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19.福祉サービスの組織と経営(H30年-第31回)

問題119 福祉サービスの経営に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 1 CSR(Corporate Social Responsibility)は,福祉サービス事業者には求められない。 2 CSV(Creating Shared Value)とは,企業や法人の価値を共有するために情報開示を進める概念である。 3 バランス・スコアカードとは,財務面の評価手法である。 4 コンプライアンスを達成するには,ガバナンスが重要である。 5 福祉サービスの改善活動であるPDCAには,現場職員が関わらないことが望ましい。   問題文のヒントを最大限に活かして、正解を導こう。 1はCSRを知らなくても(Corporate Social Responsibility)から(協同・社会・責任)がわかる。これらは福祉サービス事業者に求められている感じがする、ので×。2は(Creating Shared Value)から(価値をシェアした創造)がわかる。これと「情報開示を進める」の部分がややつながりにくい感じがする。×ぽい。あるいは△。3はスコアのバランスなので、財務面のみの評価手法ではなく、トータルの評価である。×ぽい。4は「コンプライアンス(法令順守)を達成するには,ガバナンス(統治)が重要である」と書かれているが、その通りであろう。積極法でこれが〇。5は「現場職員が関わらないことが望ましい」とあるがそれではDoはできない。

【正解4】

問題120 リーダーシップの理論に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 1 パス・ゴール理論では,メンバーの目標達成のための道筋を明示することが, リーダーシップの本質であるとしている。 2 フィードラー理論に代表される「条件適合理論」において,リーダーの行動は「構造づくり」と「配慮」に集約される。 3 三隅二不二は,リーダーシップの行動面に注目して,集団の「目標達成行動」と「集団維持機能」の2 次元で類型化したSL理論を示した。 4 カリスマ的リーダーシップでは,リーダーのスタイルを任務実行志向と人間関係志向に分類する。 5 マネジリアル・グリッドでは,「人に対する関心」と「業績に対する関心」の2 軸で類型化し,「1 ・1 型」が最も理想的なリーダーシップのスタイルであるとしている。   リーダーシップの理論に関する問題である。良く出題されるので、基本事項は押さえておこう。 1のパスは道筋のことである(cf.地域連携クリティカルパス)。ゴールは目標ともいいかえられる。説明内容は、パス・ゴール理論の内容としていい感じ。〇ぽい。2は△。3はSL理論ではなくPM理論である。×である。4は「カリスマ的リーダーシップ」は何となく分かるが、それが任務実行志向と人間関係志向に分類されるかは不明。聞いたことがないが、自信が持てない。△。5は知らなければ△。 サブノートで学習

【正解1】

問題121 福祉サービス提供組織の財務管理と資金調達に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 1 純資産の具体的中身は,土地や建物等である。 2 貸借対照表の借方は,資金運用方法を示す。 3 非営利組織は株式発行による資金調達ができる。 4 金融機関からの借入れを直接金融という。 5 会計上,収益とは利益を指す。   福祉サービス提供組織の財務管理は、頻出キーワードであるが、会計知識も必要であり少々やっかいである。 1は知らなければ△。2も知らなければ△。3は非営利組織は株式発行による資金調達などできないので×。これが許されるなら、非営利ではなくなる。4の金融機関からの借入れは間接金融なので×(過去問㉘-123)。5は、会計上収益とは利益を指すものではないから×。1か2かは知識がないと悩む。 類似の問題を利用してしっかりチェック

