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18.相談援助の理論と方法(R3年-第34回)3/3

問題114 ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。 1 時間的順序に沿って過程を細かく記述する文体は,要約体である。 2 クライエントとのインテーク面接の動画を撮影して得た情報を記す様式は,モニタリングシート(経過観察用紙)である。 3 ソーシャルワーカーがクライエントに説明した言葉をそのまま記述する文体は,説明体である。 4 ソーシャルワーカーとクライエントとの相互作用を詳細に記述する文体は,過程叙述体である。 5 ソーシャルワーカーの教育訓練のために記すのが,月報や年報などの業務管理記録である。   なんだか、ヘンテコな問題という感じがしますが。消去法で解いていきましょう。 1:過程を細かく記述する文体が要約体であるはずがありません。 2:インテーク面接にモニタリングシートを使うというのは変です。 3:言葉をそのまま記述する文体は、逐語体です。 4:正しい 5:ちょっと考えられない。

【正解4】

問題115 次の記述のうち,個人情報の保護に関する法律の内容として,正しいものを 1つ選びなさい。 1 死亡した個人に関する個人情報も保護の対象とする。 2 個人情報取扱事業者の権利利益を保護することを目的として,個人情報取扱事業者の遵守すべき義務等を定めている。 3 個人情報取扱事業者が第三者に個人データを提供するときは,本人の生命の保護のために必要な場合でも,常に本人の同意を得なければならない。 4 個人情報取扱事業者は,個人情報の取扱いに関する苦情の解決について,地方公共団体に委ねなければならない。 5 匿名加工情報とは,特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であって,当該個人情報を復元できないようにしたものである。   個人情報の保護に関する法律は、3年ごとに見直しされます。 1:個人情報は生存する個人が対象です。ただ、死亡後であったとしても生存する個人と関連がある場合は、その生存する個人の個人情報になるかもしれません。例えば、多額の財産を残した人の情報等は保護する必要がありそうです。 2:権利利益を保護するのは、言うまでもなく個人です。 3:本人の生命の保護のために必要な場合で、本人の同意を得ることが困難であるときは例外となります。 4:個人情報取扱事業者自身も対応します。 5:正しい

【正解5】

問題116 バイステック(Biestek, F.)の援助関係の原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 意図的な感情表出の原則とは,クライエントのありのままの感情を大切にし,その表出を促すことである。 2 統制された情緒的関与の原則とは,クライエント自身が自らの情緒的混乱をコントロールできるようにすることである。 3 個別化の原則とは,他のクライエントと比較しながら,クライエントの置かれている状況を理解することである。 4 受容の原則とは,ソーシャルワーカーがクライエントに受け入れてもらえるように,誠実に働き掛けることである。 5 非審判的態度の原則とは,判断能力が不十分なクライエントを非難することなく,ソーシャルワーカーがクライエントの代わりに意思決定を行うことである。   バイステックは頻出です。正解できた人も復習しておきましょう。 1:適切 2:統制された情緒的関与の原則とは,クライエントではなく援助者の感情の統制です。 3:個別化の原則とは,クライエントをかけがえのない個人として捉えることです。 4:受容の原則とは,ソーシャルワーカーがクライエントを受け入れることです。 5:非審判的態度の原則とは,自分の価値観を押し付けること、善悪の判断をしないことです。 他にも、自己決定の原則、秘密保持の原則があります。

