21.医療的ケア(R2年-第33回)
問題 109 介護福祉職が経管栄養を実施するときに,注入量を指示する者として,適切なものを 1つ選びなさい。
1 医師
2 看護師
3 訪問看護事業所の管理者
4 訪問介護事業所の管理者
5 介護支援専門員(ケアマネジャー)
指示という言葉に注目しよう。
施設において、現実的には看護師の指示という認識がある人もいるかもしれませんが、選択肢に医師があった場合は医師です。看護師は医師の指示の伝達者と考えましょう。
【正解1】
問題 110 気管粘膜のせん毛運動に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 痰の粘度が高いほうが動きがよい。
2 空気中の異物をとらえる運動である。
3 反射的に咳を誘発する。
4 気管内部が乾燥しているほうが動きがよい。
5 痰を口腔の方へ移動させる。
呼吸器は大きく上気道と下気道に分かれます。上気道には、上から順番に鼻腔、咽頭、喉頭。下気道には、上から順番に気管、主気管支、肺です。
この気管に関する問題です。2の空気中の異物をとらえる運動は上気道において行われます。気管では痰の排出のための運動となります。
【正解5】
問題 111 介護福祉職が実施する喀痰吸引で,口腔内と気管カニューレ内部の吸引に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 気管カニューレ内部の吸引では,カニューレの内径の 3 分の 2 程度の太さの吸引チューブを使用する。
2 気管カニューレ内部の吸引では,滅菌された洗浄水を使用する。
3 気管カニューレ内部の吸引では,頸部を前屈した姿勢にして行う。
4 吸引時間は,口腔内より気管カニューレ内部のほうを長くする。
5 吸引圧は,口腔内より気管カニューレ内部のほうを高くする。
喀痰吸引は必ず出題される重要なテーマです。医療用具なども含め、様々な角度から丁寧に学習しましょう。
【正解2】
問題 112 Hさん(80 歳,男性)は嚥下機能の低下があり,胃ろうを 1か月前に造設して,自宅に退院した。現在,胃ろう周囲の皮膚のトラブルはなく, 1 日 3 回の経管栄養は妻と介護福祉職が分担して行っている。経管栄養を始めてから下肢の筋力が低下して,妻の介助を受けながらトイレへは歩いて行っている。最近,「便が硬くて出にくい」との訴えがある。
Hさんに対して介護福祉職が行う日常生活支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 入浴時は,胃ろう部を湯につけないように注意する。
2 排泄時は,胃ろう部を圧迫するように促す。
3 排便は,ベッド上で行うように勧める。
4 経管栄養を行っていないときの歩行運動を勧める。
5 栄養剤の注入量を増やすように促す。
経管栄養も重要テーマです。
消去法で答えを出すしかない問題です。
1:胃ろう周囲の皮膚のトラブルはなく、とありますので、一般論としての入浴は普通に行えるということが当てはまります。
2:胃ろう部を圧迫することは腸にある便を押し出す効果もありませんし、装置部分の圧迫はマイナス効果となります。
3:論外ですね。
4:適切。
5:栄養剤の注入量の指示は医師が行いますので、介護福祉職が量を増やすように促すのは越権行為となります。加えて、便秘の解消に役立つとも思えません。
【正解4】
問題 113 経管栄養の実施に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 経管栄養の準備は,石鹸と流水で丁寧に手を洗ってから行う。
2 栄養剤は,消費期限の新しいものから使用する。
3 胃ろうや腸ろう周囲の皮膚は,注入開始前にアルコール消毒を行う。
4 カテーテルチップシリンジは, 1 回使用したら廃棄する。
5 口腔ケアは,数日に 1 回行う。
カテーテルチップシリンジという器具を知らなかった人も多いのではないでしょうか。
2や5は常識的に消去できますね。
3:アルコール消毒を行わなければならないわけではありません。
4:使い捨てのカテーテルチップシリンジもあるようですが、必ず1回で破棄ということでもありません。
介護者側が石鹼と流水で手を洗います。
【正解1】
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