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16.認知症の理解(R元年-第32回)2/2

問題 82 抗認知症薬に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 1 若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type with earlyonset)には効果がない。 2 高度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)には効果がない。 3 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)には効果がない。 4 症状の進行を完全に止めることはできない。 5 複数の抗認知症薬の併用は認められていない。   最も無難な選択肢を選ぶ。 現在のところ、薬剤効果としては認知症の進行を遅くすることしかできないと言われています。

【正解4】

問題 83 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の症状のある人への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 周回がある場合は,GPS追跡機で居場所を確認する。 2 甘い食べ物へのこだわりに対しては,甘い物を制限する。 3 常同行動がある場合は,本人と周囲の人が納得できる生活習慣を確立する。 4 脱抑制がある場合は,抗認知症薬の服薬介護をする。 5 施設内で職員に暴力をふるったときは,警察に連絡する。   前頭側頭型認知症の利用者への対応という内容になっていますが、適切なものと不適切なものを分けるのは、自己決定を尊重する対応か本人の行動を制限する対応かという問題です。

【正解3】

問題 84 Cさん(78 歳,男性,要介護 2 )は, 4 年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断を受け,通所介護(デイサービス)を週1 回利用している。以前からパソコンで日記をつけていたが,最近はパソコンの操作に迷い,イライラして怒りっぽくなったと娘から相談を受けた。 介護福祉職が娘に対して最初に行う助言の内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 パソコンの処分 2 パソコンの使い方の手助け 3 日記帳の購入 4 薬物治療について主治医に相談 5 施設入所について介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談   安易な薬物治療、施設入所、本人の意思に反する動産の処分などが間違いであることは直ぐに分かります。 3でもないような気がします。 ただ、2もこれだ!という感じもしません・・・

【正解2】

問題 85 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)のDさんは,大腿骨の頸部を骨折(fracture)して入院することになった。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の介護福祉職が果たす役割として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 理学療法士に,リハビリテーションの指示をしても理解できないと伝える。 2 介護支援専門員(ケアマネジャー)に,地域ケア会議の開催を依頼する。 3 医師に,夜間は騒ぐ可能性があるので睡眠薬の処方を依頼する。 4 看護師に,日常生活の状況を伝える。 5 保佐人に,治療方法の決定を依頼する。   最も無難な選択肢を選びましょう。 ポイントは、最も適切なものを選ぶという点です。 1:判断能力の状態やコミュニケーションの取り方などを理学療法士に伝えることは、介護福祉職の役割と言えますが「リハビリテーションの指示を出しても理解できない」というのは、いかがなものでしょうか。認知症の方にも理解可能な指示の出し方は、いろいろありますよね。 2:地域ケア会議を開催するのは、介護支援専門員ではありません。 3:薬の処方を決めるのは、医師です。 5:治療方針は、医師と患者の合意で決めるのが基本です。この過程で実施されるのが、「インフォームドコンセント」です。
ソーシャルワンカーと一緒にワン ステップUP‼ インフォームド・コンセント(医療法第一条の四第二項) 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提 供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。

【正解4】

問題 86 Eさん(75 歳,男性)は, 1 年ほど前に趣味であった車の運転をやめてから,やる気が起こらなくなり自宅に閉じこもりがちになった。そのため,家族の勧めで介護予防教室に参加するようになった。最近,Eさんは怒りっぽく,また,直前の出来事を覚えていないことが増え,心配した家族が介護福祉職に相談した。 相談を受けた介護福祉職の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。 1 「認知症(dementia)でしょう」 2 「趣味の車の運転を再開するといいでしょう」 3 「老人クラブに参加するといいでしょう」 4 「音楽を流して気分転換するといいでしょう」 5 「かかりつけ医に診てもらうといいでしょう」   正解があるような無いような。自信の持てない問題ですね。 結局、消去法で答えを出すしかありません。 1:非審判的な態度の原則を思い出しましょう。加えて、こんなことを言われても家族はどうして良いか分からない・・・ 2:介護の原則に反するというよりも、社会的に適切ではないという別なカテゴリーの選択肢です。 3:既に介護予防教室に通っています。所謂、老人クラブと似たような位置づけのところに参加しているが、問題は改善していないので最も適切な選択肢ではないということでしょうか。しかし、実際には通っている人により状況は変わることがありますね・・・ 4:音楽が好きであるというような記述もないので、最も適切な選択肢ではないということでしょうか。 5が最も適切な記述となっています。

【正解5】

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