問題51 介護保険における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 一定の研修を受けた介誰職員が喀痰吸引を行った場合には、中重度者ケア体制加算を算定できる。
2 生活機能向上連携加算を算定するためには、外部の理学療法士等と当該事業所の機能訓練指導員等が共同してアセスメントや個別機能訓練計画の作成等を行わなければならない。
3 入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有する事業所が入浴介助を行った場合には、入浴介助加算を算定できる。
4 生活相談員が要介護認定の申請に係る援助を行った場合には、生活相談員配置等加算。
5 看談師が低栄養状態にある利用者に対して栄養ケア計画を作成した場合には、栄養改善加算を算定できる。
直近の改正を中心とした問題である。知らないと判断しづらいと考え、★1つの問題とした。
★ ある程度は絞れる。1,2,4,5が平成30年改正法と関わっているが、4と5は推論可能であろう。問題は1と2である。
1は知らないと判断に迷うが、「一定の研修を受けた介誰職員が喀痰吸引を行った」だけで算定できるとする記述は、やや×ぽい。2は知らないと判断に迷う。3は過去問で出されていた論点である。〇である。
(2014問52参照)。4は、通所介護では、
生活相談員がそもそも
必置であること、さらに
通所介護事業所には要介護認定の申請を代行する権限がないことから考えると、このような場合に「生活相談員配置等加算」を算定できるのはおかしな感じがするので×。5の「栄養改善加算」の算定には、管理栄養士が関わることが必要と思われる
(2013問51、2017問54参照)ので×ぽい。1か2かで迷合った人が多かったであろう。1は×で、2が〇である。
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス
平成30年改正法に関する問題は、問題1でも出ているが、サービスに関する改正がいくつかあった。知らなかったものについては、復習しておいて欲しい。なお、こうした問題が出ると改正のことばかり気になってしまう人がいる。しかし、全体の割合は決して大きくはない。直近の定評のある参考書には必ず取り上げられているので、あまり神経質になる必要はない。また、いくら改正部分を勉強しても、出題されたときに解けなければ意味がない。改正部分のポイントを押さえておくことが大切である。
【正解2,3】
問題52 介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 サービス提供は、1回の訪問につき看談職員1名と介護職員1名で行う。
2 終末期にある者も、訪問入浴介護を利用できる。
3 同一時間帯での同一利用者に対する入浴介助については、別に訪問介護費を算定することはできない。
4 利用者に病状の急変が生じた場合には.速やかに事業所の管理者に連絡し、変更・中止の指示を受ければよい。
5 協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましい。
基礎知識で解ける問題である。正解して欲しい。
★★★ 訪問入浴介護の知識が無くても推論で解ける。
1は×である(基本的知識である)。2は問題なかろう。〇である。3は知らなければ考えてみる。在宅の人が入浴する方法には、訪問介護員の人に介助してもらう、訪問入浴介護を利用するという方法が考えられる。この場合、同時に2つを算定することはできないと考えるのが素直であろう。〇ぽい。4は、「事業所の管理者」よりも、利用者の病状をよく知る「主治医」に聞くべきであろう。×である。5は一般論として考えた場合、特に大きな問題はない。〇であろう。
【正解2,3,5】
問題53 介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 認知症行動・心理症状緊急対応加算と若年性認知症利用者受入加算は、同時に算定できる。
2 医療連携強化加算と在宅中重度者受入加算は、同時に算定できる。
3 医師の発行する食事箋に基づいた糖尿病食等を提供する場合は、1日につき3回を限度として、療養食加算を算定できる。
4 共生型短期入所生活介護を算定している場合は、夜勤職員配置加算は算定できない。
5 利用者の状態や家族等の事情により、居宅サービス計画にない指定短期入所生活介護を緊急に行った場合は、原則として、緊急短期入所受入加算を算定できる。
短期入所生活介護に関する問題であるが、非常に細かな出題なので★とした。
★ 2パターンで解説を記す。
【解説1】
1は、
似たもの同士の加算は同時に算定できないという原則(例外は体制と個別)から×ぽい。2は、1と同じ問題意識である。知らないと気付きにくいが、1と2は似たもの同士の加算として同時に算定できないので、2は×となる。3は、内容から考えて〇ぽい。「1日3回を上限とし」ているのは、
1日3食が標準だからである。4は、知らないと判断しづらい。書かれているとおりであり、〇である。5は、特に問題のない記述であり、そうだろうなと考えられる。〇である。「居宅サービス計画にない指定短期入所生活介護」という部分から、そのような場合は使えないのではと考えてしまい間違えた人もいたのではないかと思われるが、そのような場合だからこそ、「緊急短期入所受入加算」が設けられているともいえる。
