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5.社会保障(R7年2月-第37回)1/2

問題 28 事例を読んで、社会保険制度の加入に関する次の記述のうち。正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(23歳)は常勤の国家公務員である。Aさんの配者であるBさん(18歳)は無職であり、Aさんに扶養されている。

1 Aさんは厚生年金保険の被保険者である。
2 Aさんは介護保険の第二号被保険者である。
3 Aさんは雇用保険の被保険者である。
4 Bさんは健康保険の被保険者である。
5 Bさんは国民年金の第三号被保険者である。

1は〇である。
2は×である。
介護保険の第二号被保険者は、40歳以上65歳未満で、医療保険に加入していることが要件となっている。
3は×である。
国家公務員は、雇用保険には加入していない。
4は×である。
国家公務員が加入している医療保険は、共済組合である。
5は×である。
第三号被保険者は、第二号被保険者に扶養されている配偶者で、原則として年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の者である。Bは18歳なので、これに当たらない。

正解1

問題 29  日本の社会保障の歴史に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され,福祉三法の体制が確立した。
2 厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。
3 ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために,1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。
4 老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。
5 2000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。

1は×である。
老人福祉法ができたのは1963(昭和38)年である。㊱問127肢2参照。
2は×である。
厚生年金保険法ではなく、国民年金法である。厚生年金は、すべての国民が加入するものではないことから、本肢が誤りであることには気づいて欲しい。
3は×である。
ひとり親世帯に限られず、児童を養育している者が対象である。
4は×である。
老人医療費の無料化は1973年(昭和48年)の老人福祉法の改正により行われた。その結果、生じた問題を解消するために制定されたのが、1982年の老人保健法である。㊱問127肢3、㉟問49肢5、㉟問127肢1など参照。
5は〇である。
ちなみに、介護保険法が制定されたのは、1997年であることも押さえておく。

正解5

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
介護保険法の施行年(2000年)を押さえていた人は多かったと思われるので、積極法で5を選んでもよい。

問題 30 「令和3年度社会保障費用続計」(国立社会保障・人口問題研究所)による社会保障の費用等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 2021年度(令和3年度)の社会保障給付費の総額は、160兆円を超過している。
2 2021年度(令和3年度)の部門別(「医療」「年金」。「福祉その他」)の社会保障給付費のうち、「福祉その他」の割合は、2割を超過している。
3 2021年度(令和3年度)の政策分野別社会支出の割合が最も大きいのは「家族」である。
4 2021年度(和3年度)の社会保障財源における公費負担の割合は、社会保険料の割合よりも大きい。
5 2020年度(令和2年度)の日本の社会支出は、対国内総生産比でみると、OECD加盟国の中で最も大きい。

1は×である。
2021年度(令和3年度)は、142 兆 9,802 億円だった。かなりの規模に達しているが、まだ150兆円は超えていない。
2は〇である。
2021年度(令和3年度)は、「医療」が 47 兆 4,205 億円(総額に占める割合は 34.2%)、「年金」が 55 兆 8,151 億円(同 40.2%)、「福祉その他」が 35 兆 5,076 億円(同25.6%)だった。
3は×である。
最も大きいのは「保健」で 60 兆 5,208 億円(総額に占める割合は 42.3%)、次いで「高齢」の 48 兆 7,809 億円(同 34.1%)、「家族」の 13 兆 5,363 億円(同 9.5%)となっている。
4は×である。
「社会保険料」が 75 兆 5,227 億円(収入総額の 46.2%)で、次に「公費負担」が 66 兆 1,080 億円で(40.4%)となっている。㉜問50肢4参照。
5は×である。
2020 年度は、日本は、アメリカ、フランスよりも小さくなっている。少なくとも、日本が「最も大きい」のは間違いであることには気づいて欲しい。

正解2

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
解説部分は、国立社会保障・人口問題研究所「令和3(2021)年度・2(2020)年度 社会保障費用統計の概要」ともとにしている。ただ、これを読んでいなくても、関連知識は過去問でも問われている。
㉞問50、㉜問50を分析していれば、本問を解くことは可能だったと思われる。

問題 31 社会保障の給付に係る国の負担に関する次の記述のうち、最も適切なもの を1つ選びなさい。
1 基礎年金の給付費の3分の2を負担する。
2 年金生活者支援給付金の費用の2分の1を負担する。
3 介護保険の給付費の2分の1を負担する。
4 児童扶養手当の費用の3分の1を負担する。
5 生活保護費の2分の1を負担する。

1は×である。
国は、基礎年金の給付費の2分の1を負担する。
2は×である。
年金生活者支援給付金の費用は、国が全額を負担する。
3は×である。
介護保険の給付費の2分の1は保険料で賄われる。残る2分の1の半分を国が負担するので、国の負担は4分の1となる。
4は〇である。
手当の支給に要する費用は、その3分の1に相当する額を国が負担し、その3分の2に相当する額を都道府県等が負担する(児童手当法21条)。㉚問55肢4参照。
5は×である。
国は、生活保護費の4分の3を負担する。㉜問43、㉚問44参照。

正解4

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
知識がないと解くのは困難な問題である。

問題 32 事例を読んで、社会保険の適用に関する次の記述のうち、最も適切なもの を1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(47歳)は、大学卒業と就職氷河期が重なったことにより、正社員として就職することができず、現在に至るまでアルバイトとして働いている。Aさんは7歳の子と二人で暮らしている。被用者保険の適用拡大によって、それまで国民健康保険の被保険者だったAさんは初めて健康保険の被保険者となった。これにより、Aさんの状況はどのように変化するか。

1 新たに,国民年金の第二号被保険者となる。
2 児童手当の支給額が増額される。
3 新たに、労働者災害補償保険が適用される。
4 新たに、介護保険の第二号被保険者となる。
5 健康保険の保険料を、Aさんが3分の2、事業主が3分の1を負担することになる。

1は〇である。
2016(平成28)年1月から、パートタイマー・アルバイト等の健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準が変わり、1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上の者は、健康保険・厚生年金保険に加入することとなった。
2は×である。
被用者保険の適用拡大の話とは無関係だと推測して欲しい。
3は×である。
2の説明参照。
4は×である。
A は47歳であり、すでに第2号被保険者である。
5は×である。
健康保険の保険料は、事業主と被保険者が折半で負担する。

正解1

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
社会保険だけでなく、社会扶助に関する知識も問われている。すぐに答えが出ないときは、自分にとって確実なものを頼りに、選択肢を絞っていく。

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