【正解2】

問題122 「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針~利用者の笑顔と満足を求めて~」(厚生労働省)の内容に関する次の記述のうち,適切なものを2 つ選びなさい。 1 利用者の自立的な生活を重視するほどリスクは高まるため,利用者の自由を制約するのはやむを得ない。 2 標準化されたサービスよりも,各職員の経験と勘に頼ったサービスの方が,業務改善や事故の原因の特定が行いやすい。 3 より質の高いサービスを提供することによって多くの事故が未然に回避できる,という考え方で危機管理に取り組むべきである。 4 利用者の状況や施設環境等の個別性が高いため,各施設において十分な検討と創意工夫が必要である。 5 リスクマネジメントは職員全体で取り組むべきことなので,経営者の強いリーダーシップは不要である。   一般常識で解ける問題である。正解して欲しい。 1は明らかに×だと感じて欲しい(現実に悪質なサービスを提供しているところはこのような発想をしているかもしれないが)。2も一読して変な内容である。×。3はいい感じ。〇でしょう。4もいい感じ。〇でしょう。5は、「リスクマネジメントは職員全体で取り組む」までは良いが、だからといって「経営者の強いリーダーシップは不要である」とまではいえない。×であろう。

【正解3,4】

問題123 ドナベディアン(Donabedian, A.)によるヘルスケアの質を評価するための3 つのアプローチの1 つである「構造(ストラクチャー)」の要素に該当するものとして,正しいものを2 つ選びなさい。 1 設備,備品などの物的資源 2 リハビリテーションや予防活動 3 健康状態や健康行動などにおける改善 4 専門職者などの人的資源 5 診断,処方などの医療行為   本問は、ドナベディアンモデルについて知らなくても解ける。ちなみに、私は知らなかった。 3つのアプローチの1つである「構造(ストラクチャー)」の要素を5つの肢から2つ見つければいいわけである。分類法の応用である。そのような視点からみると、資源と実際のサービス等に分類した場合、1,4が構造で、他はそれ以外という感じを受ける。また、過去問㉒-117で出題されていた

【正解1,4】

問題124 適切な福祉・介護サービスの提供体制に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 1 運営適正化委員会は,福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったときは,サービス提供を行った事業者に当事者間での解決を求めなければならない。 2 福祉サービス第三者評価の結果は,「福祉サービス第三者評価結果の公表ガイドライン」に基づき,市町村から公表される。 3 介護サービス情報の公表制度では,事業所から報告された情報内容を独立行政法人福祉医療機構が,審査した後インターネットで公表することになっている。 4 法人内に設置される「第三者委員」の職務には,苦情及び苦情解決の報告に対する助言や意見交換は含まれていない。 5 苦情を収集するためには,意見箱,アンケート調査,苦情受付担当者の配置など,情報収集のチャンネルの多角化が必要である。   選択肢を丁寧に読んで、素直に解いていく。積極法で正解を導く。 1は×ぽいが、自信がなければ△。2は都道府県だった気がするが知らなければ△。3も知らなければ△。4は第三者委員の職務に「苦情及び苦情解決の報告に対する助言や意見交換は含まれていない」はずがないので×。5は、素直に読んで、これが正解でしょうという内容である。〇ぽい。

【正解5】

問題125 人事管理に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 1 目標管理制度で部下が目標を設定する際は,チームや組織の目標とは無関係に,部下の個人的な目標を設定するのが原則である。 2 ダイバーシティ・マネジメントにおいては,人材の多様性は組織に様々な価値や利益をもたらすと考えられている。 3 成果主義による人事評価とは,職員の潜在能力に着目して,処遇や昇進などの評価に差をつけることをいう。 4 人事評価におけるハロー効果とは,評価が標準・普通に集中することをいう。 5 職務給とは,組織内の職位と年齢に応じて,職員の給与に格差を設ける給与をいう。   他科目で学習した知識も活用しよう。ダイバーシティとハロー効果を思い出せるだろうか。。 ⇒1は「チームや組織の目標とは無関係に」がおかしい。×ぽい。2の「ダイバーシティ」は多様性を意味する(日本でもよく使われるようになった)。説明部分もいい感じ。〇ぽい。3は「成果主義」と「職員の潜在能力に着目」が矛盾している(成果にこだわるのだから…)。×ぽい。4の「ハロー効果」は後光効果のことである(心理学のキーワード)。×である。5は「職務給」を「年齢に応じて」とする部分がおかしい。×である。

【正解2】

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