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13.介護過程(R2年-第33回)

問題 61 介護過程の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 利用者の健康状態の改善 2 介護福祉職の介護観の変容 3 他職種との役割の分化 4 家族の介護負担の軽減 5 利用者の生活の質の向上   介護福祉士を目指す方は、この問題が解けないとまずいですよ。簡単というよりも、介護の最も本質的な部分であり、基本的な理念です。ほぼすべての職務の目的は利用者の生活の質(QOL)の向上です。

【正解5】

問題 62 介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 五感を活用した観察を通して情報を集める。 2 一つの場面に限定して得られる情報を集める。 3 初対面のときから踏み込んで情報を集める。 4 興味のある個人情報を集める。 5 実践したい支援に沿った情報を集める。   サービス問題です。 2:一つの場面に限定する必要はありません。情報に関して限定という言葉が適切であり得るのは、個人情報保護の観点から利用の方法を限定するという時ぐらいです。 3:これは自分がされても嫌ではないでしょうか。 4:利用者の興味のある情報を集めるのは良いですが、介護福祉職自身の興味のある個人情報を集めるのは不適切です。 5:単なる自分勝手ですね。

【正解1】

  問題 63 次の記述のうち,介護過程の展開におけるアセスメント(assessment)の説明として,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 支援内容を説明して同意を得ること。 2 具体的な支援計画を検討すること。 3 達成できる目標を設定すること。 4 支援の経過を評価すること。 5 利用者の生活課題を明確にすること。   介護の現場でのアセスメントといえば、プランを立てるために行う情報収集と覚えておけば良いでしょう。 この情報収集の最終目的はQOLの向上ですが、QOLを向上させるために生活課題を明確化し、その課題解決のためにプランを作成します。 インテーク、モニタリングなどとの違いを意識しながら学習して下さい。

【正解5】

問題 64 短期目標の設定に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 介護福祉職の視点で目標を設定する。 2 多様な解釈ができる言葉を用いて設定する。 3 実現可能な目標を段階的に設定する。 4 長期目標とは切り離して設定する。 5 最終的に実現したい生活像を設定する。   短期目標・長期目標の違いを意識しよう。 短期目標は理念的なものでは無く、実現可能な目標です。具体的には、「週二回の入浴」といった具体的なものです。 長期目標は、利用者が理想像として目指す最終的なゴールと考えましょう。例えば、長期目標が自立歩行である場合の短期目標は「週二回の通所リハビリ」という様に覚えましょう。

【正解3】

次の事例を読んで,問題 65,問題 66 について答えなさい。 〔事 例〕 Mさん(78 歳,女性,要介護 2 )は,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。楽しみは,お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を,「見守りのもと,一人で入浴する( 3か月)」と設定し,順調に経過していた。 1か月が過ぎた頃,朝の申し送りで,「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが,転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方,介護福祉職が入浴に誘うと,「行きたくない」と強い口調で断った。それから 1 週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて,安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし,Mさんは,「怖いから」と小声で言った。   問題 65 Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。 1 順調に経過していたときの状況を分析する。 2 「怖いから」という思いを解釈する。 3 入浴を断られた介護福祉職の思いを理解する。 4 入浴時間の変更を検討する必要があると判断する。 5 入浴を面倒に思っていると判断する。   短期目標は実現可能なものですが、今は理由があるとはいえ実現していない状態です。短期目標を実現させるために、再度アセスメントを行います。 Mさんの恐怖心を取り除かない限り短期目標を達成させることはできません。この恐怖心をどうやって取り除くか、取り除けなくても緩和していくことを考えなければなりません。

【正解2】

問題 66 再アセスメントによって見直した支援の方向性として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 湯船につかる自信を取り戻す支援 2 浴室内の移動の不安を取り除く支援 3 浴室まで安全に移動できる支援 4 足浴で満足感を得ることができる支援 5 身体機能を改善する支援   恐怖心は、浴室を出ようとしたときに足を滑らせたことが原因です。 従って、浴室内(浴室までではなく)での不安を取り除く支援を考えます。この場合、短期目標は「見守りのもと,一人で入浴する( 3か月)」で変更はなく、見直すのはその短期目標を達成するための支援の方法です。

【正解2】

次の事例を読んで,問題 67,問題 68 について答えなさい。 〔事 例〕 Aさん(80 歳,女性,要介護 3 )は,パーキンソン病(Parkinson disease)と診断さ れている。診断後も家業を手伝いながら,地域の活動に参加していた。半年前からパーキンソン病(Parkinson disease)が悪化し,動作は不安定となったが,「家族に迷惑をかけたくない」と,できることは自分で取り組んでいた。また,主となる介護者である娘に服薬を管理してもらいながら,通所介護(デイサービス)を週3 回利用し,なじみの友人と話すことを楽しみにしていた。最近,通所介護(デイサービス)の職員から娘に,昼食時にむせることが多く食事を残していること,午後になると,「レクリエーションには参加したくない」と落ち着かない様子になることが報告された。   問題 67 介護福祉職がAさんについて,主観的に記録したものを 1つ選びなさい。 1 パーキンソン病(Parkinson disease)と診断されている。 2 帰宅願望から,レクリエーションの参加を拒否した。 3 「家族に迷惑をかけたくない」と話し,できることは自分で行っていた。 4 週 3 回,通所介護(デイサービス)を利用している。 5 昼食時にむせることが多く,食事を残していることを娘に報告した。   少し分かり難い問題ですが、問われているのは介護福祉職の主観的な記録はどれかということです。 事実や客観ではなく、主観を交えたものです。 1,3,4は客観的事実です。5は事実を報告したという客観的事実です。 2:帰宅願望という言葉は介護福祉職の主観であることが分ります。

【正解2】

問題 68 その後,娘が腰痛を発症し,Aさんは短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。 次の記述のうち,短期入所生活介護(ショートステイ)におけるAさんの生活課題として,最も優先すべきものを 1つ選びなさい。 1 食事を安全に摂取できること。 2 服薬の管理ができること。 3 通所介護(デイサービス)の利用を再開できること。 4 なじみの友人ができること。 5 地域の活動に参加できること。   Aさんは、昼食時にむせることが多く食事を残している状態です。娘に服薬を管理してもらっています。 1か2のどちらかですが、食事の安全摂取が最も優先されます。

【正解1】

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