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19.保健医療サービスの知識等(R元年3月-第22回)1/4

問題26 高齢者に多い症状・疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。  1加齢黄斑変性では,進行すると視力が失われる恐れがある。 2高齢者のめまいは,内耳の障害のほか,血圧のコントロール不良,脳腫瘍などが原因となることがある。 3高齢者の難聴では,感音性難聴が多い。 4心房細動では,心内で形成された血栓による脳梗塞は発症しない。 5服用する薬剤数が多くても,副作用のリスクは増大しない。   落とせない問題である。 1は〇である。2は〇である。自信がなければ、文末の「~ことがある」を決め手にしてもよい。3は〇である。4は×である。心房細動により血栓が生じ、脳梗塞発症のリスクが高まる。5は×である。薬剤数が多くなるほど、副作用のリスクは増大する。これは常識的に判断できるであろう。 H28-問26・問27にすべての肢が出そろっている。

【正解1,2,3】

問題27 高齢者のてんかんについて,より適切なものはどれか。2つ選べ。  1初回発作後の再発率は,低い。 2発作の間は,誤嚥を予防するための対応をする。 3意識障害,しびれ,発汗,けいれんなど多様な症状を呈する。 4最も多い原因は,脳腫瘍である。 5治療は,放射線療法により行う。   落とせない問題である。間違えた人は、H25-問38を見て欲しい。 1は×である。再発率は高いので、内服によって防止することが多い。2は〇である。普通に考えても適切だと判断できよう。3は〇である。4は悩んだ人もいるかもしれないが、正しくは脳腫瘍ではなく、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害である。5は×である。薬物療法で対処する。

【正解2,3】

問題28 認知症について適切なものはどれか。2つ選べ。 1中核症状には,記憶障害,見当識障害などがある。 2 BPSD(認知症の行動.心理症状)の悪化要因として最も多いのは.家族の不適切な対応である。 3認知症患者の精神科病院への措置入院は,精神保健指定医ではない主治の医師による診断のみでも,緊急時においては可能である。 4若年性認知症患者が入院による精神医療を必要とする場合には,自立支援医療の対象となる。 5認知症初期集中支援チームは,認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を複数の専門職が訪問し,アセスメント,家族支援などの初期の支援を包括的,集中的に行う。   少し細かい知識を試す選択肢がある。  1は〇である。2は×である。BPSDの悪化要因としては、①薬剤、②身体合併症、③家族・介護環境の順に多いというデータがある。3は×である。措置入院には必ず精神保健指定医の診察が必要である。4は「入院による」が×である。自立支援医療の対象となるのは「通院による精神医療を必要とする場合」である。5は〇である。 1は基本的知識であり、〇とわかって欲しいところである。また5も内容的には〇と判断しやすく、H27-問43でも出題されている。本問は積極法で解いた方が正解を導きやすかったと思われる。2はH25-問41で出題されている。3は少し古くなるがH23-問44で出題されている。4は、関連する肢がH28-問43で出題されているが、そこでは「若年性認知症は、自立支援医療の対象となる。」という選択肢を適切なものとして選ばせる問題であった。ここでは、さらに踏み込んだ知識を聞くものとなっている。ただ、平24-問42で本問と同じ形で聞かれている。自立支援医療(精神通院医療)制度は、精神疾患により通院による継続した治療を受ける場合の医療費の軽減を図るためのものであり、対象となる病名には若年性認知症をはじめとする認知症が含まれる。

【正解1,5】

問題29 皮膚疾患について,より適切なものはどれか。2つ選べ。 1 薬疹は,長期間服用している薬剤により生じることはない。 2 寝たきりで関節拘縮のある場合には,特定の部位に圧力が集中して褥瘡が生じやすいので,体圧分散寝具を使用するのがよい。 3 皮脂欠乏症では,患部を清潔に保つことが悪化予防になることから,ナイロンタオルを使ってよく洗う。 4 白癖は家族内で感染することはまれであるため,爪切りやスリッパなどは共用しても差し支えない。 5 脂漏性湿疹では,患部を清潔に保つほか,抗真菌薬などを使用する。   消去法で答えを導ける。 1は×である。内容と文末の「~ことはない」という記述から×と判断しやすい。2はよさそうな内容である。3は「皮脂欠乏症」なのに「ナイロンタオル」を使うのはおかしいと感じるはずである。もちろん×である。4であるが、白癬はいわゆる水虫のことである。前半の記述もおかしいが、後半の「爪切りやスリッパを共用しても差し支えない」という部分もおかしい。×である。5は〇である。 1,3,4の×は判断しやすいであろう。5は単独で考えると少し迷う部分もあるが、まったく同じ肢がH28-問31で出題されている。

【正解2,5】

問題30 次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。 1 喫煙は,脂質異常症,高血圧症とともに虚血性心疾患のリスクファクターである。 2 健康日本21(第二次)では,健康寿命の延伸だけでなく,健康格差の縮小も目標に掲げている。 3 老年期うつ病では,対人関係で攻撃性が増すため,自死を図ることは稀である。 4 老年発症型のアルコール依存症では,家族歴や遺伝的要因を有することが多い。 5 老年期のアルコール依存症では,離脱症状が遷延しやすい。   おかしな選択肢を探すという感覚で解く。 1は〇ぽい内容である。2は知らないと自信を持って判断できないが、結論部分そのものはよさそうな内容である。3は「自死を図ることは稀である」の部分が×である。4は「老年発症型の」という記述と「家族歴や遺伝的要因」とが噛み合わない。×ぽい。5は単独だと判断しづらい。消去法で1,2,5を選ぶのがよいだろう。 2は過去10年分の過去問での出題はない。3はR1-問35、H26-問27で出題されている。4と5は過去10年以内での出題はない。5の「遷延」は、「せんえん」と読み、長引くという意味である。

【正解1,2,5】

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