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10.福祉サービスの知識等(R5年10月-第26回)1/4

問題 46 面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 面接を行う部屋の家囲気や相談援助者の服装などの外的条件は、円滑なコミュニケーションのために重要である。
2 相談援助者とクライエントの双方が事態を明確にしていくことが必要である。
3 クライエントが長く沈黙している場合には、話し始めるまで待たなければならない。
4 面接の焦点を的確に定めることは、面接を効果的に実施する上で重要である。
5 傾聴とは、クライエントの支援計画を立てることである。

難易度:★★★

1は〇である。H27問47肢5、H25問46肢2参照。
2は〇である。R2問46肢5参照。
3は×である。
もしクライエントが沈黙を続ける場合、困ってしまう。R元問46肢3参照。
4は〇である。R2問46肢4参照。
5は×である。

正解1,2,4
積極法でも解ける。解説は特にいらないであろう。また、3と5が×であることもわかりやすいので、消去法で解いてもよい。

問題47 ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 個人の問題解決力や対処能力を強化する役割がある。
2 支援の終結と事後評価の後のアフターケアが含まれる。
3 ラポールとは、特定領域の専門家から助言・指導を受けることである。
4 アドボカシーとは、クライエントが相談した機関では必要な援助ができないとき、他機関へ紹介することである。
5 送致とは、自己の権利を表明することが困難なクライエントに代わり、援助者が代理としてその権利獲得を行うことである。

難易度:★★★

1は〇である。エンパワメントの説明である。
2は〇である。エバリュエーションの説明である。R3問48肢4参照。
3は×である。説明は、コンサルテーションについてのものである。R元問47肢1参照。
4は×である。説明は、リファーラル(紹介、送致)についてのものである。
5は×である。説明は、アドボカシーについてのものである。

正解1,2
社会福祉援助技術の専門用語が出題されている。平成21 年以降の問題については、ラポールを除き、直接の出題は見当たらなかった。今後は準備しておいた方がよい。1と2は、直感的に〇と判断できた人が多かったのではないだろうか。3も多くの人が×と判断できたと思われる。4と5は、用語と説明が交差しているので、いずれかがわかれば、両方の肢が×であると判断できる。

問題 48 ソーシャルワークにおける相談援助者の基本姿勢として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 統制された情緒的関与とは、個々の人間の状況は独自なものであり、一つとして同じ問題はないと捉え、支援することである。
2 サービスについて様々な情報提供を行い。利用するサービスや事業者をクライエントが決定できるようにする。
3 非審判的態度で関わる必要がある。
4 クライエントを画一的に分類して、援助計画を立てることが必要である。
5 意図的な感情表出とは、クライエントが感情を自由に表現できるように、意識してクライエントに接することである。

難易度:★★★

1は×である。個別化の原則の説明である。
2は○である。
3は○である。
4は×である。このような基本姿勢で対応されたは、援助を受ける側は困ってしまう。
5は○である。意図的な感情表出の意味については、誤解しやすいので注意。

正解2,3,5
バイステックの7原則の理解は必須といえる。

問題 49 ソーシャルワークにおける集団援助について、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 グループで生じるメンバーの相互作用を意図的に活用する。
2 プログラム活動は、ソーシャルワーカーの興味や関心事から開始して、そのリーダーシップの下で展開する。
3 メンバーの個別課題と結びつけて支援するよりも、メンバーに共通する課題の解決を優先する。
4 他のメンバーの行動を観察することは、自分の問題について新たな見方を獲得する機会にはならない。
5 生きがいを喪失しているような心理的ニーズの高い高齢者に対しては、セルフヘルプグループのミーティングを活用することも効果的である。

難易度:★★★

1は〇である。H21問48肢1参照。
2は×である。これでは参加するメンバーの成長や課題解決につながらない。
3は×である。
H25問48肢5に同じ肢がある。集団援助は、メンバーの個別課題の解決のために行われているという視点が大切である。
4は×である。内容が変だと感じる人が多いであろう。H28問48肢5参照。
5は〇である。

正解1,5
4,5は判断しやすい。2は素直に×と判断した方がよい。1と3の判断が正解できるかどうかをわける。集団援助に関する問題は毎年のように出されているが、1と3に関しては前回の出題はかなり前である。集団援助の本質的部分の理解が問われている。

問題 50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 掃除の際に特別な手間をかけて行う床のワックスがけは、生活援助として算定できる。
2 手助けや声かけ及び見守りしながら、利用者と一緒に行うシーツ交換は、身体介護として算定できる。
3 夏服と冬服を入れ替えるなどの衣類の整理は、生活援助として算定できる。
4 訪問介護員が車いす等での移動介助を行って店に行き、利用者本人が自ら品物を選べるようにする援助は、身体介護として算定できる。
5 安否確認を主たる目的とする訪問は、生活援助として算定できる。

難易度:★

1は×である。
このようなワックスがけは、通常の家事ではなく、特別な家事に分類され、生活援助に含まれない。
2は〇である。
迷った人が多かったと思われる。このケースは、自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)として、身体介護で算定できる。
3は〇である。これは比較的判断しやすい。
4は〇である。
このケースも肢2と同じ理由から、身体介助として算定できる。
5×である。
専門的知識・技術(介護を要する状態となった要因で ある心身の障害や疾病等に伴って必要となる特段の専門的配慮)をもって行う利用者の日常生活上・社会生活上のためのサービスとして、身体介護の対象となりうる。なお、安否確認が生活援助の対象になるのは、それが生活援助サービスを提供する際の事前準備等として行われる必要がある。

正解2,3,4
本問は、平成12年3月17日老計第10号が素材と思われるが、正答率は低かったと思われる。読めば読むほど迷いが生じる肢が多い。
こういう問題では、自分なり理由づけをして答えを出し、時間をかけすぎないことが大切である。問題はいずれも、生活援助または身体介護として「算定できる」という結論になっている。正しいもの、誤っているもののいずれに着目するのがよいかは問題によって異なるが、結論部分が同じなら誤りを見つけるほうが通常は楽であろう。
1の床のワックスがけは、普通の家庭では行わないようなものであり、それを生活援助で算定することはできないだろうと推測できる。次に5は、安否確認ための訪問は、あくまで状態確認のための訪問に過ぎず、生活援助を伴わないといえる。したがって、このような訪問は生活援助として算定できないだろうと推測する。以上から、1,5を×と考え、消去法で答えを出すのも一つの方法だろう。H29問53参照。

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