんの気分転換を図るために,他ユニットの利用者との交流を増やす。 2 入浴や清拭で皮膚の清潔を保ち,適切な爪の長さに整える。 3 他の利用者が以前に使用していたかゆみ止め薬を塗布する。 4 皮膚を保護するために,ベッド柵にHさんの両腕を固定する。 5 これまでの皮膚の状態,かきむしりの様子などを,嘱託医に情報提供できるよう書面にまとめておく。   サービス問題であり、確実に得点したい問題です。 1:感染性の可能性のある中、交流は控えるべき。 2:適切 3:ちょっと考えられない。 4:身体拘束です。 5:適切

【正解2,5】

問題 129 事例を読んで,Z地域包括支援センターのJ社会福祉士による妻への助言として,適切なものを2つ選びなさい。 〔事 例〕 Kさん(74 歳)は,レビー小体型認知症であるが,日常生活は自立している。妻(68 歳)と二人暮らしである。 1か月くらい前から,部屋の隅を見て,「虫が群れをなしている」とおびえるものの,妻は,自分には見えないし,急に動こうとするので対応に困り,Z地域包括支援センターを訪れた。担当したJ社会福祉士は,レビー小体型認知症の症状を説明した上で,以下の助言を行った。 1 「パーキンソン症状により転びやすいので,気を付けてください」 2 「間接照明を使った部屋を利用するようにしてください」 3 「細かい模様のあるカーテンを目に付くところに配置してください」 4 「虫はいないとはっきり説明して,Kさんを安心させてください」 5 「虫が見えることを否定せず,Kさんの不安を受け止めてください」   アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症の3つの区別ができるようになりましょう。 1:適切 2:一般的には明るい部屋が良いと言われています。 3:虫と誤認しやすいものを配置するのは良いわけありません。 4:本人には虫が見えていますので、虫がいないとの説明は本人を否定するだけのようになります。 5:適切

【正解1,5】

問題 130 終末期ケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 ホスピスでは,看取り後の家族らが抱える悲嘆を緩和することを終末期ケアにおける支援の中心とする。 2 デーケン(Deeken, A.)が提唱した死への準備教育(デス・エデュケーション)とは,症状の緩和,特に痛みの緩和,安楽をもたらすチームケアを行うための介護スタッフ教育のことである。 3 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)では,本人が医療・ケアチームと十分な話合いを行い,本人による意思決定を尊重する。 4 グリーフケアは,終末期を迎えた人に対して,積極的な延命治療を行わず,できる限り自然な死を迎えられるようにすることである。 5 緩和ケアとは,可能な限りの延命治療を行った上で人生の最期を迎えられるようにするケアである。   アドバンス・ケア・プランニング(ACP)については、㉛-問76を参照。 1:家族が中心というのが変です。 2:デーケン(Deeken, A.)が提唱した死への準備教育(デス・エデュケーション)は、死を正面から見つめることで、命の尊さに気づき、限りある生をより良く生きることを目指す考え方です。 3:適切 4:グリーフケアは,家族などと死別した人が感じる複雑な情緒的状態を分かち合い、深い悲しみから精神的に立ち直ることができるように支援することです。 5:可能な限りの延命治療を行うというのが変です。

【正解3】

ソーシャルワンカーと一緒にワン ステップUP‼ ホスピスは1967年に、シシリー・ソンダースがロンドン郊外に開設した聖クリストファー・ホスピスに始まる。 主にがんの末期患者の全人的苦痛を、チームを組んでケアをしていくというものである。 日本では1981年に浜松の「聖隷ホスピス」、1984年に「淀川キリスト病院ホスピス」が開設された。

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