問題 143 次の記述のうち、就労定着支援に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 特別支援学校を卒業したばかりの新卒者の職場定着を支援する。
2 支援は、障害者が通常の事業所に雇用される前から開始される。
3 支援は、最大6か月間提供される。
4 支援の内容には、生産活動の機会の提供を通じて、知識及び能力の向上のために必要な訓練を供与することが含まれる。
5 支援の内容には、障害者が雇用されたことに伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での問題に関する相談、助言が含まれる。
★★
1は×である。
就労定着支援を利用できるのは、就労移行支援、就労継続支援、自立訓練、生活介護などの利用を経て、一般就労へ移行した障害者である。
また就労に伴う環境の変化により、日常生活での課題がある障害者も対象となる。ただ、正確に知らなくても、新卒者に限定されないだとうと推測できればいい。
2は×である。
就労定着支援は。雇用された後に開始される。仮に知らなかったとしても、別に就労移行支援があることを知っていれば、誤りと判断できるであろう。
3は×である。
支援期間は最大3年間である。知らなかった場合、半年という期間を短いと感じるかどうか。
4は×である。
説明は就労移行支援に関するものである。
5は〇である。
正解5
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
就労定着支援に関する細かいところを聞く問題である。過去問でも、ここまで細かい問題はなかった。
本問は、1,2,3を就労定着支援という名称や関連する就労移行支援との関係で、誤りと判断できるかどうかが一つ目の鍵となる。
次に、4と5まで絞れた場合、いずれが就労定着支援という名称に適したものかを判断することになる。就労定着支援は、すでに一般就労したものの職場定着を支援するものだから(これはイメージできるはず)、4<5と考えられれば、正解を導ける。
問題144 「障害者雇用促進法」に定める常用雇用労働者数100人以下の一般事業主に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 障害者雇用納付金を徴収されない。
2 報奨金の支給対象とならない。
3 障害者に対する合理的配慮提供義務を負わない。
4 重度身体障害者及び重度知的障害者を雇用した場合、実雇用率の算定に際し1人をもって3人雇用したものとみなされる。
5 法定雇用率未達成の場合に、「対象障害者の雇入れに関する計画」の作成を命じられることはない。
(注)「障害者雇用促進法」とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
★
1は〇である。
常用雇用労働者数100人以下の企業は、障害者雇用納付金を徴収されない。
2は×である。
常用雇用労働者数100人以下の企業も、報奨金の支給対象となる。
3は×である。
常用雇用労働者数100人以下の企業も、障害者に対する合理的配慮提供義務を負う。
4は×である。
重度身体障害者及び重度知的障害者を雇用した場合、1人をもって2人雇用したものとみなされる。
5は×である。
法定雇用率未達成の場合、厚生労働大臣は、「対象障害者の雇入れに関する計画」の作成を命じることができる。
正解1
🐾ソーシャルワンカーのつぶやき🐾
最近では、㉝問145、㉜問144、㉚問143で出題されているが、常用雇用労働者数100人以下の企業についての出題は初めてと思われる。
3,4,5については、関連知識から、誤りと判断できるが、1と2については、知らないと判断に迷うであろう。
問題 145 次の記述のうち、公共職業安定所(ハローワーク)が実施する業務として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 労災保険給付の支給
2 無料職業紹介事業の許可
3 有料の職業紹介
4 生活保護における生業扶助の支給
5 障害者雇用に関する技術的助言・指導
★★
1は×である。
労働基準監督署の業務である。
2は×である。
厚生労働大臣が行う。
3は×である。
公共職業安定所(ハローワーク)は、無料の職業紹介を行う公的機関である。
4は×である。
福祉事務所の役割である。
5は〇である。
障害者を雇用する際の技術的助言・指導も公共職業安定所(ハローワーク)の役割である。
正解5
🐾ソーシャルワンカーのつぶやき🐾
公共職業安定所(ハローワーク)の役割は、被保護者や更生保護との関連でも出題なされている。
問題 146 事例を読んで、公共職業安定所(ハローワーク)の職員が行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
民間企業で 10年間働いてきたHさん(33歳)は、新たな職務に強いストレスを感じるようになり、出勤できなくなった。医師からうつ病との診断を受け、6か月間休職したが、症状が改善せず退職した。
退職から1年が経ち、まだ、うつの症状は残っており、就業面、生活面での不安を感じるものの、金錢面の問題から、とにかく働かなければならないと焦りを感じ、公共職業安定所(ハローワーク)を訪問した。
1 一般就労の経験があるHさんは、問題なく一般就労が可能であると判断し、一般企業からの求人情報を提供する。
2 Hさんの希望は就職であることから、適応訓練についてはあっせんしない。
3 Hさんの確実な就職のため、一般企業ではなく特例子会社の求人を紹介する。
4 本人の了解を得て、障害者就業・生活支援センターを紹介するなど関係機関と連携する。
5 一般就労には週の所定労働時間が20時間以上であることが求められる旨を説明する。
★★★
1は×である。
Hには、まだ、うつの症状が残っていることから、問題なく一般就労が可能であると判断するのは適切ではない。
2は×である。
Hは就業面、生活面での不安を感じていることから、適応訓練についても視野に入れるべきである。
3は×である。
肢1と同様に、Hの状態を十分に把握することなく、一般企業ではなく特例子会社の求人を紹介することは適切ではない。
4は○である。
Hは、就業面、生活面での不安を感じながらも、金錢面の問題から働かなければならないとの気持ちから、公共職業安定所(ハローワーク)を訪問している。
うつの症状が残っているHがひとりでこれらの問題を解決するのは難しいと考えられるので、本人の了解を得たうえで、障害者就業・生活支援センターを紹介するなど関係機関との連携をすることは適切である。
5は×である。
週所定労働時間が20時間以上というのは、障害者を雇用した企業が実雇用率に算定する場合である。Hが障害者雇用を希望しているのかは問題文からは明らかではない。
また、Hがどのような働き方を希望しているのかも不明である。よって、このような説明をするのは適切ではない。
正解5
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
極端な対応である1,2,3は不適切と判断しやすい。残る4と5を比較した場合、公共職業安定所(ハローワーク)の職員の対応が問われている本問では、関係機関との連携を模索する4を選ぶべきであろう。