問題 105 ソーシャルワークの過程におけるアフターケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ソーシャルワーカーや支援チームの状況変化に応じて行う。
2 クライエントとの間に信頼関係を形成することが目的となる。
3 アセスメントの精度を高めることが目的である。
4 問題の新たな発生や再発が起きていないか確認をする。
5 支援計画が十分に実施されたかを評価する。
★★★
1は×である。
援助中の場面であり、アフターケアに関する記述ではない。
2は×である。
信頼関係の形成が目的となるのは、アフターケアよりも前の段階で行われる。
3は×である。
アフターケアは、相談援助が終結したクライエントの状況を確認し,必要に応じて援助を展開するものであり、アセスメントの精度を高めることが目的ではない。
4は〇である。
5は×である。
モニタリングに関する記述である。㉞問102参照。
正解4
🐾ソーシャルワンカーのつぶやき🐾
㉘問108で、フォローアップという用語で出題されている。
問題 106 ソーシャルワークの援助関係に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 共感的理解とは、クライエントの世界を、あたかもソーシャルワーカーも体験したかのように理解することである。
2 目的志向性とは、クライエントを意図的に導くことにより、ソーシャルワーカーの自己覚知を促進することである。
3 パターナリズムとは、ソーシャルワーカーの権威と自由裁量を否定し、対等な立場を重視した援助関係のことである。
4 受容とは、クライエントの逸脱した態度や行動に対しても、同調した上で、それを許容することである。
5 ソーシャルワーカーの自己開示とは、クライエントの行動や感情における矛盾を指摘することである。
★★
1は○である。
2は×である。
目的志向性は、達成したい目的や目標を意識することで、それに向かおうとする気持ちが芽生え、強いモチベーションにつながるという考え方である。
3は×である。
パターナリズムとは、ソーシャルワーカーの権威と自由裁量を肯定し、専門職の判断を重視した援助関係のことである。
4は×である。
受容とは、ソーシャルワーカーがクライエントのあるがままを受け入れようとする態度であるが、クライエントの逸脱した態度や行動に対して同調するものではない。
5は×である。自己開示とは、他者に自分のことを伝えたり、自分の考えていることをさらけ出したりすることである。
正解1
問題 107 次の記述のうち、ケアマネジメントの一連の過程における再アセスメントに関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 サービスを新たに開始するために、クライエントの望む生活に向けた目標を設定し、その実現に向けて支援内容を決定した。
2 クライエントの生活状況の変化によるサービス内容の見直しのために、新たに情報収集し、課題の分析を行った。
3 クライエントの課題が解決したため、ケアマネジメントを終了することを確認した。
4 クライエントになる可能性のある人の自宅やその地域を訪問し、ニーズを把握した。
5 サービスの終結をした者から、新たにサービス利用の申し出があったため、情報の収集を行った。
★★
1は×である。
単なるアセスメントである。
2は○である。
支援が継続する中での再アセスメントである。㉝問105肢3参照。
3は×である。
終結の場面である。
4は×である。
ニーズ調査である。
5は×である。
支援が終結した後のアセスメントである。
正解2
問題 108 ロスマン(Rothman,J.)が1960年代に提唱したコミュニティ・オーガニゼーション実践のモデルに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 組織化モデルとは、住民の地域生活支援を目標として、当事者の個別支援と連動させて、地域の生活基盤の整備に向けた地域支援を展開する方法である。
2 小地域開発モデルとは、不利な立場に置かれた人々が直面する状況を自らの力では変革できない時に、同じ問題意識を共有する人々と連帯し、権力構造に対して政治的に働きかける方法である。
3 社会計画モデルとは、住民や当事者が求めるサービスや資源の提供を達成するために地域のニーズを調査して、サービス提供機関間の調整を図る方法である。
4 ソーシャルアクションモデルとは、地域が求める目標を達成するために、サービス提供機関が地域の資源を利用して活動を推進する方法である。
5 統合モデルとは、地方自治体による政策実践と、福祉施設等における運営管理実賎を一体のものとして、地域を変革することを主たる目標とする方法である。
★
1は×である。
2は×である。
説明はソーシャルアクションモデル(肢4)に関するものである。
3は○である。
