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15.社会福祉(H31年-前期)3/4

問11 次の文は、福祉サービスを必要とする地域住民に対するアセスメントに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A アセスメントは、利用者のニーズの全体像をまとめることが目的であり、利用者が利用できる社会資源の評価は行わない。 B アセスメントにおいて、利用者の身体的状況、精神的状況の把握を行う必要がある。 C アセスメントにおいて、家族関係の把握を行う必要がある。 D アセスメントにおいて、必要不可欠な情報収集のみを行うため、近所付き合いのない利用者については、近隣住民同士の人間関係の把握は行わない。 (組み合わせ)   A B C D 1 ○  ○  ○  × 2 ○  ○  ×  ○ 3 ○  ×  ○  × 4 ×  ○  ○  × 5 ×  ×  ×  ○   PDCAサイクルという用語がありますが、アセスメントはプランを立てる前に行います。 A アセスメントにおいては、社会資源の評価も行います。 BとCは、住民を知るにあたり重要な事項ですので、正しいと考えた人が多いと思います。実際に正しいです。 Dについては、実際の現場では難しい判断を要する場合が多いと言えます。特に個人情報保護の観点から、必要以上のプライバシーに触れることに注意します。また、近隣住民と話す際には、利用者の個人情報を聞かれることも多くあり、そちらの情報だけ下さい、というわけにはいかないことが多いのです。 ただ、試験問題として考える場合は、近隣住民との人間関係の把握は行った方が良いことになります。

【正解4】

問12  次の文は、ケースの発見に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 個々の民生委員・児童委員の役割は、ケースの発見に関して、市町村全域を対象に戸別訪問を行うことである。 B 潜在的なニーズが多くある場合、相談援助者はケースの発見に積極的にならなければならない。 C 専門職同士が連携し、地域の中でネットワークを構築することは、ケースの発見に結びつく。 D ボランティア団体が運営する居場所づくりの拠点において、そこに参加する地域住民の見守りをすることは、ケースの発見に結びつく。 (組み合わせ)   A B C D 1 ○  ○  ○  ○ 2 ○  ○  ×  × 3 ○  ×  ×  ○ 4 ×  ○  ○  ○ 5 ×  ×  ○  ×    感覚的に分かる選択肢が多い問題です。 A 民生委員・児童委員は、市町村全域ではなく、その市町村において担当地域が区分けされている。 残りの選択肢は、すべて正しい。

【正解4】

問13 次の文は、ストレングスに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 利用者のストレングスを把握することができれば、利用者の抱えている問題状況を把握しないで支援計画を立案することができる。 B 利用者の生活経験やそれによって得た知識は、その人の身に着けた能力の一部であり、ストレングスとして評価する。 C 利用者の ADL(日常生活動作)の自立度や認知的能力は、ストレングスとして評価する。 D 利用者の近隣住民同士の助け合いは、ストレングスとして評価する。 (組み合わせ) A B C D 1 ○  ○  ○  × 2 ○  ○  ×  ○ 3 ○  ×  ×  ○ 4 ×  ○  ○  ○ 5 ×  ×  ○  ×   ストレングスとは?学者や著者によって微妙に定義が違ったりします。また、場面によってもニュアンスが違ってきます。 使い方がしっくりこない部分も残しつつ、B、C、Dは正しい選択肢です。 Aについては、ストレングスの問題というよりは、常識の問題です。問題状況を把握しないで支援計画が立てられるはずがありません。

