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18.相談援助の理論と方法(R2年-第33回)3/3

問題113 グループワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 コイル(Coyle,G.)は,ミシガン学派に所属し,個人を望ましい方向に向けて治療する治療モデルを提唱した。 2 コノプカ(Konopka,G.)は,グループワークの14の原則を示し,治療教育的グループワークの発展に貢献した。 3 ヴインター(Vinter,R.)は,ソーシャルワーカーの役割を,メンバーとグループの媒介者とし,相互作用モデルを提唱した。 4 トレッカー(Trecker,H.)は,セツルメントやYWCAの実践を基盤とし,グループワークの母と呼ばれた。 5 シュワルツ(Schwartz,W.)は,アメリカ•グループワーカー協会で採択された「グループワーカーの機能に関する定義」(1949年)を起草した。   知らないと解けない問題の典型である。コノプカについて覚えていた人は、積極法で選べばよい。コイルとシュワルツについて知識があれば、交差法で解くことが可能な問題である。 コイル‐グループワークの母、シュワルツ‐相互作用モデル、コノプカ‐グループワークの14の原則あたりは、当ブログで勉強した人なら知っていただろう。   1は、×である。説明部分は肢3のヴインター(Robert Vinter)に関するものである。 2は、〇である。グループワークの14の原則を示したのはコノプカ(Gisela Konopka)である。 3は、×である。相互作用モデルを提唱したのは肢5のシュワルツ(William Schwartz )である。 4は、×である。グループワークの母と呼ばれるのは、肢1のコイル(Grace Coyle)である。 5は、×である。説明部分は、トレッカー(Harleight Trecker)のものである。

【正解2】

  問題114 次のうち,複数のスーパーバイジーがスーパーバイザーの同席なしに行うスーパービジョンの形態として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 ピア・スーパービジョン 2 グループ・スーパービジョン 3 ライブ・スーパービジョン 4 個人スーパービジョン 5 セルフ・スーパービジョン   「最も適切なもの」という条件に注意が必要である。少し後味の悪い問題である。 迷うとしたら肢1か肢5かであろう。   1は、〇である。ピア・スーパービジョンは、上下関係の生じない仲間や同僚間で行われるスーパービジョンである。ここでは、スーパーバイザーとなる者はいないのが特徴である。 2は、×である。グループ・スーパービジョンは、通常、一人のスーパーバイザーに対し、スーパーバイジーが複数いるグループ形式のスーパービジョンである。 3は、×である。ライブ・スーパービジョンは、面接や指導等の実践場面(ライブ形式)で行われる形式のスーパービジョンである。 4は、×である。個人スーパービジョンは、スーパーバイザーとスーパーバイジーの1対1で実施されるスーパービジョンである(基本型ともいえる)。 5は、×である。セルフ・スーパービジョンとは、ワーカーが自分自身で行なうスーパービジョンである。ここでは自分自身がスーパーバイザーとなる。

【正解1】

  問題115 ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち,逐語体の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 クライエントの基本的属性に関する事項を整理して記述する。 2 経過記録などに用いられ,ソーシャルワーク過程の事実経過を簡潔に記述する。 3 出来事の主題に関連して重要度の髙いものを整理し,要点をまとめて記述する。 4 出来事に対するソーシャルワーカーの解釈や見解を記述する。 5 ソーシャルワーカーとクライエントの会話における発言をありのままに再現して記述する。   逐語体が何かわからないと判断しづらい問題である。  
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス 逐語(ちくご)とは、原文の一語一語に忠実に合わせて行くことを意味する。「逐」には、順々に、順を追ってという意味がある。 このように逐一(ちくいち)説明と覚えるとよい。

【正解5】

  問題116 次の記述のうち,個人情報の保護に関する法律の内容として,正しいものを1つ選びなさい。 1 個人情報取扱事業者には,国・地方公共団体が含まれる。 2 個人情報の取扱いが5,000人以下の事業者は,法律の適用対象外である。 3 個人情報には,個人の身体的な特徴に関する情報が含まれる。 4 認定個人情報保護団体とは,市町村の認定を受けた民間団体である。 5 要配慮個人情報とは,本人が配慮を申し立てた個人情報のことである。   個人情報の保護に関する法律をきちんと読んだことがなかったとしても、積極法で解答できる。   1は、×である。国・地方公共団体を「事業者」という言葉でくくるのには抵抗があるし、国等については別の法律があると考えたほうがよい。 2は、×である。5,000人というとかなり規模である。個人情報を慎重に扱うことは大切なことであり、その程度の規模なら適用されると考えた方がよい。 3は、〇である。「個人の身体的な特徴」も特定の個人を識別できる情報と考えられるからである。 4は、判断に迷う。△にして次に進む。※ワン ステップUP‼参照。 5も、判断に迷うところがあるが、配慮を要する個人情報とは、本人の申し立ていかん似かかわらず保護が必要なものと解釈したほうがよさそうであると感じる。結果、5は、×である。

