2020年4月7日、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、政府対策本部長(安倍総理)より、新型インフルエンザ等緊急事態宣言が発令され、福祉勉強会が所在する東京都を含めた7都府県が、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施することになりました。この宣言を含む新型コロナウィルス対策の是非や解説は、当会の役目ではありません。
しかしながら、生活のあり様が、特定のリスクに対する「善悪」でのみ判断されようとしている現状において、福祉の専門家である(専門家を目指す)私たちが、思考停止に陥らない為にどうあるべきかを、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
ソーシャルワークの専門性は、起源以来、変わることなく「人間と環境の接点に介入し、人(生き方)をどう捉えるか」の探究を目指してきました。
こうした視点は、時に、医学・経済・政治等の専門性と一線を画し、それが故に、数多の声なき声を聞き逃すことなく、苦境にあっても、遥か先の未来、微かに差す確かな光を見つけることを可能にしてきました。
史上初の緊急事態宣言を受け、私たちが成すべきことは、感染に怯え萎縮した心で、活動を停止することではなく、いつか来る終息の後に、どんな日常を望むのかを想像し、改めて、自らのアイデンティティを見つめることではないでしょうか。
この中で、私たちは、これまで疑うことなく、当たり前だと思っていたことが、果たして本当にあるべき姿なのか?これまで必死になって守ろうとしていたものは、自分にとって唯一無二のものなのだろうか?と思案することになるハズです。
自分自身と深く対峙し思考することは、私たちに様々な気付きを与えてくれます。
様々な気付きとは、すなわち多角的な視点が身に付くということです。
視野の広がりは、同時に、多様な価値観の共存を可能にします。
多様な価値観の共存は、社会を強くし、一人ひとりに内在する可能性を無限に開放します。
今、私たちが感染リスクの回避のみを理由に思考停止に陥れば、たとえ、新型コロナウィルス感染のリスクを逃れたとしても、新たなリスクが訪れた時の教訓にすることは出来ません。そこに人の生活がある以上、リスクは常に存在しています。
大切なのは、どんなリスクも生活の一部であることを知り、リスクとどう向き合っていくかという思考を持ち続けることだと考えています。
福祉の学びは、誰もが持つ 可能性の偉大さを教えてくれます。
福祉の学びは、どんな苦境であっても、必ず未来に差す光があることを教えてくれます。
また、先人たちが残してくれた実践から、私たちは、既に「福祉は施しにのみあらず!」という事実も知っているのです。
今、一定の活動自粛を余儀なくされるこの時間をどう過ごすのか。それは、私たち一人ひとりが、自分の人生をどう生きていくのかを問い直す時間なのかもしれません。
世界規模の災難と言われるどしゃ降りの雨の中、あなたは終息後の未来に、どんな色の虹を描くのでしょうか?あなたの描く虹を見る日を楽しみに、福祉勉強会の描きたい虹を考えてみたいと思います。
終息の日を迎える朝、無数の色に光輝く虹を、心安らかに見られることを願って。
ソーシャルワンカー&ソーシャルにゃんかー福祉勉強会