問題42
福祉行政における都道府県の役割に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 老人福祉法の規定により,特別養護老人ホームに入所させる権限を持つ。
2 介護保険法の規定により,介護保険の保険者とされている。
3 「障害者総合支援法」の規定により,介護給付の支給決定を行う。
4 児童福祉法の規定により,障害児入所施設に入所させる権限を持つ。
5 知的障害者福祉法の規定により,障害者支援施設に入所させる権限を持つ。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
都道府県の役割を聞く問題である。福祉行財政と福祉計画は、他の科目の知識で解ける問題が当然のように出題される。本問はその典型である。
1は市町村であり×。2の
介護保険の保険者は市町村であり×。3も市町村の役割であり×。4は
「障害児入所施設」を見逃さないこと。これが〇。5の権限は市町村であり×。
【正解4】
問題43
次に掲げる2017 年度(平成29 年度)の国の一般会計歳出予算の社会保障関係費の中で,予算額が最も多いものを1つ選びなさい。
1 年金給付費
2 少子化対策費
3 生活扶助等社会福祉費
4 保健衛生対策費
5 介護給付費
「国の一般会計歳出予算の社会保障関係費の中で,予算額が最も多いもの」を選ばせる問題である。
社会保障給付費の割合ではない。ただし、
、社会保障給付費の割合をヒントにするなどして考える他ない。社会保障給付費の割合が最も高いのは
年金給費である。このことから推測すれば、1を選ぶのが素直であろう。
【正解1】
問題44
医療と介護の最近の改革に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 市町村は,介護保険及び国民健康保険の財政を一体的に管理運営する責任を担うこととなった。
2 医療計画と介護保険事業計画の整合性を確保するため,介護保険事業計画の計画期間は5 年に変更された。
3 住民の健康づくりや効率的な医療・介護の提供体制の構築等の地域課題に取り組むため,市町村に保険者協議会が設置されることとなった。
4 地域医療構想は,医療計画と介護保険事業支援計画の内容を包含する構想である。
5 介護保険施設として,新たに介護医療院が設置された。
「医療と介護の最近の改革」について問うトレンディーな問題である。仮に、他の選択肢が分からなくても、積極法で正解を選んで欲しい。
1の
国民健康保険については都道府県の役割の増大が平成30年4月に出されたばかりであり、×である。2の
介護保険事業計画は「3年」であり、設問のような改正はなされていない。×である。3は知らなければ△。4も知らなければ△。5の
介護医療院は平成30年改正法に盛り込まれたものであり、これが〇。5にマーク
※5は直前対策講座の「高齢者に対する支援と介護保険制度」で学んだ内容である。
【正解5】
問題45
福祉計画の策定に際して,相互の計画を一体のものとして作成することが法律で規定されているものを1つ選びなさい。
1 市町村地域福祉計画と市町村老人福祉計画
2 市町村障害福祉計画と市町村障害者計画
3 市町村老人福祉計画と市町村介護保険事業計画
4 市町村子ども・子育て支援事業計画と「教育振興基本計画」
5 都道府県介護保険事業支援計画と都道府県地域福祉支援計画
(注) 「教育振興基本計画」とは,教育基本法第17 条第2 項の規定により市町村が定める「教育の振興のための施策に関する基本的な計画」のことである。
似たような計画名が多いので注意しよう。
「相互の計画を一体のものとして」として作成するのは、3の
「市町村老人福祉計画と市町村介護保険事業計画」(老人と介護は一体的に!)である。直前対策講座で、これだけは覚えておいてください、といった事項である。
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス
老人福祉計画と介護保険事業計画は、一体的に作成することとなっている。従って、老人福祉計画には、策定期間の定めがないが、介護保険事業計画が3年に一度作成されるため、必然的に、老人福祉計画も3年に一度見直されることになる。
【正解3】
問題46
福祉計画策定の一連の過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 市町村地域福祉計画の策定委員会の長は,当該市町村の住民の中から選出することとされている。
