問題11 次の記述のうち、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」に示されている内容として、正しいものを2つ選びなさい。
1 うつ病に伴う不眠症状では、睡眠による休養感の欠如が最も特徴的である。
2 成人してから加齢するにつれて夜間の睡眠時間が増加する。
3 蓄積された睡眠不足に伴う作業能率は「寝だめ」で十分回復する。
4 睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする。
5 眠くなくても、寝床に入る習慣をつける。
細かい問題だが、知らなくても一般常識で解ける問題である。
正解を2つ選ばせることに注目し、消去法で解答しよう。
1は、〇である。うつ病の症状の一つとして、
多眠は特徴的であり、それにもかかわらず休養感が欠如するというも、最も特徴的である。
2は、×である。加齢に伴い夜間の睡眠時間は減少する。昼夜逆転という言葉を思い起こせば、理解しやすいのではないだろうか。
3は、×である。「寝だめ」では、十分回復する効果が得られない。
4は、〇である。少量の寝酒で睡眠しやすくするといったことは、推奨されている場合もあるが、睡眠薬代わりにこれを行うことが、適切でないことは理解し易いと思う。
仮に、悩む様なら、△にしておこう。
5は、×である。眠くないのに寝床に入るとますます眠れなくなる可能性がある。
【正解1,4】
問題12 次のうち、予防精神医学の概念を提唱した人物として、適切なものを1つ選びなさい。
1 ソンダース(Saunders, C.)
2 カプラン(Caplan, G.)
3 呉秀三
4 ピアジェ(Piaget, J.)
5 フロイト(Freud, S.)
知らなければ悩むだろうが、基礎知識を応用して正解したい問題である。
1は、×である。ソンダースは。ホスピス運動、緩和医療で知られる。
2は、〇である。知らなければ△にして次に進む。
3は、×である。呉秀三は、日本の精神病学の創立者として有名である。
4は、×である。ピアジェは、児童の発達心理学で有名である。
5は、×である。フロイトは精神分析の創始者として有名である。
【正解2】
問題13 次のうち、「児童虐待防止法」に定められているものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 児童相談所の設置
2 要保護児童対策地域協議会の設置
3 被措置児童等虐待に係る通告
4 家庭裁判所による保護者の接近禁止命令
5 児童虐待の定義
(注) 「児童虐待防止法」とは、「児童虐待の防止等に関する法律」のことである。
選択肢を全て見ると、非常に簡単であることが分かる。
本問を通じて、むしろ正解以外の選択肢に関する学びを深めて欲しい。
1は、×である。児童福祉法である。
2は、×である。
要保護児童対策地域協議会は、平成16年度の児童福祉法改正に際して、同法第25条の2に規定された。知らなければ△にして次に進む。
3は、×である。
被措置児童等虐待の防止等の枠組みは、児童福祉法の一部改正により、平成21年4月から、制度化された。知らなければ△にして次に進む。
4は、×である。児童虐待防止法が定めているのは、
都道府県知事又は児童相談所長による保護者の接近禁止命令である(同法12条の4)。
5は、〇である。「児童虐待防止法」におては、児童虐待の定義が定められている。
【正解5】
問題14 次のうち、性行不良で他の児童の教育に妨げがあると認められる児童がいた場合に、巿町村の教育委員会がその保護者に対して、当該児童の出席停止を命ずることができると規定している法律として、正しいものを1つ選びなさい。
1 子ども・子育て支援法
2 学校保健安全法
3 教育基本法
4 学校教育法
5 社会教育法
設問文から、学校教育を円滑に図れるようにすることを規定した法律を選ばせようとていることが推測できる。
1は、×である。子ども・子育て支援法は、その名の通り、子どもと子育てを
支援するものである。このことからも、当該児童の出席停止命令と相まみえないと推測できる。
2は、×である。学校保健安全法は、学校における
児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図るための法律である。
3は、×である。教育基本法は教育に関する根本理念を規定している。知らなければ△にしておく。
4は、〇である。学校教育法は、学校における教育に関する法律である。
5は、×である。社会教育というのは、
乳幼児から高齢者まで、広い年齢層の人々に生涯学習の機会を提供するものである。
【正解4】
問題15 次のうち、心身症患者の特徴を表す概念として、正しいものを1つ選びなさい。
1 アカシジア
2 アタッチメント
3 アドヒアランス
4 アイデンティティ
5 アレキシサイミア
知識がないと解答できない問題である。
今回の過去問学習で覚えてしまおう。
1は、×である。アカシジアは、静座不能症と訳されるが、座ったままでじっとし.ていられず、そわそわと動き回るという特徴がある。抗精神病薬の錐体外路系副作用の一つである。
2は、×である。アタッチメントは、発達心理学などで、母親と子の間に形成される愛情のことである(「愛着」と訳される)。
3は、×である。アドヒアランスとは、治療や服薬に対して患者が積極的に関わり、その決定に沿った治療を受けることをいう。服薬アドヒアランスといった形で用いられる。
4は、×である。アイデンティティは「同一性」と訳されることが多いが、エリクソンの発達理論の重要概念である。
5は、〇である。心身症とアレキシサイミアの関係を知っていれば積極法で選べる。
【正解5】
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アレキシサイミアは、「失感情症」と訳されることがあるが、感情を失った状態ということではなく、感情を認知することの障害を指している。
心身症とは、ストレス性の潰瘍、高血圧など、心因の影響が大きい身体疾患のことであるが、アレキシサイミアの傾向を持つ人は、自らの感情を認識することが苦手なため、身体の症状として現れてしまうという機序が想定されている。
アレキシサイミア(alexithymia)は、P. E. シフネオスらによって1970年代に提唱された概念で、ギリシャ語の「a:非、lexis:言葉、thymos:感情」から作られた造語である。