23.子どもの保健(R元年-後期)3/4
問 11 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
自閉スペクトラム症と診断されているM君(4歳、男児)。保育所の朝の集会でみんなで歌を歌うときに両手で耳を塞ぎ、不快な表情を見せ、席を離れて外へ飛び出してしまうことがある。泣いている子がそばにいるとその子を叩いて、何回注意しても繰り返してしまう。
【設問】
M君への対応として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 耳栓やイヤーマフを使用して、不快な音が届きにくいようにする。
B 歌を歌うスケジュールがわかるように絵や写真を使って、M君が見通しを持てるようにする。
C 耳を塞いで不快そうにしているときには、静かな環境に移動させる。
D 叩くことはよくないと、更に注意を繰り返す。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ×
3 ○ ○ × ×
4 × × × ○
5 × × × ×
微妙な選択肢はとりあえずとばして次に移る。
A:適切な記述。私は迷いましたが・・・
B:適切な記述。迷わず〇。
C:適切な記述。迷わず〇。
D:不適切な記述。迷わず✕。
Aが不安でも正解できる。
【正解2】
問 12 次のA~Eのうち、発達障害に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A ひとりの子どもに自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症が同時に診断されることはない。
B 全ての子どもの1%ほどに発達障害があると考えられる。
C 医師の診断を待って支援を開始するべきである。
D 発達障害のある子どもに対しても、定型発達児と支援を同一にすることが望ましい。
E 養育者の育て方によって、社会的な適応状態は変化しない。
(組み合わせ)
A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ × ○
3 ○ ○ × × ○
4 ○ ○ × × ×
5 × × × × ×
B以外は常識的に判断できる。
Bについても正式な統計があるかどうかは別にしても1%よりは多いというのが実感ではないでしょうか。
A:不適切な記述。断定的な表現は✕の典型例。自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症が同時に診断されないと言い切ることはできない。
C:不適切な記述。診断は医師しか行えないが、必要であろう何らかの支援を前もって行えないということではない。
D:不適切な記述。ノーマライゼーションの考え方と混同しないようにする。個別性の重視と考えよう。
E:不適切な記述。育て方が社会的な適応状態に影響を与えない訳はない。
【正解5】
問 13 次のA~Dのうち、反応性愛着障害および脱抑制型対人交流障害についての記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A この2つの障害は、重度の社会的・心理的ネグレクト(里親を転々とするなどを含む)がなく、身体的虐待のみがある場合にも起こりうる。
B 反応性愛着障害を持つ子どもの行動上の特徴は、見知らぬ人を含む誰にでも見境なく接近し、接触する無差別的社交性である。
C 反応性愛着障害を持つ子どものほとんどが、特定の養育者に愛着していることが明確である。
D 脱抑制型対人交流障害は、環境が改善すればその症状はほとんど消失する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × × ×
あまり聞かない障害である。
A:不適切な記述。限定的・断定的な表現です。DSM-5では反応性愛着障害と、脱抑制性対人交流障害はいずれもネグレクトや主たる養育者の頻繁な変更があったか、アタッチメント形成が極端に制限される環境だったかなど、養育環境の経験を診断基準にしています。
B:不適切な記述。反応性愛着障害ではなく、脱抑制型対人交流障害を持つ子どもです。
C:不適切な記述。特定の養育者に愛着していることではなく、反対のアタッチメント形成が極端に制限されていた子ども。
D:不適切な記述。ほとんどが消失するというわけではありません。
【正解5】
問 14 次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
小学校入学を控えたN保育所の6歳男児。早産、低出生体重児として経膣分娩にて出生したが、乳幼児期健康診査で発育及び発達の遅れは指摘されなかった。幼児期から、自宅でも公園に遊びに行っても走り回ることが多く、道路への飛び出しや迷子になることがたびたびあった。保育所では友人は多く、鬼ごっこが好きであったが、保育士の話をじっと座って聞くことが難しく、遊具を使う順番を守れないため、繰り返し注意を受けることが多い。
【設問】
次のA~Eのうち、男児が小学校入学後に生じることが多いと考えられる行動上の問題について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 授業中に他の児童に話しかけてしまう。
B 興味を持つことに著しい偏りがある。
C 教師の質問が終わる前に答えてしまう。
D 時間割が急に変更されるとパニックにおちいる。
E 頻繁に宿題や学校への提出物を忘れたり、文房具をなくしたりする。
(組み合わせ)
A B C D E
1 ○ ○ ○ × ×
2 ○ ○ × × ○
3 ○ × ○ × ○
4 × ○ ○ ○ ×
5 × × × ○ ○
病気か障害か個性なのか見分けが難しい症状というか行動というか・・・
事例の男児は、注意欠陥多動性障害の可能性があるという前提です。
A:適切な記述。
B:不適切な記述。アスペルガー症候群の特徴であると考えられます。
C:適切な記述。
D:不適切な記述。アスペルガー症候群の特徴であると考えられます。
E:適切な記述。
【正解3】
問 15 子どもの反抗について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 反抗は子どもが心理的自立を図る過程で生じる一過的な現象である。
B 反抗が嘘言という形をとることがあるが、これは正常発達内のことなので特別の配慮を要しない。
C 反抗がみられない子どもは、後になって精神的な問題を起こしやすい。
D 反抗が通常の成長にみられる程度や期間を超えると、反抗挑発症(反抗挑戦性障害)と呼ばれる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ×
自信を持って答えられないであろう問題。出題者の意図が分かり難い。
A:適切な記述となっている。一過性でない反抗は、まったくないのかな・・・
B:不適切な記述となっている。すべての戯言に特別な配慮を要しないとは言い切れないと思うが、特別な配慮を要しない戯言もあるような気がする・・・
C:不適切な記述となっている。起こしやすいと断定することは間違いだと思うが、一般的な傾向若しくは統計的には十分あり得ると思う・・・
D:適切な記述。
【正解3】
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