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19.保育の心理学(H31年-前期)3/4

問11 次の文は、排泄の習慣に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 1歳以上3歳未満児では、排泄の自立のための身体的機能も整うので、便器での排泄になれ、自分で排泄ができるようになることをめざす。 B 排泄は、身体の成熟や神経系の成熟などが関係するため、排泄機能が未成熟な状態で、トイレット・トレーニングをしても子どもの負担になる。 C 子どもは1歳を過ぎると、他者の模倣を盛んにするようになっていく。保育所のトイレット・トレーニングでは、子どもは他児をモデルとして排泄する姿もみられる。 D 排泄の習慣を形成する時期については、社会や文化、そして時代の影響を受ける。 (組み合わせ)   A B C D 1 ○  ○  ○  ○ 2 ○  ○  ○  × 3 ○  ×  ×  ○ 4 ×  ○  ○  × 5 ×  ×  ×  ○   分かりやすい選択肢、確実な選択肢からつぶしていこう。 まず、Dは一般常識的な知識から正しい選択肢であることが分ります。この時点で選択肢の2と4は除けます。 AとCは大まかな年齢が書かれていますが、Bは年齢について具体的に書かれていません。従って、機能が未成熟な時にトレーニングをする有効性や可否について問われていることになります。分かりやすく言うと、立つこともできない幼児に立った状態での排泄訓練は止めた方が良いということです。 BとDが〇なのは、1だけなので答えが出たことになります。成長過程を知らなくても解けたことになります。

【正解1】

問12  次の文は、言葉の発達に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 【Ⅰ群】 A 新生児は自然言語のどの音も知覚する感受性を備えている。 B 新生児は大人が話しかける言語の語、音節、音素の切れ目に同調してリズミカルに身体部位を動かす。 C 言葉が出現する以前からの大人との社会的相互作用が、言葉の獲得の重要な基礎となる。 D 大人が乳児に話しかける時、ゆっくり、はっきり、繰り返しする、などの特徴がある。 【Ⅱ群】 ア 言語発達の外在的要因 イ 言語発達の内在的要因 (組み合わせ)   A B C D 1 ア ア ア イ 2 ア ア イ ア 3 ア イ ア イ 4 イ ア イ ア 5 イ イ ア ア   判断がつきやすいものから進めていこう。 簡単に言うと、内か外かという問題です。 内でも外でも良いので確実性の高いもの。私なら、Aの内、Dの外、Cの外の順です。AとDは、本人か他者かという内か外かですが、Cは言葉以外のものという意味で外在的要因と考えられると思います。Bは内も外もある感じがしますが、答えは内になっています。 仮に、Bの判断が付かなくてもACDだけで答えは出ます。

【正解5】

問13  次の文は、保育士の役割についての記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 小学校で困らないように、正しい文字を書くことや簡単な筆算をすることなどを指導することが大切である。 B 3歳児では、個の成長よりも子ども相互の関係や、役割を分担したりする協同的な活動が、促されるよう配慮することが求められる。 C 少し難しいと感じても「自分にはきっとできる」という見通しがもてるように幼児の思いに寄り添って見守ることが重要である。 D 遊びのルールについて主張がぶつかり合ったとき、それぞれの考えや思い、アイディアを出し合うことは、「一緒に遊びたい」という気持ちを育てる上で必要なことである。 (組み合わせ)   A B C D 1 ○  ○  ○  × 2 ○  ○  ×  × 3 ○  ×  ○  × 4 ×  ○  ×  ○ 5 ×  ×  ○  ○   問12と同様に、確実性の高いものからつぶしていこう。 どの選択肢ももっともらしく感じられますが、Cが確実に〇に思えます。幼児に寄り添うのを否定する理由はありません。Dは主張がぶつかり合うという否定的な面もありますが、現実として子ども同士で主張はぶつかり合います。そして、それを良い方向に持って行こうとするのですから〇になります。 A筆算を教えるというのは、保育士の役割として中心的ではありません。余程子どもから教えてくれと求められない限りないでしょう。 Bは個の成長をないがしろにするような記述ですね。

【正解5】

問14  次の文は、巡回相談に関する記述である。下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 巡回相談は、外部機関の子どもの発達に関する専門家である相談員が保育所等を訪問し、保育を支援するための相談活動である。園を訪れた相談員が支援を必要とする子どもと取り巻く保育状況についてアセスメントを行い、そのあとに保育士とケースカンファレンスを行う形式が多い。 B 保育士と相談員と協働しての保育の振り返りは、支援を必要とする子どもの行動を深く理解することにつながる。さらに園全体で子ども理解を共有することによって、その子どもと保育士との関わりが意味あるものへと発展していく。 C 相談員は、保育士が直面している問題を把握し、具体的な支援につなげる手立てを保育士と共に考える。このように保育と発達という異なる領域の専門家同士が互いの立場を尊重しながら自由で対等な話し合いを通して保育上の問題解決にあたることは発達臨床カウンセリングと呼ばれる。 (組み合わせ)   A B C 1 ○  ○  ○ 2 ○  ○  × 3 ○  ×  ○ 4 ×  ○  × 5 ×  ×  ○   判断がつきやすいものから進めていこう。文章の正誤ではなく、下線部分の正誤という珍しい問題の形式です。 巡回相談や相談員について具体的に知っている人はAやCから、あまり知らない人はBから考えよう。B正しい。A正しい。 Cカウンセリングではなく、カンファレンスです。

【正解2】

問15  次の文は、妊娠期からの親の心理に関する記述である。適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 妊娠初期は、つわりなど心身両面で、適応していくことが必要となる時期であるため、自分自身に関心が向き、生活やキャリアへの不安が強まることが多い。 B 胎動を通して母性が目覚め、母親は胎児の心の状態やパーソナリティなどについて様々な想像をめぐらすことは、出産直後の赤ちゃんとの相互作用に影響を及ぼす。 C 乳幼児と接している時間が母親は長いことが多いので、育児に対する肯定的感情も否定的感情も同様に極めて高い。 D 妊娠そのものを喜ぶことができず、受け入れることができない母親は、生まれた後の子どもとの関係性や育児態度に深刻な影響をもたらす可能性が高い。 (組み合わせ)   A B C D 1 ○  ○  ○  × 2 ○  ○  ×  ○ 3 ○  ×  ○  × 4 ×  ○  ○  ○ 5 ×  ×  ×  ○   大体あってそうな選択肢です。 Aつわりが始まるのは、妊娠成立直後の妊娠5~6週頃。妊娠8~10週頃にピーク を迎え、12週頃から楽になり始めて 16週頃までには自然に症状がなくなることが多いそうです。正しい選択肢。 B胎児の時から赤ちゃんに関心がある妊婦が出産直後に赤ちゃんと良い関係になるのは十分想像できます。相互作用に影響を及ぼすというのは、さらにあり得そうなことです。 Dもその通りだと思います。 Cは、極めてという表現が間違いなのだと思います。

【正解2】

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