問題 119 社会福祉法人に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
2 収支計算書の公表は任意である。
3 他の社会福祉法人と合併することはできない。
4 評議員、評議員会、理事、理事会、監事を設置することが義務づけられている。
5 評議員は無報酬でなければならない。
★★
1は○である。
2は×である。
公表しなければならない。㉟問119肢1参照。
3は×である。
合併することができる。㉜問119肢3、㉙問119肢3参照。
4は〇である。
なお、㉟問120肢4参照。
5は×である。
このような規定はない。㉝問119肢1参照。
正解1,4
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1は単独では判断できなかった人が多かったと思われるが、2から5は比較的判断しやすい。
問題 120 経営の基礎理論に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1. バーナード(Barnard, C.)によれば、非公式組織とは、意識的で、計画的で、目的をもつような人々相互間の協働である。
2 テイラー(Taylor, F.)は科学的管理法を提唱し、作業現場の管理について、合理的な規則と手続きによる管理の重要性を強調した。
3 ハインリッヒ(Heinrich, H.)は、軽微な事故への対策を実施しても、重大な事故を未然に防ぐことはできないことを明らかにした。
4 アッシュ(Asch, S.)は、個人として正しい判断ができていれば、多数派の力には負けることはないという現象を明らかにした。
5 メイヨー(Mayo, G.)とレスリスバーガー (Roethlisberger, F.)は、組織における経済的合理性を追求する、経済人モデルを提唱した。
★★
1は×である。
非公式の組織が、「意識的で、計画的で」というのはおかしい。バーナードの非公式組織とは、個人的な感情などによるつながりのことである。職場で気の合う人と一緒に昼ご飯を食べに行くことがあると思うが、それが非公式組織である。
2は〇である。
㉝問121参照。
3は×である。
ハインリッヒは、1件の重大事故の背景には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、その背後には事故寸前だった300件の危険な状態が隠れているとした。㉞問124肢1、㉝問121肢5参照。
4は×である。
アッシュは多数派の人数をいろいろに変えた実験も行い、3人以上の多数派なら、少数派の同調行動が同じように起こることや、多数派のうちの一人でも違う答えを言うと、同調が起こりにくくなること(「斉一性の原理」)などを実験で明らかにした。㉝問121肢2参照。
5は×である。
メイヨー(Mayo,G.)らによって行われたホーソン実験では,生産性に影響を与える要因が,労働条件や作業環境よりも人間関係であることが確認された。㉝問121参照。経済人モデルは、テイラーの科学的管理法に端を発するモデルである。
正解2
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自信があれば2を積極法で選べばよい。自信がなければ、消去法で解く。1や4は内容的におかしいと判断できる。3と4は、過去問でも何回か登場している。
問題 121 集団やチームに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 集団浅慮とは、集団を構成する個々のメンバーが、個人で考えるよりも多面的な検討を行うことができるようになる現象のことである。
2 集団の規範とは、メンバーが誰かの努力や成果にただ乗りして、自分自身は力を出し切らないことである。
3 集団の凝集性は、集団を構成するメンバーを離散させ、個々人に分離させる傾向をもつ。
4 チームの生産性は、チームメンバー間で信頼や尊敬の念が育まれていると低くなる。
5 集団内のコンフリクトには、集団に悪影響を及ぼす非生産的ゴンフリクトと、集団に好影響を及ぼす生産的コンフリクトの両方の側面がある。
★★★
1は×である。
集団浅慮とは、集団で行動するときに浅はかな行動に走りやすい場合があることを示す用語である。浅慮という部分から、説明内容がおかしいと判断できる。
2×である。
集団の規範とは、集団の成員に共有されている価値判断や行動様式の基準である。説明のような内容では、規範とはいえない。説明は集団的手抜に関するものである。
3は×である。
グループの凝集性が高まると、メンバーのグループへの所属意識は強くなる。㉞問112肢5参照。
4は×である。
低くなるのではなく、高くなる。
5は○である。
コンフリクトは、対立といった意味である。説明は、集団内の対立には、生産的なもの(競い合って良い成果を出せるような場合)と非生産的なもの(足を引っ張り合うような場合)があるとする。常識的に考えても頷ける内容である。
正解5
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十分な知識がなくても、よく読めば正解を導ける。㉜問121参照。
問題 122福祉サービス提供組織の財源に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 障害福祉サービスを行う事業者の収入の総額は、市町村からの補助金の総額に等しい。
2 介護保険事業を行う事業者の収入の総額は、利用者が自己負担する利用料の総額に等しい。
3 ファンドレイジングとは、事業や活動を行うために必要な資金を様々な方法を使って調達することを指す。
