問題56 介護保険における夜間対応型訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 事業者は、利用者へ配布するケアコール端末に係る設置料、リース料、保守料の費用を利用者から徴収することができる。
2 利用者から合錠を預かる場合は、従業者であれば容易に持ち出すことができるような管理を行う必要がある。
3 随時訪問サービスは、利用者の処遇に支障がないときは、他の指定訪問介護事業所の訪問介護員等に行わせることができる。
4 夜間対応型訪問介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、夜間対応型訪問介護計画を必要に応じて変更する。
5 看護師及び介護福祉士は、面接相談員になることができる。
厳密なデータはないが、本問の正解率は低かったと思われる。
★ ×と4〇はわかりやすいが、残りは知らないと、いずれが正しいのかの判断に迷う問題である。
1は知らないと迷う。実費に相当するものといえるが、
「利用者へ配布するケアコール端末に係る設置料、リース料、保守料の費用」について、事業者は利用者から徴収することはできない。分からなければ、△にして次に進む。2は、一見よさそうだが、
「従業者であれば容易に」の部分には違和感がある。例えば、持ち出しを記録する必要はないのか、など。少し×ぽい。3は、利用者にとって便利なようだが、契約関係にない他の事業所の職員に勝手に行わせていいのという気持ちが湧く。ただし、随時訪問サービスであり、スタッフは幅広い方が利用者宅を訪問しやすい。また、「利用者の処遇に支障がないとき」という限定もある。そうした点も含めて、予め契約しているなら、一概に許されないとまでは言えない気もする。△にして次に進む。4は、特に問題のない記述であり〇であろう。5は知らなければ△。結局、本問は、1を×とするか、あるいは3と5を〇と判断できるだけの知識がないと正解を導きにくい問題といえる。
【正解3,4,5】
問題57 指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 虐待等のやむを得ない事由があれば、要介護1又は2の者を入所させることができる。
2 感染症や食中毒の予防又はまん延防止のため、その対策を検討する委員会をおおむね三月に1回以上開催しなければならない。
3 入所者に対する施設サービス計画等の記録は、その 完結の日から一年間保存すれば、廃棄することができる。
4 公共性の高い施設であるため、広告は禁じられている。
5 健康状態によって入浴が困難な入所者には、清拭を1週間に2回以上行わなければならない。
正解して欲しい問題である。
★★★ 過去問学習が効果を発揮する。
1は、虐待等があれば未だに措置入所が残っていることから、〇と判断できる。なお、指定介護老人福祉施設の入所要件は
「原則として要介護3以上」とされたが、
要介護1又は2でも特例入所が可能であることも知っておく必要がある。2は知らなければ△(知らない人の方が多いのではないか)。3は、「一年間」をどうみるか。あまりに短くはないだろうか。本問のヒントになる肢が
2017問18で出題されているが、3は×である。4はどうか。街中で指定介護老人福祉施設の広告を見たことはないだろうか。広告は禁じられていないので×である。5は、関連する肢は
2017問22で出題されている。指定介護老人福祉施設では、
入浴は週2回以上というのは基本的知識といえる。健康状態により入浴が困難なら、入浴に変えて清拭を週2回以上とする5の記述は〇と判断できるであろう。
【正解1,2,5】
問題58 生活困窮者自立支援制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 生活困窮者自立支援法は、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しの一体的な検討を経て国会に提出され、成立した。
2 生活困窮者自立支援法の対象者は、稼働年齢層に限定されている。
3 生活困窮者自立相談支援事業は、必須事業である。
4 生活困窮者就労準備支援事業は、任意事業である。
5 生活困窮者住居確保給付金の支給は、任意事業である。
本問は知識がないと正解を導くのが困難な問題である。
★ 生活困窮者自立支援制度は、初登場である。
1は、何となく〇ぽいと感じた人が多かったのではないだろうか。生活困窮者自立支援法が第2のセーフティネットを呼ばれていることとも整合性がある(そう呼ばれていることを知らなければこのように判断できないが)。2は、あえて「稼働年齢層に限定されている」とする理由が思い浮かばない。おそらく×であろう。ただ、知識がないと正確に判断できない。3,4,5は、各事業・給付が必須事業なのか任意事業なのかを問う問題である。3は、「生活困窮者自立相談支援事業」という一般的な名称から考えて、必須事業ではないかと判断できる。〇ぽい。これに対し、4と5の正誤は知識がないと判断しづらい。
【正解1,3,4】
問題59 生活保護制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 保護は、世帯を単位として、その要否と程度が決められる。
2 介護扶助には、介護予防に関する給付も含まれる。
3 介護扶助における居宅介護は、必要があれば、居宅介護支援計画に基づかないものも認められる。
4 65歳以上の被保護者の介護保険料は、介護扶助として給付される。
5 生業扶助は、原則として、金銭給付である。
過去問でも問われており、生活保護制度の知識としては基本的部類に属する。
★★★ こうした問題を安定して解けるようになるためには、過去問学習を効率的に実施するに限る。
1は、
世帯単位の原則の話であり〇である。2は、
介護予防に関する給付も含まれるので〇である。もし含まれないとしたら、介護扶助を受けている要支援1,2の人は、そうでない人と比べ著しく不利な立場に置かれることになる。3は、×ぽい。4は×である。
65歳以上の被保護者の介護保険料は、生活扶助として給付される。
2016問58でズバリ出題されているし、基本中の基本事項といえる。5は〇である。8種類の扶助が原則として金銭給付か現物給付かは知っておく必要がある。
2014問58に類似した問題が出ている。
ソーシャルワンカーと一緒にワン ステップUP‼
8種類の扶助のうち、医療扶助と介護扶助は原則として現物給付である。それぞれ、医療券と介護券が発券される。それ以外の扶助は、原則が金銭給付である。
8種の扶助とは
生活扶助・教育扶助・住宅扶助・生業扶助・出産扶助・葬祭扶助・医療扶助・介護扶助
【正解1,2,5】
問題60 成年後見制度について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 成年後見制度の利用の促進に関する法律では国民が成年後見制度を利用する義務を定めている。
2 成年後見制度の利用の促進に関する法律では、成年被後見人の意思決定の支援を定めている。
3 65歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要と認めるときは、市町村長は、後見開始の審判の請求をすることができる。
4 親族が成年後見人に選任される割合は、年々増加している。
5 任意後見契約は、公正証書によってしなければならない。
成年後見制度については頻出問題なので、しっかり学習しておこう。
★★ 肢4は統計に関して知らなければ判断しづらいが、2,3,5の〇はわかりやすい。
1は、そのような義務が定められたなら一大ニュースになるだろうと想像して欲しい。もちろんそのような義務はなく×である。なお、促進法というのだから、義務までは定めていないのだろうと考えた人はセンスがよい。2は、特に問題のない記述であり〇ぽい。3も特に問題がなく〇ぽい。4は統計をきく問題であり、知らないと自信を持って判断できないであろう。ちなみに、
親族が成年後見人に選任される割合は、年々低下しており×であるが、知らなければ△として次に進めばよい。5は〇である。
2012問59、2017問58で問われており、基本的知識に属する。
【正解2,3,5】