2 第5 期障害福祉計画(2018 年度(平成30 年度)開始)を作成するための基本指針では,ニーズ調査の実施方法としてデルファイ法が推奨されている。
3 第7 期介護保険事業計画(2018 年度(平成30 年度)開始)を作成するための基本指針では,PDCAサイクルの活用がうたわれている。
4 内閣府は,市町村子ども・子育て支援計画の実施状況に関する政策評価を毎年実施している。
5 介護給付の適正化における介護給付費通知事業は,シングル・システム・デザイン法によって評価される。
計画の形式や内容についての問題である。 一つ一つを取ると細かい内容であり、知らなければ解くのは難しい。
1は知らないと△だが、
市町村地域福祉計画 の策定委員会の長を「当該市町村の住民の中から選出する」の無理な感じはする。2は知らないと△。3は
平成30年改正法の際に出された基本指針 の一つであり、これが〇。第7期介護保険事業計画の基本指針では
「高齢者の自立支援や重度化防止の取組を推進するためには,PDCA(計画-実行-評価-改善)サイクルを活用して保険者機能を強化していくことが重要である。」とされている。4は知らなければ△。5は介護給付の適正化のために
シングル・システム・デザイン法(単一事例実験計画法)を用いるのは違和感を感じる。×ぽい。
※
平成30年は介護保険の3年に1回の改正の年であったが、その内容を知っていれば3を選べたであろう。知らなかった場合、肢を絞った上で確率法に頼るのが一つの方法である。
【正解3】
問題47
法律に基づく,福祉計画に定めるべき事項に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 都道府県介護保険事業支援計画では,介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを基に,市町村の介護保険料を定める。
2 都道府県障害福祉計画では,各年度の指定障害者支援施設の必要入所定員総数を定める。
3 市町村障害者計画では,各年度における指定障害福祉サービス,指定地域相談支援又は指定計画相談支援の種類ごとの必要な量の見込みを定める。
4 市町村障害児福祉計画では,指定障害児入所施設等における入所児支援の質の向上のための事項を定める。
5 市町村地域福祉計画では,社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項を定める。
福祉に関する様々な法律の計画に関する規定である。高齢者福祉論、障害者福祉論、地域福祉論で学ぶ内容が含まれているが、所謂骨格部分と言える。
1は
介護保険料を定めるのは保険者である市町村なので×。2は
「各年度の指定障害者支援施設の必要入所定員総数を定める」のは市町村ではないかと気づいて欲しい。×である。3は内容的にありえそうである。〇ぽい(基本は市町村である)。4は
「指定障害児入所施設等」となっており、都道府県ではないかと思われるので×(問題42-肢4と同じ問題意識)。5の
「社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項」は都道府県の役割だと感じられるので×ぽい。
【正解3】
問題48
第5 期障害福祉計画(2018 年度(平成30 年度)開始)を作成するための基本指針に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援が,基本理念に新たに追加されている。
2 2018 年度(平成30 年度)から,障害児の支援の提供体制を確保するため,障害児福祉計画を併せて策定することとされている。
3 地域生活から福祉施設入所への移行のための数値目標が掲げられている。
4 就労移行支援事業等を通じた,福祉施設から一般就労への移行者数は,2016 年度(平成28 年度)実績の1.0 倍に設定されている。
5 児童発達支援センターを各都道府県に少なくとも1か所以上設置することが基本となっている。
基本指針は国が策定するものである。
1は
2018年度において「障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援」を基本理念に追加するのは時代遅れの感がある。×ぽい。2は知らなければ△。3はいま
地域生活から福祉施設入所への移行のための数値目標が掲げるのは時代に逆行している。×ぽい。4は
2018年に2016年度の実績と同じ目標(1.0倍)を掲げるのはいかがなものであろうか。×ぽい。5は知らなければ△。2か5かで迷う。
【正解2】