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8.保健医療サービスの知識(R2年10月-第23回)3/4

問題 36 次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。 1 患者が医師から説明をきちんと受けた上で同意することをインフォームド•コンセントという。 2 医師個人の経験だけに頼るのではなく、科学的な根拠に基づいた医療をナラティブ•ベースド•メディスン(Narrative Based Medicine : NBM)という。 3 個々の人間の感じ方や考え方に耳を傾けて自己決定を促す医療をエビデンス• ベースド•メディスン(Evidence Based Medicine EBM)という。 4 予後とは、疾患が今後たどり得る経過のことをいう。 5 疾患の予後に関する情報は、高齢者本人にのみ説明する必要がある。   肢2と肢3を×と判断するための解説のような方法(個人的に交差法とネーミングしている)は知っておいて欲しい。 難易度A 本問は正しい肢がわかりやすいので、正答率は高かったと思われる。   1は〇である。 2の「科学的な根拠に基づいた医療」とは、3の「エビデンス• ベースド•メディスン(Evidence Based Medicine EBM)」のことである。エビデンスとは根拠といった意味を持つ。 これを知っていれば、一気に2と3が×だとわかる。 「ナラティブ」とは、物語や語りといった意味であるが、この説明をしているのが3である。 エビデンスを知らなくてもナラティブがわかれば、やはり2と3が×であるとわかる。 4は〇である。 5が×であることはほとんどの人がわかるであろう。 なお、4の予後は過去問でも何度か登場しているが、このように正面から意味を問う問題は10年以内のものにはなかった。

【正解1,4】

問題 37 通所リハビリテーション又は介護予防通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。3つ選べ。 1 通所リハビリテーションに係る単位数は、事業所の規模とは無関係に設定されている。 2 リハビリテーション会議は、利用者及びその家族の参加が基本とされている。 3 通所リハビリテーション計画に位置付けられていなくても、事業所の屋外で指定通所リハビリテーションのサービスを提供することができる。 4 介護予防通所リハビリテーションにおいて、利用者の居宅と指定介護予防通所リハビリテーション事業所との間の送迎を実施しない場合であっても、利用者の同意があれば、基本報酬を算定できる。 5 指定通所リハビリテーション事業所の管理者は、専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる看護師に管理の代行をさせることがでる。   本問はできてもできなくてもよかった問題だといえる。ただし、同じ趣旨の問題を短いスパンで出す近時の傾向から考えると、再度の出題は十分に考えられる。 難易度C   1は「事業所の規模」とは無関係ではないと知っていれば×とできる。デイサービスで働いている相談員の人なら推測できたかもしれない。 2は〇である。通所リハビリテーションで働いている人なら判断できたかもしれない。 3は×であるが、知らないと判断に迷うであろう。 4は〇である。介護予防通所リハビリテーションの報酬が包括評価であることを知っていれば、そこから推論できたかもしれない。 ただし、通所リハビリテーションでは送迎しないと減算になるので、この肢も簡単に判断するのは難しい。 5は〇であるが、この肢を単独で判断できた受験生はほとんどいなかったのではないだろうか。 自信を持って解けた人がいたとしたら、1と3を×だと判断して消去法を用いたのではないかと思われる。

【正解2,4,5】

問題 38 次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。 1 栄養素の摂取不足によって、メタボリックシンドロームが引き起こされる。 2 摂食•嚥下機能に合わない食事形態での食事の提供は、誤嚥や窒息を招くことがある。 3 介護保険の短期入所療養介護では、栄養マネジメント加算が算定できる。 4 経口維持加算は、現に経管により食事を摂取している者も対象となる。 5 介護保険の施設サービスにおける栄養マネジメント加算は、管理栄養士が継続的に入所者ごとに栄養管理をした場合に算定できる。   難しい問題では、ポピュラーな知識や判断しやい肢を最大限に活かす。 難易度B   1は×である。摂取不足ではなく摂取過剰によって引き起こされる(実際にも体験した人が多いはず)。 2は普通に読めば〇と判断できる。 3は知らないと迷う。△にして先に進む。 4は、経口維持といっているのだから「現に経管により食事を摂取している者」は除外されると考えるのが素直であろう。4は×ぽい。 5は内容的には〇ぽい。 1が×、2が〇、4が×であることはわかりやすいが、3と5の判断には迷う部分がある。 結論からいうと3の栄養マネジメント加算は、短期入所系のサービスでは算定できない。よって3は×となる。この問われ方は今回が初である。 なお、リハビリ系の機能訓練加算短期入所系のサービスでも算定できる場合があることもこの機会に押さえておこう。

【正解2,5】

問題 39 感染症の予防について適切なものはどれか。3つ選べ。 1 標準予防策(スタンダード.プリコーション)とは、感染症の有無にかかわらず、すべての人に実施する感染予防対策である。 2 感染症を予防するためには、感染源の排除、感染経路の遮断、宿主の抵抗力の向上が重要である。 3 手袋を使用すれば、使用後の手指衛生は必要ない。 4 インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染である。 5 肺炎球菌ワクチンを接種すれば、すべての肺炎を予防できる。   過去問学習で容易に答えが出せる問題もある。 難易度A   1は〇である。R元-問39、H29-問33に同じ趣旨の選択肢がある。 2は内容的によさそうなので〇ぽい。 3は×である。H27-問39にズバリの肢がある。 4は〇である。H28-問28を分析していた人は簡単に解けたであろう。 5は×である。 肺炎球菌ワクチンを接種しても肺炎球菌以外の原因で起こる肺炎を予防できるわけではない。 肺炎球菌ワクチンは過去に何度か問われているが、この内容で聞かれたのは初めてである。 知らなかったとすれば、「すべての」という部分が怪しいと感じて×にするのでもよかったかもしれない。

【正解1,2,4】

問題 40 在宅医療管理について正しいものはどれか。3つ選べ。 1 在宅中心静脈栄養法は、医療処置として栄養を補う方法である。 2 在宅中心静脈栄養法では、長期にカテーテルが体内にあるが、細菌感染を引き起こすことはない。 3 ストーマには、消化管ストーマと尿路ストーマがある。 4 腹膜透析の管理について、利用者や家族が在宅で処置を行うことは禁止されている。 5 在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。   在宅医療管理については、しっかり押さえておきたい。 難易度A   1は、当然すぎてびびるが〇である。 2は×である。内容でも判断できるし「~ことはない」という文末も決め手になる。H23-問23で出題されている。 3は〇だが、知らなければ△にして先に進む。R元-問33に関連した肢がある。 4は×である。在宅で腹膜透析をしている場合、利用者や家族が処置を行うことが禁止されれば、在宅で暮らせなくなる人が多数生じてしまう。 腹膜透析は過去問にもあるが、この問われ方は初である。 5は〇である。携帯用酸素ボンベを使用して町中を歩いている人を見たことがないだろうか。

【正解1,3,5】

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