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2.心理学理論と心理的支援(R3年-第34回)

問題 8 次の記述のうち,レスポンデント(古典的)条件づけの事例として,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので,継続的に利用するようになった。 2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから,自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。 3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので,次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。 4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら,優しく扱うようになった。 5 工事が始まって大きな音に驚いたが,しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。   レスポンデント(古典的)条件づけの事例という実験的な内容ではない選択肢ですが、恐怖体験が恐怖体験をした時の前と同様の条件を満たした場合、恐怖体験をした時の感情が現れる、という選択肢を実験した場合、所謂レスポンデント(古典的)条件づけになるのだろうと思います。

【正解2】

問題 9 記憶に関する次の記述のうち,展望的記憶の事例として,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 日本で一番大きな湖は琵琶湖だと知っていた。 2 以前行ったことがあるケーキ屋の場所を,思い出すことができた。 3 子どもの頃に鉄棒から落ちてケガしたことを,思い出した。 4 10 年ぶりに自転車に乗ったが,うまく乗ることができた。 5 友人と遊園地に行く約束をしていたので,朝から出掛けた。   記憶に関しては、その時間軸で短期記憶、長期記憶。種類としての展望的記憶、エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶などがある。学者により、多少呼び方が違うこともあり注意が必要ですが、ほとんどはその言葉から大体の意味を知ることができます。 1:意味記憶 2:エピソード記憶 3:エピソード記憶 4:手続き記憶

【正解5】

問題10 ピアジェ(Piaget, J.)の発達理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 感覚運動期には,「ごっこ遊び」のようなシンボル機能が生じる。 2 前操作期には,元に戻せば最初の状態になることが理解され,可逆的操作が可能 になる。 3 前操作期には,自分の行動について,手段と目的の関係が理解できるようになる。 4 具体的操作期には,コップから別の容器に水を移したときに液面の高さが変化しても,量は変わらないことが理解できる。 5 形式的操作期には,思考の自己中心性が強くみられる。   ピアジェの発達理論は覚えるしかないと思います。感覚運動期(0~2歳)→前操作期(2~7歳)→具体的操作期(7~11歳)→形式的操作期(11歳~)の順番です。

【正解4】

問題11 エリクソン(Erikson, E.)の発達段階説における各発達段階の課題に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 乳児期では,自発性の獲得である。 2 幼児期後期では,信頼感の獲得である。 3 学童期(児童期)では,親密性の獲得である。 4 青年期では,自律感の獲得である。 5 老年期では,統合感の獲得である。   エリクソンの発達段階説はピアジュ同様に頻出です。エリクソンの 8段階は、乳児期(0~1歳)→幼児期前期(1~3歳)→幼児期後期(3~6歳)→児童期(7~11歳)→青年期(12~20歳)→成人期初期(20~30歳)→成人期(30~65歳)→老年期(65歳~)です。

【正解5】

問題12 ストレスに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 汎適応症候群(一般適応症候群)における警告反応期とは,ストレス状況にうまく適応した時期のことである。 2 汎適応症候群(一般適応症候群)における抵抗期とは,外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期のことである。 3 ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことである。 4 タイプA行動パターンには,他者との競争を好まないという特性がある。 5 心理社会的ストレスモデルでは,ある出来事がストレスになり得るかどうかに,個人の認知的評価が影響することはないとされている。   いろんなものがごちゃ混ぜに入っている問題。 1:警告⇔適応という矛盾から不適切。 2:抵抗⇔限界を超えた、限界を超えたら抵抗できない。 5:ちょっと考えられない。 結局、3か4ということになる。 4:タイプA行動パターンは競争心が強い。

【正解3】

問題13 心理検査に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 ウェクスラー児童用知能検査第 4 版(WISC-Ⅳ)は,対象年齢が2歳から7歳である。 2 ミネソタ多面人格目録(MMPI)では,日常生活の欲求不満場面を投影法により測定する。 3 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は,高齢者の抑うつを測定する。 4 ロールシャッハテストは,図版に対する反応からパーソナリティを理解する投影法検査である。 5 矢田部ギルフォード(YG)性格検査は,連続した単純な作業を繰り返す検査である。   すべての選択肢を知らなくても解ける問題です。有名な図版を思い出せるかどうか。逆に消去法で解くのは難しいかもしれない。 答えを出せた人も念のため他の心理検査についても確認しておきましょう。

【正解4】

問題14 心理療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 精神分析療法では,無意識のエス(イド)の活動と,意識の自我(エゴ)の活動とが適切に関連するよう援助する。 2 家族療法は,家族問題を抱える個人を対象とする療法である。 3 遊戯療法(プレイセラピー)は,言語によって自分の考えや感情を十分に表現する方法であり,主として心理劇を用いる。 4 系統的脱感作法は,四肢の重感や温感,心臓調整,呼吸調整,腹部温感,額部涼感を順に得ることで,心身の状態を緊張から弛緩へと切り替える。 5 臨床動作法は,「動作」という心理活動を通して,身体の不調を言語化させる療法である。   難しい問題。間違ってしまっても気にすることは無い! 1:適切 2:家族療法は,問題となる個人とその家族全体を対象します。 3:遊戯療法(プレイセラピー)は,遊びを通して行なう子どもを対象とする心理療法です。心理劇を用いるというわけではありません。 4:系統的脱感作法は,十分にリラックスした状態で階層的に低い不安対象に暴露してゆく技法です。 四肢の重感や温感,心臓調整,呼吸調整,腹部温感,額部涼感を順に得ることで,心身の状態を緊張から弛緩へと切り替えるのは、自律訓練法です。 5:臨床動作法は、動作によってこころの働きを改善しようとするものです。

【正解1】

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