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7.保健医療基礎(H30年-第21回)2/3

問題 31 高齢者に多い病状や疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。 1 フレイルとは、高齢になって筋力や活動が低下している状態を指す。 2 機能性尿失禁とは、くしゃみ、咳などによって尿がもれることである。 3 急性縁内障発作では、頭痛、嘔吐がみられることがある。 4 慢性腎不全では、全身倦怠感、動悸、頭痛、浮腫などの症状がみられることがある。 5 加齢によるインスリンの増加が、糖尿病の原因である。   ★★★ 迷う肢があっても消去法で答えはでる。 1は〇だが、フレイルに確信がもてなければ△。2は×である(機能性尿失禁とはトイレの場所が遠くにあって間に合わないような場合である)。くしゃみ、咳などによって尿がもれるのは「腹圧性」である。3は〇ぽい。4も〇ぽい。5は高齢者に多い疾患が2型糖尿病である(さらに言えば糖尿病の仕組み)を知っていれば×と判断できる加齢によるインスリンの減少や働きの低下が2型糖尿病の原因である。5は×である。

【正解1,3,4】

もう一歩知識を深めよう!「失禁について」 ・腹圧性尿失禁:咳やくしゃみ等で腹圧がかかった時に尿が漏れる。 ・切迫性尿失禁:準備等が間に合わず、ガマンしきれずに尿が漏れる。 ・混合性失禁:腹圧性失禁と切迫性失禁が混合している尿漏れ。 ・溢流性失禁:基礎疾患とて排泄障害があり、尿が溢れ漏れ出る。 ・機能性失禁:運動機能の障害や認知機能の障害による尿漏れ。
問題 32 認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。 1 レビー小体型認知症では、便秘や立ちくらみなどの自立神経症状を伴うことがある。 2 うつ状態が続くと、認知症と診断されてしまうことがある。 3 認知症の初期では、ADLの低下がみられ、進行するとIADLの低下が起こってくる。 4 せん妄は意識障害であり、認知症と区別する必要がある。 5 認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者は、初期の認知症患者に限られる。   ★★★ 基本的知識と勘を働かせて解く。 1は△。2は〇ぽい。3はIADL(料理など)の低下→ADLの低下の順だと推測できるので、×。このように考えて判断できるかが大切。4は〇ぽい。5はいかにも正しそうに書かれているが、被っているのは「初期」という部分だけ。認知症初期集中支援チームの「初期」と支援対象者の「初期」を同一に考える必要はない。×ではないかと感じられるかが大切。

【正解、1,2,4】

問題 33 在宅で医療機器を使用する場合の留意点について適切なものはどれか。3つ選べ。 1 腹膜透析を実施している場合は、感染に注意が必要である。 2 在宅中心静脈栄養法を行っている場合は、入浴は禁忌である。 3 在宅経管栄養法では、カテーテルの定期的な交換は不要である。 4 気管切開を伴った人工呼吸療法では、気管切開部の管理が必要である。 5 在宅酸素療法では、機器の周囲2m以内に火気を置かないようにする。   ★★★ 過去問の知識と勘を働かせて解く。落としてはいけない問題である。 1は〇(そりゃそーだろう、という内容)。2は×(過去問に類似したパターンがある)。3は定期的な交換が必要だろう、と突っ込んで欲しいところ。もちろん×。4は〇だろう。5も〇ぽい。

【正解、1,4,5】

問題 34  次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。 1 BMI(Boby Mass Index)が18.5以上の場合は、肥満とされる。 2 喫煙は、心疾患のリスクを高める。 3 多量の飲酒習慣は、脳卒中のリスクを高める。 4 骨粗鬆症の予防には、運動は効果がない。 5 大腿部頸部骨折の予防には、ヒップ・プロテクターも効果がある。   ★★★ BMIまたはヒッププロテクターのいずれかを知っていれば解ける問題である。 1は×だが、わからなければ△にして次に進む。2は〇。3も〇。4は、運動は効果があるだろうと突っ込んで欲しい。×である。5は、知っていれば〇と即答できる。悩むとすれば1と5だろう。
もう一歩知識を深めよう!「BMI」と「ヒップ・プロテクター」 BMI(Boby Mass Index)とは… [体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値のこと。肥満や低体重(やせ)の判定に用いる。 18.5未満が「低体重(やせ)」/18.5以上25未満が「普通体重」/25以上が「肥満」 ヒップ・プロテクターとは… 転倒時に股関節を外圧から守り、大腿部頸部骨折を予防する装具のこと。

【正解2,3,5】

問題 35 在宅で行われる呼吸管理について正しいものはどれか。3つ選べ。 1 ネブライザーで吸入薬を用いる際に副作用と思われる症状がみられた場合には、吸入を中止して医療者に報告する。 2 在宅酸素療法を受けている利用者が息苦しさを訴えた場合には、医師の指示の有無にかかわらず、酸素流量を増やす。 3 在宅酸素療法を実施している場合には、定期的にバッテリーの充電状態を確認する。 4 人工呼吸器を利用する場合には、緊急時の対応方法や連絡先を確認しておく。 5 痰の吸引器は、介護保険の給付の対象となる。   ★★★ 常識と勘を駆使すれば解ける。 1は〇ぽい。2は医師の指示に関わらず酸素量を増やすのは危険だと感じて欲しい。×である。3は常識的にみて正しいと感じる内容である。〇である。4も〇だと感じられる内容である。5は知識がないと何ともいえないが、1,3,4の内容に特に問題はない。

【正解1,3,4】

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