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16.貧困に対する支援(R7年2月-第37回)

問題 97 生活保護の種類と内容に関する水の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 小学生の学校給食費は、生活扶助で行われる。
2 要介護認定を受けた80歳の被保護者の住宅改修費のうち介護給付にかかる自己負担分は、介護扶助で行われる。
3 通院のための交通費(移送費)は、生活扶助で行われる。
4 高等学校の教材代や通学のための交通費は、教育扶助で行われる。
5 就職が確定した40歳の被保護者が、就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は、生活扶助で行われる。

1は×である。
給食費、学用品費、通学のための交通費は、教育扶助で行われる。
2は〇である。
介護給付のうち保険分以外の自己負担分は、介護扶助で行われる。
3は×である。
通院のための交通費(移送費)は、医療扶助で行われる
4は×である。
教育扶助の対象は、義務教育に必要な費用である(肢2参照)。高等学校の教材代や通学のための交通費は、生業扶助の高等学校等就学費で行われる。㉟問65肢1参照。
5は×である。
就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は、生業扶助で行われる。㊱問64肢1参照。

正解2

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
8種類の扶助を思い浮かべながら、各々の扶助がどこまでをカバーしているのかを考えながら、解くのが良いだろう。1と3については、知らないと迷うかもしれない。2は介助扶助が想定する本来の場面なので、積極法で2を選びたいところである。

問題 98 事例を読んで、Aさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
ホームレスの男性Aさん(55歳)は8年前にギャンブルが原因で多額の借金をつくり、会社を辞めて、その後就労しないままホームレスとして生活していた。婚姻歴はあるが30歳の時に離婚して子どもは妻が引き取りその後音宿はない。最近、体調も悪くなったため生活保護を申請したいと考え福祉事務所に来所した。長年のホームレス生活のため、収入、資産に関する書類は所有していない。

1 居住地がないため居住地を定めてから保護申請するように説明する。
2 稼働年齢層なので就労先を決めてから保護申請するように説明する。
3 ギャンブルによる多額の借金がある場合には保護申請はできないと説明する。
4 収入、資産に関する書類がなくても保護申請は可能だとして、申請手続きについて説明する。
5 保護申請に先立って、子どもへの扶養調査が必要だと説明する。

1は×である。
もし、このような理由で保護を受けられないとしたら、不都合な結果が生じる可能性があること(例えば、保護を受けられなかった人が体調を崩したりするなど)は容易に想像できる。「居住地がないか、又は明らかでない要保護者であって、その管理に属する福祉事務所の所管区域内に現在地を有するもの」は、現在地を管轄する福祉事務所が保護の実施機関となる(生保法19条1項2号)。
2は×である。
就職先を決めることは、保護の申請用件ではない。本肢のとおりであれば、肢1と同様に不都合な結果が生じることは明らかである。
3は×である。
ギャンブルによる多額の借金があっても、保護の申請はできる。なお、保護費から借金の返済をすることは認められない。保護費は最低限度の生活を維持するために支給されるものだからである。
4は〇である。
5は×である。
子どもの不要調査は必要であるが(保護の補足性の原理)、それは申請が行われた後に実施すれば足りる。

正解4

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
確実に正解したい問題である。

問題 99 生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 生活困窮者自立支援法の改正(2018年)により、任意事業に健康管理支援事業が追加された。
2 住居確保給付金の支給審査や支給決定及び支給の業務は、福祉事務所設置自治体が行う。
3 生活困窮者自立支援法では、相談支援とともに飲食物費や光熱水費について金銭給付を行うことを通じて自立を図ることを目的としている。
4 一時生活支援事業は、低所得世帯であって世帯内の高齢者や子どものケアを行っている家族が一時的に休息をとれるようにサポートする事業である。
5 生活困窮者自立支援法は、日本の永住者資格を有する外国籍の人を対象外としている。

1は×である。
2019年の生活困窮者自立支援法の改正では、生活困窮者等の一層の自立の促進を図るため、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化、生活保護世帯の子どもの大学等への進学支援、児童扶養手当の支払回数の見直し等の措置を講ずるほか、医療扶助における後発医薬品の原則化等の措置が講じられた。しかし、任意事業に健康管理支援事業が追加された、といったことはない。ちなみに、生活保護法には、2018年の改正で、健康管理支援事業が追加された(2021年1月から実施)。
2は〇である。
知らなかった場合であるが、次のように考えてみると良いのではないだろうか。福祉事務所設置自治体≒市である。選択肢の業務を都道府県が実施することは考えにくく、実施するのであれば市と推論できる。また、選択肢の業務を実施する特別な機関についても聞いたことがない。よって、本肢は正しいと推測する。
3は×である。
生活困窮自立支援法には、飲食物費や光熱水費について金銭給付を行うことを通じて自立を図るという目的はない。
4は×である。
生活困窮者一時生活支援事業は、一定の住居を持たない生活困窮者(住居をもたない人やネットカフェ宿泊を続けているなど、不安定な住居形態にある人)に対し、一定期間、衣食住の提供を行うものであり、家族のレスパイトを行うものではない。事業の名称から、誤りと推測した人も多かったのではないか。㉟問67、㉞問97、㉚問63参照。
5は×である。
日本の永住者資格を有する外国籍の人も対象となる。永住資格を有する外国人にも生活保護を適用できることから考えて、本肢は常識的に誤りと推測できる。

正解2

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
個別の知識がなくても、4と5が誤りであることは、判断できたであろう。残る選択肢のうち、1と3は知らないと判断に迷うと思われる。2を吟味すると、十分にありうる内容であることには気づける。

問題 100 次のうち、生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれるものとして、正しいものを2つ選びなさい。
1 生活支援費
2 緊急小口資金
3 教育支援費
4 就学支度費
5 一時生活再建費

