問題 33 公的年金の給付に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 老齢厚生年金は、受給権者が請求の手続きをとらなくても、支給開始年齢に達すれば自動的に支給が開始される。
2 老齢厚生年金を受給しながら就労する場合、収入によっては老齢厚生年金の一部又は全部の支給が停止される場合がある。
3 老齢基礎年金は、繰上げ受給又は繰下げ受給を選択できるが、いずれを選択しても受給額は変わらない。
4 障害基礎年金の受給者が遺族基礎年金の受給要件を満たした場合、両方の年金を受給することができる。
5 国民年金には、第三号被保険者を対象とする独自の給付として、付加年金がある。
1は×である。
繰り上げや繰り下げがあることもからも推測できると思うが、請求の手続きとることにより支給が開始される。
2は〇である。
㉜問55肢5参照。
3は×である。
繰り上げ受給をすれば受給が減り、繰り下げ受給をすれば受給額が増える。㊱問55肢1参照。
4は×である。
いずれかを選択しなければならない。
5は×である。
付加年金は、第一号被保険者を対象としている。自営業者などが年金額をふやすために任意で加入できる制度である。㉛問52肢5参照。
正解2
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
過去問で正面から出題されたことのない知識もあり、手こずった受験生もいたのではないだろうか。
社会保障の問題が7問から9問に増えることにより、年金や雇用保険に関する問題が出題される確率は高くなることは予め予想できた。
今回出された程度のことについては、事前に学習しておいて欲しいというメッセージとも受け取れる。
問題 34 事例を読んで、Aさんに適用される社会保険制度に関する次の記述のうち。最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(55歳)は配偶者のBさんと離婚した。Aさんは離婚以前、国民年金の第三号被保険者及び健康保険の被扶養者であった。二人の間に子はおらず、Aさんは、現在,単身で暮らしている。離婚時に年金分割の手きは済ませている。
1 離婚前は、Bさんが、Bさん自身の厚生年金保険料に加えて、Aさんの国民年金保険料を納付していた。
2 Aさんは、離婚前に被扶養者の認定を受けていた健康保険の任意継続被保険者となることができる。
3 Aさんは、離婚の前後を通じて、介護保険料を市町村から直接徴収されている。
4 Aさんは、分割した年金記録に基づく老齢厚生年金を、自身の支給開始年齢に達するまでは受給できない。
5 Aさんは、国民年金保険料の納付猶予制度を利用することができる。
1は×である。
Aは第三号被保険者だったので、保険料の納付を必要としない。
2は×である。
Aは、婚姻中は、Bの健康保険の被扶養者だった。Bは任意継続被保険者になれるが、Bの被扶養者も同じように任意継続被保険者になれるのかが本問のポイントである。被扶養者は、任意継続被保険者になることはできない。
3は×である。
AとBはともに介護保険の第二号被保険者である。離婚前は、Bの介護保険料は、Aの給与から一緒に徴収されていた(特別徴収)ため、「離婚の前後を通じて」の部分が誤りである。
4は○である。
当然のことである。離婚したから、年金を早くもらえるということはない。
5は×である。
国民年金保険料の納付猶予制度は、50歳未満の第一被保険者であって、前年の所得が
一定以下の人に対して適用される。Aは55歳なので、同制度の適用はない。
正解4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
細かい知識を問う選択肢が多い。わからないものはどんどん飛ばして、積極法で4を選びたいところである。
2と3については、推論により正誤を判断しやすいが、5は知らないと判断に迷うであろう。
問題 35 雇用保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 基本手当の支給に係る失業の認定は、労働基準監署において行われる。
2 基本手当の所定給付日数は、被保険者期間には関係なく決定される。
3 高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給される。
4 介護休業給付金では、介護休業開始時の賃金の50%相当額が支給される。
5 出生時育児休業給付金は、産後休業中の労働者に対して支給される。
1は×である。
ハローワークで行われる。
2は×である。
被保険者期間の長短により、基本手当の所定給付日数は異なる。
3は〇である。
4は×である。
平成 28年8月1日以降に開始する介護休業から、67%が支給されることになった。
5は×である。
雇用保険の被保険者が、子の出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度として、産後パパ育休(出生時育児休業・2回まで分割取得できる)を取得した場合、一定の要件を満たすと「出生時育児休業給付金」の支給を受けることができる。令和4年10月1日から施行された制度であり、知らないと判断に迷うであろう。
正解3
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
育児休業等給付として、子の年齢や養育の状況に応じて、要件を満たす場合に、①出生時育児休業給付金、②育児休業給付金、③出生後休業支援給付金、④育児時短就業給付金が支給されることになっている。
出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金は、令和7年4月1日から創設される給付金である。
ソーシャルワンカーと一緒にワン🐾ステップUP‼
もう少し、詳しく学習したい人は、厚生労働省の「育児休業等給付について」を確認して欲しい。
リンクはこちら⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html
問題 36 諸外国における公的医療と公的年金の制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 フランスの公的医療保険は、制度創設以来、外来診療については現物給付を原則としている。
2 ドイツの公的年金制度は、全国民共通の一元的な所得比例年金の構造となっている。
3 スウェーデンの公的年金制度は、完全積立の財政方式をとっている。
4 イギリスでは、租税を主財源とする医療サービスにより公的医療を保障している。
5 アメリカでは、連邦政府運営の公的医療保険によって国民保険を実現している。
外来診療については、償還払が基本となっている。
2は×である。
社会保険方式の所得比例年金制度が職種ごとに分立している。
3は×である。
所得比例年金は、賦課方式を採用している。
4は〇である。
説明は、NHSを指している。
5は×である。
未だに、公的医療保険が実現していない。
正解4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
㉛問55、㉙問55に類問がある。1は、知識がないと判断に迷う。5が誤りであることには気づいて欲しい。
4がNHSのことを指していると気づければ、積極法で4を選ぶ。

