問題 48 包括的支援体制に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 重層的支援体制整備事業によって包括的支援体制の整備に取り組んでいる自治体数は、令和5年度の時点で全体の半数を超えている。
2 包括的相談支援事業とは「複数の支援関係機関が有機的な連携の下、世帯が抱える地域生活課題の解決に資する支援を一体的に行う体制を整備する事業」である。
3 アウトリーチ等を通じた継続的支援事業とは「虐待の防止及びその早期発見のための援助を行う事業」である。
4 重層的支援会議とは「自ら支援を求めることが困難な人への支援について、支援を始める前に関係機関が情報を共有し、協議をする場」である。
5 「地域共生社会推進検討会」では、地域づくりに向けた支援において、多様な人や機関がその都度集い、相談、協議し、学び合う場としてのプラットフォームづくりが重要であると指摘した。
(注)「地域共生社会推進検討会」とは、「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」のことである。
1は×である。
明確な文献が見つかりませんでした。㊱問35参照。
2は×である。
包括的相談支援事業は、属性や世代を問わず包括的に相談を受け止め、支援機関のネットワークで対応し、複雑化・複合化した課題については適切に多機関協働事業につなぐことにある(法106条の4第2項1号参照)。㊱問35参照。
3は×である。
アウトリーチ等を通じた継続的支援事業は、長期にわたりひきこもりの状態にあるなど、複雑化・複合化した支援ニーズを抱えながらも必要な支援が届いていない人や、支援につながることに拒否的な人に支援を届けるための事業である((社会福祉法第106条の4第2項第4号)。
4は×である。
重層的支援会議は、重層的支援体制整備事業による支援が適切かつ円滑に実施されるために開催するものであり、その役割は、①プランの適切性の協議、②プラン終結時の評価、③社会資源の把握と開発に向けた検討の3つである。各分野では効果的に対応が難しいケースを重層的支援会議に持ち込み、関係機関との協働で対応にあたるものの、対応の主体は、あくまでも各分野の相談機関である。相談機関は、支援に関する経験やノウハウを共有し、それぞれの機関に持ち帰り、今後、同様のケースが生じたときの対応力の向上につなげることが重要だとされている。各相談機関の対応力の向上につれ、会議を開催する必要性は低下していく。
5は〇である。
「地域共生社会推進検討会中間とりまとめ」(令和元年7月19日)参照。
正解5
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
関連する問題に㊱問35がある。それぞれの支援について理解しておかないと、自信を持って解くことは困難である。
ただ、書かれている内容に着目して、積極的に5を選んだ人もいたと思われる。
出典:厚生労働省「令和2年度 地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議 重層的支援体制整備事業における具体的な支援フローについて)」
問題 49 事例を読んで、A市社会福祉協議会の地区担当のB職員(社会福祉士)の今後の対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(20歳,知的障害)は、特別支援学校を卒業後、市内にある知的障害者通所施設に通っているが、地域の活動にも参加したいと思っている。そこでCさんの両親は、社会福祉協議会が主催する地区の住民想談会に参加した際に、息子が参加できるような地域活動はないかとBに相談をした。Bは、この地区では高齢化が進み、地域活動の担い手の減少によって継続が困難となっており、商店も人手不足による閉店が増えていると感じている。
1 Cさんから得意なことや、やってみたいことを聞き、この地区の中で活用できる社会資源を探す。
2 地域住民に対して、知的障害者に対するサービスを立ち上げるように促す。
3 Cさんに対して、施設通所を一時休ませて、地域活動に参加するよう助言する。
4 Cさんに対して、商店の後継者となれるように経営の技術を学んでもらう。
5 地域活動や商店の状況を把握し、Cさんのような人々の力を生かせる活動を地域住民と考える。
まずアセスメントを行うことは、適切な対応である。
2は×である。
Cは地域の活動に参加したいのであり、知的障害者に対するサービスが受けたいわけではない。
3は×である。
Cは通所施設に通いつつも、地域の活動にも参加したいと思っている。
4は×である。
Cは知的障害があり、いきなり経営の技術を学んでもらうことは適切とはいえない。
5は〇である。
正解1,5
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
Cの主訴を把握し、しっかりとアセスメントを行うことが必要である。
問題 50 災害時の支援に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 被災者生活再建支援制度の対象とする自然災害は、市町村において1000世帯以上の住宅全壊被害が発生した場合である。
2 介護保険制度では、全ての介護サービス事業者に対して、業務継続計画(BCP)の策定とその計画に従って必要な措置を講ずることが定められている。
3 災害救助法では、災害ボランティアセンターの設置を市町村社会福祉協議会に義務づけている。
4 厚生労働省の「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」では、災害派遺福祉チーム(DWAT)の一般避難所への派遣について明記している。
5 内閣府の「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」では、指定福祉避難所は受入対象となる者をあらかじめ特定してはならないと定めている。
(注)1 BCPとは,Business Continuity Planのことである。
2 DWATとは、Disaster Welfare Assistance Team のことである。
自然災害により全壊10世帯以上の被害が発生した市町村が対象となる。
2は〇である。
2024年改正法から、全ての介護サービス事業者にBCPの策定が義務付けられた。
3は×である。
災害ボランティアセンターが被災地の市区町村社会福祉協議会に設置されるケースが一般化してきているものの、災害救助法が設置を義務付けているわけではない。
4は〇である。
5は×である。
「指定福祉避難所の受入対象は、高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児、病弱者等、避難所生活において何らかの特別な配慮を必要とする者とし、その家族まで含めて差し支えない」ものとされている。
正解2,4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
解答解説末尾㉟問39、㉝問37、㉛問25参照。
問題 51 事例を読んで、A市で重層的支援体制備事業を所管するB職員(社会福祉士)の対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
就労経験のない若者やその家族から「働きたいと思っても、長年ひきこもっていることもあり、心身の状態に合わせて働ける場所がない」との意見が集まっていた。Bは,本人達の状態に合わせた多様な就労の機会を確保することを目指して、今後の参加支援事業の実施方法について関係者と検討することとした。
1 一般就労が事業の支援目標であるため、ハローワークの求職票の探し方を学ぶプログラムを導入する。
2 参加支援事業の独自性を明確化するため、地域づくり事業や相談支援事業と切り離して取組を進める。
3 本人や家族の支援ニーズを踏まえ、社会参加に向けた取組を検討するための会議を開催する。
4 中小企業や商店街などに働きかけ、短時間就労や就労体験などの支援メニューを創出する。
5 ひきこもりに関する参加支援は、ひきこもり地域支援センターに対応を委ねる。
1は×である。
設問の事例に対する支援としては不適切である。
2は×である。
本人達の状態に合わせた多様な就労の機会を確保するには、地域づくり事業や相談支援事業と一体的に取り組むべきである。
3は〇である。
4は〇である。
本人達の状態に合わせた多様な就労の機会を確保するうえで適切である。
5は×である。
Bも一緒に取り組むべきである。この試験で「~に対応を委ねる」という記述は、ほぼ誤りである。㊱問117肢1、㉟問41肢5、㉞問150肢1参照。

