問題46 面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 共感とは、クライエントの考え方について、援助者がクライエントの立場に立って理解しようとすることをいう。
2 援助者は、援助者自身の過去の重要な人との関係をクライエントに投影するように努めるべきである。
3 クライエントが沈黙している場合には、援助者は、常に積極的に話しかけなければならない。
4 クローズドクエスチョンは、事実の確認を行う場合に用いる。
5 直面化とは、クライエントが目を背けていることに気づかせることをいう。
消去法で解く典型的な問題だといえる。
★★★ 2と3の×が判断しやすいが、本問のような説明はしっくりとこないという人もいるであろう。
1は〇ぽい。2のような態度は個別化の原則に反するであろう。×ぽい。3のようにクライエントが沈黙している場合、「常に積極的に話しかける」のは何となくおかしいと感じるのではないだろうか。援助者は沈黙の意味をしっかりと考える必要がある。もちろん×である。4のような説明は出題としては目新しいが、そのようにいえないこともないであろう。〇または△。ただし、クローズドクエスチョンは当然知っていないといけない。5は、知らないと悩むが、「直面化」という用語と説明部分は大きくずれてはいない。〇または△。
ソーシャルニャンカーからのニャン ポイントアドバイス
「より適切なもの」という聞き方からもわかるように、微妙な肢もあることが前提になっている。だが、試験では、一つ一つの肢で立ち止まってはいけない。比較して決めるしかないのだから、悩んで立ち止まるよりも、早めにすべての選択肢に目を通す方が答えを出すための糸口を掴みやすい。
【正解1,4,5】
問題47 ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 ラポールとは、主訴をとらえてニーズを確定することである。
2 アセスメントシートの順番に従い、すべての項目を尋ねなければならない。
3 アセスメントは、クライエント本人からの情報のみで行うものではない。
4 援助計画は、柔軟に変更できるよう、可能な限り抽象的に立てることが重要である。
5 事後評価には、スーパービジョンを受けることも含まれる。
消去法で解く典型的な問題だといえる。
★★★ 立ち止まらず、たしかなものから〇、×を判断していき、正解肢を絞っていくことが大切である。
迷うものもあるかもしれないが、1、2、4の×はわかりやすいのではないだろうか。1は×
(これはわからないといけない)。2は、順番が変わることがあってもよいし、すべてを尋ねる方が難しい場合もあろう。×ぽい。3は、特に問題のない記述であり〇。4は、「柔軟に変更できるよう」はいいが、「可能な限り
抽象的に」が変だと気づいて欲しい。×ぽい。5は、一見すると迷うが、
「も含まれる」となっているので、〇としてもよいと感じる。
【正解3,5】
問題48 ソーシャルワークにおける個別援助として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 社会福祉協議会の社会福祉士による成年後見制度の利用に関する面接
2 介護老人福祉施設の生活相談員によるカラオケ大会などのレクリエーション活動
3 地域包括支援センターの主任介護支援専門員による家族介護者との相談
4 キャラバン・メイトによる認知症サポーター養成講座
5 社会福祉協議会のボランティアコーディネーターによる災害ボランティアセンターの設置準備
確実に正解したい問題だといえる。
★★★ 特に迷うところもない問題ではないだるか。
1は〇ぽい。2は、あえて分類するなら集団援助と思われ、×ぽい。3は〇ぽい。4は明らかに×。5も明らかに×。
【正解1,3】
問題49 ソーシャルワークにおける地域援助として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 地域の問題や多様な社会資源について評価するために、地域アセスメントを行う。
2 病院の専門職で構成されたメンバーで退院促進のためのチームアプローチを行う。
3 地域におけるニーズ把握では、潜在的ニーズを掘り起こすアウトリーチを行う。
4 行政機関等のフォーマルな社会資源による地域ネットワークを構築すれば、地域課題は解決する。
5 障害者が福祉サービスにアクセスしやすくなるよう自治体に働きかける。
消去法も意識しながら、正解を導く。
★★★ 判断に迷うものもあるが、2と4の×はわかりやすい。
1は〇ぽい。2明らかに×。「退院促進のため」とある通り、退院する人に対する
個別援助の一環である。3は〇ぽい。4は、ネットワークを構築
すれば(するだけ)で、地域課題が解決するわけがない。もしくは、「行政機関等のフォーマルな社会資源」でのネットワークの構築は、ソーシャルワークにおける地域援助とは異なっていそうだと感じられればいい。×ぽい。5は、地域の障害者全員に役立つ内容であり、〇ぽい。
ソーシャルワンカーと一緒にワン ステップUP‼
地域が抱える課題を解決するため、住民が主体になって行う地域組織化活動のことをコミュニティ・オーガニゼーションという。コミュニティ・オーガニゼーションの概念をもとにして、イギリスで発展してきた概念が、コミュニティワークである。
地域援助技術(コミュニティワーク)は、間接援助技術の一つです。具体的には、地域診断、社会資源の開発、地域における組織やサービスのコーディネート、必要な連絡調整などを通じて、ソーシャルワーカーが専門的に援助する技術と定義されています。
ポイントは、「地域社会に共通する福祉ニーズや課題の解決のために行う、住民組織や専門機関などの活動」です。
【正解1,3,5】
問題50 介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 自動血圧測定器により血圧を測定することは、医行為に当たらないため、訪問介護員が行うことができる。
2 利用者が大切にしている花木の水やりは、短時間であれば、生活援助として算定される。
3 ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別し、ゴミ出しのルールを理解してもらうよう援助することは、生活援助として算定される。
4 ボタン付け等の被服の補修は、生活援助として算定される。
5 配剤された薬をテーブルの上に出し、本人が薬を飲むのを手伝うことは、身体介護として算定される。
迷うものもあるだろうが、そういうときはざっと読んでから解決の糸口を探してみる。
★ 本問のような問題の作り方は、今後も用いられる可能性があるので注意しておいた方がよい。
1は〇ぽいが、迷うなら△にして次に進む。5は〇である。
ズバリの出題が2017問53にある。2,3,4はいずれも
「生活援助として算定される」かが問われている。このうち異質なものは3であり、本試験で3を選択した人が多かったと思われる。巧妙な罠ともいうべきで、それは×である。なぜなら、
認知症高齢者に対して、判断能力の低下部分を補う支援は、身体介護として算定されるからである。2の「花木の水やり」は従前から
認められておらず、今回の改正の影響もない。×である。4は、従前から生活援助として認められていたもので〇である。
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス
2018年4月に老計10号の見直しが行われた。この見直しに伴い、老計10号に目を通していた人は、問題意識にはすぐに気づけたと思われる。しかし、前述のように3と4で身体介護か生活援助かという論点が加わっているため、本問を間違えた人は多かったと思われる。なお、2018年の改正で、見守り的援助が追加されているので、確認しておいて欲しい。
【正解1,4,5】