【正解4】

問14  次の文は、福祉サービスの評価に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 乳児院は、5か年度毎に1回、第三者評価を受審しなければならない。 B 母子生活支援施設は、毎年度、自己評価を行わなければならない。 C 児童心理治療施設は、3か年度毎に1回、第三者評価を受審しなければならない。 D 児童自立支援施設は、3か年度毎に1回、自己評価を行わなければならない。 (組み合わせ)   A B C D 1 ○  ○  ○  × 2 ○  ○  ×  ○ 3 ○  ×  ×  ○ 4 ×  ○  ○  × 5 ×  ×  ×  ○   業務の質の評価等の問題です。 まず、基準の確認。 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第二十四条の三 乳児院は、自らその行う法第三十七条に規定する業務の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない。 第二十九条の三 母子生活支援施設は、自らその行う法第三十八条に規定する業務の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない。 第七十六条の二 児童心理治療施設は、自らその行う法第四十三条の五に規定する業務の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない。 第八十四条の三 児童自立支援施設は、自らその行う法第四十四条に規定する業務の質の評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受けて、それらの結果を公表し、常にその改善を図らなければならない。 上記基準に加えて、厚生労働省通知があります。 それには、乳児院、児童養護施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設、母子生活支援施設は3か年度に1回以上第三者評価を受審し、その結果を公表しなければならない、と書かれています。 自己評価は毎年度行います。

【正解4】

問15  次の文は、子どもの意見の尊重に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。 A 「児童福祉法」第2条に、子どもの意見の尊重に関して規定されている。 B 「子ども・子育て支援法」第2条に、子どもの意見の尊重に関して規定されている。 C 「子ども・若者育成支援推進法」第2条に、子どもの意見の尊重に関して規定されている。 D 「次世代育成支援対策推進法」第2条に、子どもの意見の尊重に関して規定されている。 (組み合わせ) A B C D 1 ○  ○  ○  × 2 ○  ○  ×  ○ 3 ○  ×  ○  × 4 ×  ○  ×  ○ 5 ×  ×  ○  ○   各々の法律の第1条、第2条には、その法律の理念などが書かれています。 児童福祉法、子ども・子育て支援法、子ども・若者育成支援推進法、次世代育成支援対策推進法などの試験と関連の深い法律については、理念や概要が規定されている箇所(所謂、総則)ぐらいまではチェックしておきましょう。 マーカーが答えです。その他、気になるところは赤文字です。 児童福祉法 第二条 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。  ○2 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。 ○3 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。 子ども・子育て支援法 第二条 子ども・子育て支援は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われなければならない。 2 子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、全ての子どもが健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものであり、かつ、子どもの保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮されたものでなければならない。 3 子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援は、地域の実情に応じて、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。 子ども・若者育成支援推進法 第二条 子ども・若者育成支援は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。 一 一人一人の子ども・若者が、健やかに成長し、社会とのかかわりを自覚しつつ、自立した個人としての自己を確立し、他者とともに次代の社会を担うことができるようになることを目指すこと。 二 子ども・若者について、個人としての尊厳が重んぜられ、不当な差別的取扱いを受けることがないようにするとともに、その意見を十分に尊重しつつ、その最善の利益を考慮すること。 三 子ども・若者が成長する過程においては、様々な社会的要因が影響を及ぼすものであるとともに、とりわけ良好な家庭的環境で生活することが重要であることを旨とすること。  四 子ども・若者育成支援において、家庭、学校、職域、地域その他の社会のあらゆる分野におけるすべての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力しながら一体的に取り組むこと。 五 子ども・若者の発達段階、生活環境、特性その他の状況に応じてその健やかな成長が図られるよう、良好な社会環境(教育、医療及び雇用に係る環境を含む。以下同じ。)の整備その他必要な配慮を行うこと。 六 教育、福祉、保健、医療、矯正、更生保護、雇用その他の各関連分野における知見を総合して行うこと。 七 修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者その他の子ども・若者であって、社会生活を円滑に営む上での困難を有するものに対しては、その困難の内容及び程度に応じ、当該子ども・若者の意思を十分に尊重しつつ、必要な支援を行うこと。 次世代育成支援対策推進法 第二条 この法律において「次世代育成支援対策」とは、次代の社会を担う子どもを育成し、又は育成しようとする家庭に対する支援その他の次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備のための国若しくは地方公共団体が講ずる施策又は事業主が行う雇用環境の整備その他の取組をいう。
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス 児童福祉法の第1条に「児童の権利に関する条約の精神にのつとり」とあるのは、基本的な事項であり、重要な部分です。その上で、児童の権利に関する条約では、児童の思想、意見や行動の自由(所謂、能動的な権利)を認めたことを再確認しましょう。

【正解3】

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