ロスマンは、コミュニティ・オーガニゼーション実践のアプローチを3つに類型化した。①小地域開発モデル(多くの住民参加により地域変化を期待)、②社会計画モデル(地域社会の問題を計画的・合理的に解決)、③ソーシャルアクションモデル(地域住民の連帯に基づいて資源の整備や制度の改善を求めていく運動)である。本肢は社会計画モデルに関するものである。
4は×である。
説明は小地域開発モデル(肢2)に関するものである。
5は×である。
正解3
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
正答率は低かったと思われる。知らなければ正攻法で解くのを諦めて、特徴的なモデルを頼りに交差法を使って選択肢を絞ってみる。
この点、4のソーシャルアクションモデルは、2の説明部分とのつながり推測しやすい。これで、2と4を消去する。
残りを見ていくと、1は、個別支援と合わせて、地域の生活基盤も整備していくというものであり、組織化モデルという用語とはマッチしない。これで1を消去する。残った3と5を比較して、用語と説明を合致しているものを選ぶ。
問題 109グループワークに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 グループの発達過程は、メンバー間の関係の変化に影響を受ける。
2 波長合わせとは、メンバー間の親しい接触を通して、お互いに刺激し、影響し合うことである。
3 グループメンバー間の暗黙の葛藤に対しては、それが表面化しないように働きかける。
4 プログラム活動では、全員が同じ動きを行うことを優先するように求める。
5 終結期には、メンバー間の感情の表出や分かち合いを避ける。
★★★
1は○である。
2は×である。
波長合わせとは、メンバーがどのような思いや感情を持ってグループの場面にやってくるのかを,援助者があらかじめ理解しておくことである。㉙問115参照。
3は×である。
これでは集団の相互作用を活用しているとはいえない。㉘問98肢3参照。
4は×である。
グループワークの目的は、グループの統制を図ることではなく、一人一人の成長にある。㉘問98肢4参照。
5は×である。
終結期では、メンバーがグループ体験を振り返り、感情を分かち合えるように援助する。㉞問111肢5参照。
正解1
問題 110 スーパービジョンに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スーパーバイジーは、スーパーバイザーより知識も技量も高い。
2 スーパービジョンの契約は、スーパービジョンの展開過程の終結段階で行われる。
3 スーパービジョンにおける管理的機能では、スーパーバイジーの業務遂行の適切さを確認する。
4 パラレルプロセスは、スーパーバイジーが過去の特定の人間関係をスーパーバイザーとの関係の中に投影することである。
5 スーパーバイザーは、クライエントに最良のサービスを直接提供する。
★★★
1は×である。
知識も技量も高いのは、スーパーバイザーの方である。
2は×である。
スーパービジョンの契約は、スーパービジョンを開始する前に行う。㉛問115肢2参照。
3は〇である。
4は×である。
パラレルプロセスとは,スーパーバイジーであるソーシャルワーカーとクライエントとの関係とよく似た状況が,スーパーバイザーとスーパーバイジーとの関係において起こることをいう。㉛問115肢4参照。
5は×である。
スーパーバイザーは、クライエントにサービスを直接提供しない。
正解3
🐾ソーシャルワンカーのつぶやき🐾
肢3と4まではすぐに絞れる。4は過去に出題されているが、意味を覚えていなかった場合は、積極法で3を選ぶ。スーパービジョンには、管理的、教育的、支持的機能がある。
問題 111記録の方式の一つにSOAP方式がある。その内容に関して、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Sは、客観的情報であり、利用者の行動を観察した内容を記述する。
2 Oは、主観的情報であり、利用者の語った内容を記述する。
3 Aは、支援計画であり、他機関や他専門職からの情報を記述する。
4 Pは、プロセスであり、利用者の言葉や他機関からの情報に関する判断を記述する。
5 SOAP記録は、問題と援助者の思考が明確になる問題志向型記録の一つである。
★★
1は×である。
Sは主観的情報である。Subject(主観)の頭文字。
2は×である。
Oは客観的情報である。Object(客観)の頭文字。
3は×である。
Aはアセスメントである。Assesment(アセスメント)の頭文字。
4は×である。
Pはプランニングである。Planning(プランニング=援助計画)の頭文字。
5は〇である。
正解5
🐾ソーシャルワンカーのつぶやき🐾
SOAP方式は看護で用いられることが多い記録方式である。㉛問116で出題されているが、肢5に関する選択肢はない。消去法を用いた方が解きやすい。