【正解3】

 
ソーシャルワンカーと一緒にワン ステップUP‼ 個人情報保護法では、事業者の自発的な取組を促進させ、法の趣旨を踏まえた個人情報の保護を推進する目的で、「認定個人情報保護団体」の制度を設けている。 認定団体は、「個人情報保護指針」を定めることとされており、対象事業者に保護指針を遵守させるための措置をとることが義務付けられている(法第53条第4項)。
  問題117 事例を読んで,P巿社会福祉協議会のKソーシャルワーカー(社会福祉士)によるソーシャルアクションの実践として,適切なものを2つ選びなさい。 〔事例〕 Kソーシャルワーカーは,以前から面識のあったLさん(32歳 )から相談を受けた。Lさんの同性のパートナーであるMさん(35歳 )が,残業が続くつらい日々の中 ,職場で倒れて病院に救急搬送され,緊急手術を受けた。Lさんは,すぐに病院に駆けつけ面会しようとしたが,病院からは,「家族ではないため面会はできない」と伝えられた。「自分たちの関係が社会的に認められず,何かあったときに助け合うこともできない」とLさんは涙ながらに訴えた。Kソーシャルワーカーは上司と相談し,LGBTへの偏見や差別を解消し,地域住民の理解を深めるために,支援を行うことにした。 1 地域住民の反発を避け,円滑に医療を受けることを優先し,まずは病院の規則のとおりにするようアドバイスをする。 2  LGBTを支援する団体と連携し,同じような経験をした人の意見交換の場をつくる。 3 病院内の退院支援に向けたカンファレンスに参加し,Mさんの今後の地域生活で必要な医療的ケアについて検討する。 4 Mさんの職場に対し,長時間労働が常態化する職場環境の改善を求めて交渉する。 5 他市の「同性パートナーシップ証明」発行の取組について,地域住民を対象とした学習会を開催する。   問題をよく読まないと見当違いのものを選んでしまう可能性がある。事例の概要を把握した上で、「ソーシャルアクションの実践」として,適切なものを「2つ」探す。 Kが「LGBTへの偏見や差別を解消し,地域住民の理解を深めるために,支援を行うことにした」との部分に注意する。   1は、×である。実際的なアドバイスかもしれないが、ソーシャルアクションではない。 2は、〇である。 3は、×である。Lさんに対する支援の一つかもしれないが、ソーシャルアクションではない。 4は、×である。支援行為としては、ソーシャルアクションとはいえるが、「「LGBTへの偏見や差別を解消し,地域住民の理解を深める」ためのものとはいえない。 5は、〇である。

【正解2,5】

  問題118 事例を読んで,Q市社会福祉協議会のAソーシャルワーカー(社会福祉士) の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事例〕 Q市社会福祉協議会で民生委員協議会の支援に従事するAソーシャルワーカーは,市内の地区民生委員協議会のB会長から相談を受けた。最近,民生委員協議会の定例会で,個別のケースで対応に困る事例が増えていることや,市からの地域活動への協力依頼が多く負担が重いという意見が出てきており,会長としてどのように対応すればよいか悩んでいるとのことだった。 1 困難な問題を抱える家庭の個別対応については,住民懇談会で広く協議することを提案する。 2 どうすれば負担が軽減できるか,上部団体であるQ市社会福祉協議会へ解決を委任する。 3 地域活動に対する民生委員協議会の関わり方については,自治会・町内会で計画を立てることを促す。 4 市の担当職員を定例会に呼び,市からの協力依頼についてどうすれば負担が軽減できるか協議する。 5 負担感を訴える民生委員の代わりに,新たに民生委員になれる人を探す。   「最も適切なもの」を選ぶ問題では、あたりをつけながらすべての選択肢に目を通すことが必要である。 迷うとしたら肢1か肢4かであろう。   1は、一つの方法だとも考えられるが、Bの悩みごととして「市からの地域活動への協力依頼が多く負担が重いという意見が出てきて」いるとあり、住民懇親会だけでは自信をもって〇とまでは言い切れない。他により適切なものがある可能性があるので、△にして次に進む。 2は、×である。A自身もっとできることがあるし、問題解決を委任するというのも適切ではない。 3は、×である。計画を立てて解決できるような問題とは思われないし、A自身できることはもっとある。 4は、どうか。Bの悩みごととして「市からの地域活動への協力依頼が多く負担が重いという意見が出てきて」いるとあるので、市の担当職員を定例会に呼んで、市からの協力依頼についてどうすれば負担が軽減できるかを一緒に協議することは、Q市社協の職員であるAの対応として適切と考えられる。 5は、×である。これでは問題に応えたことにはならない。

【正解4】

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