障害10種類について、最低限知っておいて欲しいこと!
1)視覚障害の主な疾患
糖尿病性網膜症:網膜の血管に異常をきたし、視力が低下する。
白内障:水晶体が白く混濁したもの。
視神経萎縮:視神経乳頭が蒼白になり、視力低下、視野障害を起こす。中心暗点になっているものが多い。緑内障が代表的疾病。
網膜色素変性:夜盲が最初に現れることが多く、進行すると周辺の視野が狭くなり、物にぶつかりやすくなったり、物が見えたり消えたりする症状が現れる。
ベーチェット病:ぶどう膜炎、口内炎、陰部潰瘍を症状とする全身性疾患。ぶどう膜炎を繰り返すと視力が低下する。
2)聴覚障害
聴覚系は、伝音器である外耳、中耳と感音器である内耳、聴覚伝達路、聴覚中枢に分けられる。
伝音難聴:強い音しか感じ取れなくなる。
感音難聴:聴覚の感度低下に加え、弁別能力も低下する。
伝音難聴は治療により聴力が回復するが、感音難聴は回復しないことが多い。
混合難聴は伝音難聴と感音難聴が合併した状態。高齢者に多いのは感音難聴。
3)平衡機能障害
四肢や体感に異常がないのに、起立や歩行に異常をきたす障害のこと。
※めまい・平衡機能障害の病因別の分類を覚えましょう!
【補足:前庭神経核】
平衡機能を制御(脳幹)
末梢前庭性:突発性難聴、メニエールなど
中枢性:脳梗塞、パーキンソンなど
非前庭性:糖尿病、うつ病、アルコール依存症など
4)肢体不自由
脳性麻痺:出生前の原因として、遺伝子・染色体の異常。胎生期の低酸素・低栄養。周産期の原因として、低酸素・低血糖、脳血管疾患、中枢神経感染症、高ビリルビン血症など。
進行性筋ジストロフィー:骨格筋に変性や壊死をきたし、進行性の筋力低下を特徴とする遺伝性の疾患。小児期に発症がみられる代表的なものとして、デュシェンヌ型筋ジストロフィーがある。
5)内部障害
身体障害者福祉法における心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害を総称していう。身体障害者手帳も取得できる。
6)知的障害
発達期に起こる知的機能の発達の遅れ。ひとつの目安として、IQ75~70以下が採用されている。
7)発達障害
発達障害者支援法(平成十七年四月一日施行) (見直し)においては、
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が
通常低年齢において発現するものとして
政令で定めるもの。
※政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとする。
8)認知症
一度獲得した知的機能が後天的な器質的要因により低下した状態。
中核症状と
周辺症状(BPSD)がある。
中核症状:記憶障害、判断力の障害、問題解決能力の障害、実行機能障害、見当識障害など。
周辺症状:暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁など。
※評価には、HDS-R 、MMSEのようなテスト、MRIなどの画像診断がある。
認知症ワン ステップUP‼【異なる認知症4種の特徴】
①アルツハイマー型:・記憶障害、・見当識障害、・妄想、徘徊などのBPSD
②脳血管型:・感情失禁、・判断力、理解力は維持(まだら)
③レビー小体型:・幻視、・手の震え、筋肉のこだわりなどのパーキンソン症状
④前頭側頭型:・反社会的な逸脱行動、・同じことを繰り返すといった常同行動
9)高次脳機能障害
脳損傷に起因する認知障害全般を指し、失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれる。
10)精神障害
診断の基準を明確にするために、国際的診断分類が用いられる。
米国精神医学会APAが作成したDSMと世界保健機関WHOが作成したICDがある。