【正解1】

問題117 事例を読んで,W地域包括支援センターのC社会福祉士のこの時点での対応に関する次の記述のうち,適切なものを 2つ選びなさい。 〔事 例〕 W地域包括支援センターのC社会福祉士は,日常生活圏域の「協議体」の終了後,一緒に参加していたD民生委員から, 1 年ほど前に妻を亡くして一人暮らしのEさん(85 歳)について相談を受けた。D民生委員はEさんをふれあいサロンに誘うなど気に掛けているが,Eさんは外出を嫌がっている。最近もD民生委員が自宅を訪ねると,床一面ゴミだらけで悪臭がし,ねずみが動くのも見えた。Eさんは顔色も悪く足を引きずりながら出てきて,「俺のことは放っておいてくれ」とつぶやいたという。 1 D民生委員に,民生委員児童委員協議会の定例会で対応策を協議して決めるようアドバイスする。 2 D民生委員が誘っているふれあいサロンに参加するよう,C社会福祉士がEさんを説得する。 3 D民生委員も含めて多機関でEさんへの対応について検討するため,地域ケア会議の開催準備をする。 4 D民生委員に同行してEさん宅を訪ね,本人の健康に気遣いながら生活課題を把握する。 5 D民生委員も参加する協議体で,Eさんに対応できる新しいサービスを開発する。 (注) ここでいう「協議体」とは,介護保険の生活支援・介護予防サービスの体制整備に向けて,市町村が資源開発を推進するために設置するものである。   勤務先が違ったとしても社会福祉士に求められる対応は同じと考えましょう。 1:これだと押し付けになる。 2:自己決定、非審判的態度の原則に反すると思います。決めるのは本人です。 3:適切 4:適切 5:時間が掛かり過ぎる。ただ、間違いとまでは言えない気もします。

【正解3,4】

問題118 事例を読んで,X病院に勤務するF医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のこの段階における対応として,適切なものを 2つ選びなさい。 〔事 例〕 Gさん(55 歳)は 3 年前に妻と離婚後,市内で一人暮らしをしていた。Gさんは糖尿病で,X病院に通院してきたが,仕事が忙しく,受診状況は良好ではなかった。ある日,Gさんは街中で倒れ,救急搬送されそのままX病院に入院となった。Gさんの糖尿病はかなり進行しており,主治医から,今後は週三日の透析治療を受ける必要があり,足指を切断する可能性もあることを告げられた。Gさんは,「どうしてこんな目に遭わなければならないのか」とつぶやいた。主治医は,相談室のF医療ソーシャルワーカーに,Gさんの生活相談に乗ってほしいと依頼した。F医療ソーシャルワーカーは,Gさんの思いを受け止めた上で,相談に乗った。 1 相談室の役割を説明し,引き続きの支援の中で活用できる制度やサービスの紹介をしていきたいと伝える。 2 今後の病状の進展によっては,足指の切断も必要ない場合があるので,諦めずに希望を持ってほしいと伝える。 3 今後の暮らしの変化について,収入面や就労継続等の生活課題を整理する。 4 今までの仕事優先の生活を改めるよう指導する。 5 同じような状況にあった人のことを例に挙げ,Gさんも必ず乗り越えられると励ます。   テレビドラマなら、どれもありそうな感じですが、社会福祉士の対応です。 *34回試験は過去最高の合格基準点となりましたが、この科目で点数を伸ばした受験生が多かったと思います。 1:適切。Gは街中で倒れて入院したばかりであるが、今後は糖尿病のために週3日の透析治療が必要で、足を切断する可能性があることも告げられている。 Gは3年前に離婚して一人暮らしをしていることから、現状を受け止めることは辛いであろう。 この段階で、Fが、相談室の役割を説明し、引き続きの支援の中で活用できる制度やサービスの紹介をしていきたいと伝えることは、Gの不安を和らげ、支援者の存在を知ってもらううえで適切といえる。 2:Gが足を切断するかどうかは現段階でははっきりしないが、この段階ではGの気持ちをしっかりと受容することが大切である。 3:適切。糖尿病がかなり進行し、今後週3日の透析が必要となるGにとって、収入や就労継続等の生活課題は切実である。生活のありようも大きく変わることになる。この段階でそうした生活課題について整理することは適切といえる。 4:この段階では、Gの気持ちを受容することが不可欠であり、今までの仕事優先の生活を改めるよう指導してもGの耳には届かないであろう。 5:入院直後に想定外の宣告を医師から告げられたGに、設問のような励ましをすることは時期尚早といえる。この段階における対応としては適切とはいえない。

【正解1,3】

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