【解説2】
1の問題意識は
2016問50、2018問50等で既出である。2は、肢1と同じ趣旨のことを聞いているが、名称が異なるためやや気づきにくい面がある。3は、
過去7年以内に出題がなく、戸惑った人もいるかもしれない。そして、
本問のポイントになるのが4である。4の中に「共生型短期入所生活介護」とあるので、ショートステイの加算を問題にしていることが分かるが、
なぜ夜勤職員配置加算の算定が取り上げられているのかがポイントである。
共生型短期入所生活介護は、共生型サービスの一つである。共生型サービスというのは、介護保険又は障害福祉のいずれかの指定を受けた事業所がもう一方の制度における指定を受けやすくする制度である。
介護保険サービスと障害福祉サービスでは、人員配置基準が異なるが、この共生型サービスを認めるということは、それぞれのサービスの基準を緩和し、柔軟に対応することを許すということである。そうだとすると「夜勤職員配置加算は算定できない」とするのは、柔軟に夜勤者が動けることを認めるためのものと考えられるので、4は〇だろうと推測できる。5は
2016問39で既出である。
【正解3,4,5】
問題54 介護保険における住宅改修について正しいもいのはどれか。3つ選べ。
1 転居前に住宅改修費の支給を受けた場合でも、転居後の住宅について住宅改修費を受給できる。
2 リフトなど動力によって段差を解消する機器に係る工事の費用は、住宅改修費の支給対象となる。
3 扉の取替えに伴う壁や柱の改修工事の費用は、住宅改修費の支給対象となる。
4 ポータブルトイレの設置は、住宅改修費の支給対象となる。
5 要介護状態区分が3段階以上上がった場合は、改めて住宅改修費を受給できる。
2017年夏の直前対策講座のテキストには、しっかりと明記しておいた知識でもある。
★★ 全体的に今年の出題の仕方を見る限り、本問の出来が悪ければ、この分野が翌年に再び出題される可能性は十分にある。
1は〇(2013問54で既出)。2は、過去7年以内の出題がなく少し迷う。△にして次に進む。3も同様に過去7年以内の出題がなく迷う。△。4は、ポータブル(持ち運べる)トイレなので、住宅改修の対象ではない。×である。5は、企保的知識に属するが、〇である(2013問54で関連した肢が既出)。2か3のいずれが正しいのかで、迷った人が多かったと思われる。2は×で、3が〇となる。3の具体例は、開き戸を引き戸に変えるような場合である。
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス
昇降機、リフト、段差解消機等といった動力により床段差を解消する機器を設置する工事は住宅改修の支給対象外である。なお、リフトについては、移動式、固定式又は据え置き式のものは、移動用リフトとして福祉用具貸与の支給対象となる(12.4.28事務連絡・介護保険最新情報vol.71)。推測しづらい肢であり、福祉用具については、貸与か購入か、どのような場合に住宅改修の費用が出るか、といった点に着目して、自分なりに整理しておいたほうがよい。
【正解1,3,5】
問題55 介護保険における認知症対応型通所介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練であっても、機能訓練指導員以外の者が行うことはできない。
2 指定認知症対応型共同生活介護事業所における共用型指定認知症対応型通所介護の利用定員は、共同生活住居ごとに1日当たり3人以下である。
3 利用者、家族へのサービスの提供方法等の説明には、認知症対応型通所介護計画の目標及び内容や利用日の行事及び日課も含まれる。
4 既に居宅サービス計画が作成されている場合には、認知症対応型通所介護計画の内容について利用者の同意を得なくてもよい。
5 事業者は、運営推進会議における報告評価、要望、助言等について記録を作成し、公表しなければならない。
基本的知識に加えて要領があった方が試験に合格するには断然有利である。
★★★ 本問は消去法で正解を出せる。
1は、日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練なら、機能訓練指導員以外でも行えそうなので(実際にも行っている)×と判断する。この問いかけは、過去7年以内に出題されていないが、選択肢の書き方はどうみてもヒントになっているし、(主な機能訓練指導員の資格である)
PT,OT,STが名称独占であることから考えて間違えてはいけない。(これは知っておくべき知識である)2は知らないと判断できない。△にして次に進む。3は、〇ぽい。4は、もちろん×である。居宅サービス計画と認知症対応型通所介護計画は別々のものであり、それぞれについて同意を得ることが必要となる。この肢も、ズバリのものは過去7年以内には出ていないが、
居宅サービス計画と各事業者の個別サービス計画との関係を聞く問題は何回か出されている。そこから推論して×とすることは容易である。5も知らなければ△とするしかない。このように△が2つあっても、1と4の×はわかりやすい。
【正解2,3,5】