4 社会福祉法人が解散する場合、定款の定めにかかわらず、その法人に対して寄付を行ってきた個人は、寄付した割合に応じて残余財産の分配を受けることができる。
5 特定非営利活動法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、事業によって得られた利益を自由に分配することができる。
★★
1は×である。
利用者の自己負担分の収入もある。
2は×である。
介護報酬(9割~7割)分の収入がある。
3は○である。
4は×である。
設立時の寄付者に持分は存在しないため、残余財産の分配を受けることはできない。特定非営利活動法人は、利益を自由に分配することはできない。㉜問119肢3参照。
5は×である。
㉜問112肢5参照。
正解3
問題 123 福祉サービス提供組織の運営に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 アカウンタビリティとは、ステークホルダーに対する説明責任を指す。
2 社会福祉法人における評議員会とは、法人の日常的な業務執行の決定などを行う機関である。
3 社会福祉法人の監事には、法人の評議員会の業務執行を監査し、その内容について監査報告書を作成する役割がある。
4 コンプライアンスとは、組織が法令や組織内外のルールを守ることにより、社会的責任を果たすことをいう。
5 社会福祉法人における理事会とは、定款の変更や役員の選任などの体制の決定を行う機関である。
★★
1は〇である。
㉜問123肢3参照。
2は×である。
法人の業務執行の決定を行うのは理事会であるが、日常的な業務執行の決定については理事に委任することができる(社会福祉法45条の13参照)。
3は×である。
監事は、理事の職務の執行を監査する(社会福祉法45条の18第1項)。
4は〇である。
㉜問123、㉛問119参照。
5は×である。
定款の変更や役員の選任などの体制の決定を行う機関は、評議員会である(社会福祉法43条1項、45条の36第1項)。
正解1,4
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2,3,5は、社会福祉法人の機関の役割がわかっていれば、その場で読んで誤りと判断することができる。1,4について確信が持てなければ、消去法を用いて解く。
問題 124事例を読んで、H施設管理者が実施した人材育成の手法について、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Z高齢者介護施設は、定期的に職場内において勉強会を実施している。このほど、Z施設が立地するP県主催の「高齢者虐待の防止について」という研修会の通知が届いた。2施設のH施設管理者は、職員数名をこの研修会に参加させ、新たな知見を得てもらうこととした。
1 コーチング
2 OFF-JT
3 ジョブ(職務)ローテーション
4 OJT
5目標管理制度
★★
1は×である。
コーチングとは、コーチが対象者との対話を通じて、対象者の立場・役割にふさわしい態度・能力の獲得を支援するプロセスである。H施設管理者は、職員数名をこの研修会に参加させたのであり、コーチングは行っていない。
2は〇である。
OFF-JTとは、日常の職務を離れて行う教育訓練方法のことを指す。OJTと対比すると覚えやすい。
3は×である。
ジョブ(職務)ローテーションに類することは行われていない。
4は×である。
OJTは、職務現場で実践指導を通して行われる職業関連の研修のことである。
5は×である。
目標管理制度(MBO)とは、会社の方針と社員自身が目指したい方向性を擦り合わせ、一人ひとりに目標を設定し、成果までの道のりを管理することである。
正解2
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OFF-JTは、㉟問124、㉚問125で登場しているが、正面から意味内容が問われたものではなかった。すぐにわかららないときは、誤りと判断しやすいものを消去していく。
問題 125「育児・介護休業法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 子の養育及び家族の介護を容易にするため、所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めている。
2 育児休業とは、産後8週までの女性に対し、使用者が休業を与えるものである。
3 対象家族に無職かつ健康な同居者がいる場合は、介護休業を取得することができない。
4 期間を定めて雇用される者は、雇用の期間にかかわらず介護休業を取得することができない。
5 対象家族一人について、介護休業を分割して取得することはできない。
(注) 「育児・介護休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。
★★
1は〇である。
2は×である。
産後休業に関するものである(労働基準法65条2項)。
3は×である。
このような制限はない。
4は×である。
有期雇用労働者(パート、派遣、契約社員など雇用期間に定めがある労働者)も、一定の条件を満たせば、育児休業や介護休業をすることができる(育児・介護休業法111条1項)。
5は×である。
介護休業は、通算 93 日について、具体的な期間の上限等なく 3回までの分割取得を認めている。
正解1
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肢1はある意味当然のことが書かれており、迷ったら積極法で本肢を選ぶ。