1は〇である。
生活支援費は、総合支援資金の一つである。
2は×である。
緊急小口資金は、福祉資金の一つである。
3は×である。
教育支援費は、教育支援資金の一つである。
4は×である。
就学支度費は、教育支援資金の一つである。
5は〇である。
一時生活再建費は、総合支援資金の一つである。

正解1、5

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
生活福祉資金貸付制度に関する問題は、㊱問67、㉟問68、㉞問69で出題されているが、その内訳を聞く点でやや細かい問題である。
ただ、選択肢を分類することにより、正解に近づくことは可能である。3と4が教育に関する支出であることにはきづけるはずである。
また、2の緊急小口資金が福祉資金であることは、過去問で勉強していた人は気づけたであろう。すると、3-4、1-5、2の3つに分かれることに気づく。
答えは2択で、かつ「総合支援資金」に含まれるものを選ぶ必要があることから、1-5の組み合わせを選ぶ。

問題 101 事例を読んで、生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員による支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(25歳)は、両親と3人で暮らしている。高校卒業後、工場に就職したが 職場での人間関係がうまくいかず3か月で離職した。その後も短期間での転職を繰り返し、ここ2年ほどは無職である。仕事上の失敗が続いたことから就労への意欲が低下して、引きこもり状態である。そこで、Aさんの状況を見かねた両親は、本人とともに社会福祉協議会に設けられている生活困窮者自立相談支援機関の窓口に行って相談した。Aさんもこのままではいけない、どうにか1歩前に進みたいと意欲を示し、両親からもAさんを支えていきたいとの気持ちが示された。

1 生活保護を受給する可能性を探るため、資力調査を行う。
2 生活保護の受給に先立って、自立支援プログラムを策定し、参加を勧める。
3 Aさんの課題を把握し、自立相談支援機関による支援を継続するか。他機関につなげるかを判断する。
4 ハローワークで求職活動を行うよう、生活困窮者自立支援法に基づく指導・指示を行う。
5 自立生活のためのプラン案を策定するため、支援会議の開催を依頼する。

1は×である。
Aは、親の援助を受けている可能性が高いと思われるが、事例を読む限り、現時点で最低限度の生活を送れてはいると考えられる。
2は×である。
自立支援プログラムは、生活保護の受給していることが前提となる。まだAは生活保護を受けていない。
3は〇である。
自立相談支援機関の役割は、生活困窮者及びその家族その他の関係者からの相談に応じ、アセスメントを行い、本の状況に応じた自立支援計画を策定し、必要な支援の提供につなげることにある。
4は×である。
Aは引きこもりの状態から、どうにか一歩前に進みたいとの意欲を示している段階にあるので、いきなりハローワークで求職活動を行うように指導・指示をするのは不適切である。
5は×である。
支援会議は、今後の展開によっては、十分に考えられる支援の一つである。しかし、事例の段階で優先すべきは、5よりも3である。

正解3

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
自立相談支援については、㊱問68、㉟問69で出題されている。
事例を読んで分析しつつ、選択肢を検討すると、1と4が誤りであることにはすぐに気づける。残る選択肢のうち、2の自立支援プログラムが生活保護受給者のためのものであることに気づけば、2が不適切だとわかる。
自立支援プログラムについては、㉞問146、㉜問66などで出題されている。選択肢が3と5まで絞れたら、3>5であることは気づきやすい。

問題 102 事例を読んで、退院を控えたAさんに対する福祉事務所の現業員(社会福 祉士)の説明に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(26歳)は、両親を早くに亡くし、児童養護施設に入所した。退所後は就職した会社の寮に入っていたが病気のため退職し、入院治療となった。収入は途絶え預貯金もなくなったため、生活保護を受けて療養していたところ、医師はそろそろ退院でき、後遺症も残らないという。Aさんは、退院後は地域で生活したいが、仕事や住まいに不安が大きいため、病院のソーシャルワーカーに相談したところ。現業員を交えて3人で話し合いをすることになった。

1 「退院したら治療が必要なくなるので、医療扶助は廃止になります」
2 「アパートを借りる場合には、敷金や礼金が住宅扶助から支給されます」
3 「地域での生活が落ち着いてからハローワークに行ってはどうですか」
4 「退院後、救護施設に入るよう手続きをしておきます」
5 「退院後、しばらくは児童養護施設で生活できるように施設長にお願いしておきます」

1は×である。
退院しても治療の必要がなくなるとは限らない。また、退院と同時に医療扶助が廃止されるという結論もおかしい。
2は〇である。
本問は住宅扶助が家賃の他に、どこまでをカバーするのかを聞いている。家を借りるとなれば、敷金、礼金がかかるのが一般的である。このことから考えると住宅扶助は、敷金や礼金もカバーすると考えるのが素直である。㊱問65、㉜問65も参照。
3は〇である。
Aは、退院後は地域で生活したいが、仕事や住まいに大きな不安を感じている。このことから、地域での生活が落ち着いたら、ハローワークに行くよう勧めることは適切な説明といえる。
4は×である。
Aは、退院後は地域で生活をしたいと思っており、この意思は尊重されるべきである。救護施設は、身体や精神に障害があり、日常生活を困難な人たちが健康に安心して生活するための保護施設である。Aには後遺症もないので、救護施設への入所手続を進めるのは適切とはいえない。㊱問43、㉟問69、㉞問66参照。
5は×である。
児童養護施設への入所が認められるのは、原則18歳までであり、2024年の児童福祉法の改正後も最長で22歳までである。Aは26歳であり、本肢のアドバイスは不適切である。

正解2,3

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
1,4、5が誤りであることは、判断しやすい。残る2と3が、内容的に明らかにに間違っていないこともわかるであろう。確実に正解したい問題である。

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