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23.子どもの保健(R2年-後期)3/4

問 11 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。 【事例】 Yさんは9歳の女児である。周産期、乳幼児健診で異常を指摘されたことはない。幼児期より内向的で保育所では友人は少なく登園渋りがあった。小学校に入学後、登校時に腹痛を来すようになり不登校となった。次第に母が外出しようとすると「お母さんが事故に遭って死んでしまったらどうしよう」と泣き出し留守番ができなくなった。   【設問】 次のうち、Yさんの主な精神医学的問題を、一つ選びなさい。 1 パニック障害 2 分離不安障害 3 強迫性障害 4 自閉スペクトラム症 5 選択性緘黙   知らない用語があるかもしれませんが、事例からおおよそ想像がつくのではないでしょうか。 事例の最後の方で、母親と離れるのをすごく嫌がっていることが分かりますね。

【正解2】

問 12 次の文は、注意欠如・多動症についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A DSM-5 の診断基準によれば、不注意、多動性及び衝動性の症状が、2つ以上の状況(例:家庭、学校)で存在する必要がある。 B 近年の疫学調査によると、有病率は学童期で約 20%である。 C 病因として遺伝的関与が強い。 D 自閉スペクトラム症を併存することがある。 E 出生体重が 1,500 g 未満で生まれることは、注意欠如・多動症のリスク因子である。   (組み合わせ)   A B C D E 1 ○ ○ ○ ○ × 2 ○ ○ × ○ ○ 3 ○ × ○ ○ ○ 4 × ○ × × ○ 5 × × × × ×   難しい問題だと思います。 A:適切。 B:適切。 C:不適切。報告により差がありますが、学齢期の小児の3~7%程度と考えられています。 D:適切。 E:適切。

【正解3】

問 13 次の文は、発達性協調運動症に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 脳性麻痺や筋ジストロフィーが原因になる。 B 協調運動技能の獲得が、その人の生活年齢に応じて期待されるものより明らかに劣っている。 C 症状は、不器用さや運動技能の遂行における遅さと不正確さによって明らかとなる。 D 学業や就労後の活動に影響を与えている。   (組み合わせ)   A B C D 1 ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ ○ × 3 × ○ ○ ○ 4 × × × ○ 5 × × × ×   発達性協調運動症は一般的には聞きなれない症状です。知らない人は、判断がしやすいものからつぶしていきましょう。 症状があるのに、学業や就労に影響がないとは考えられませんのでDは〇です。次に、Aの疾病が原因とは思えませんので、Aは✕です。BとCの両方が〇か✕かの選択だけになりました。両方違うとは考えにくいので3を選ぶで良いと思います。

【正解3】

問 14 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。 【事例】 自閉スペクトラム症と診断されている5歳のSくん。保育所で制作の時間に突然保育室を飛び出してしまった。担当保育士が後を追いかけると、水場のところでびしょ濡れになってひとりで遊んでいた。   【設問】 担当保育士による、Sくんに対する配慮として適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A あまりに楽しそうに遊んでいたので、制作は中止にして、みんなで一緒に遊ぶことにした。 B 今、何をする時間なのかがわかっていなかった可能性を考え、Sくんがわかるように絵を使って教えるようにした。 C 水遊び以外にSくんが興味を持てる電車やくるまを制作に取り入れる工夫をした。 D 今は制作の時間であることを口頭で強く伝えた。   (組み合わせ)   A B C D 1 ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ × × 3 ○ × ○ ○ 4 × ○ ○ × 5 × × × ×   自閉スペクトラム症の疑いではなく、正式な診断が出ています。 判断しやすい選択肢はDC→BAという感じでしょうか。 自閉スペクトラム症の児童に強制的なことを行うのは逆効果もしくは不適切です。興味を持てることを取り入れるのは他の児童を制限しない限りは良い事ですね。Cは他の児童のことについては記述がありませんので、適切ということになります。この段階で4が答えになります。迷う選択肢以外で答えが出せる場合はそうしましょう。

【正解4】

問 15 次の文は、日本人の自殺に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 年間の自殺者数は、平成 10 年以降、現在まで3万人台が続いている。 B 過去に自殺企図をして生き残った人は、その後自殺企図を繰り返さない。 C 平成 30 年の人口動態統計によれば、15 歳~ 19 歳の死因の第1位は自殺である。 D 平成 30 年中における自殺の状況(厚生労働省)によれば、未成年者の自殺の原因は、いじめが過半数である。 E 産後うつ病では、子どもとの心中が起こることはない。   (組み合わせ)   A B C D E 1 ○ ○ × × ○ 2 ○ × ○ ○ × 3 × ○ × ○ ○ 4 × × ○ ○ × 5 × × ○ × ×   選択肢のうち3つは統計データですが、残りの2つは〇✕の判断がつきやすい。ただ、2・4・5と残るため1つか2つの統計データを知らないと解けない問題。 BとEは明らかに不適切。 A:不適切。最近の自殺者数は2万人台である。 C:適切。 D:不適切。2019年版自殺対策白書によると、10~19歳の自殺者のうち遺書などから特定できた原因・動機を1人につき3つまで計上した結果、延べ568人中、学校に関する問題が188人(33%)と最多を占め、健康問題119人(21%)、家庭問題116人(20%)です。なお、10歳未満の自殺者はいない。

【正解5】

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