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14.高齢者福祉(R7年2月-第37回)

問題 85 「令和6年版 高齢社会白書」(内閣府)に示された日本の高齢者を取り巻く社会情勢に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 65歳以上人口増大により、死亡数は 2006年(平成18年)から2022年(和4年)まで増加傾向にあるが、2030年(令和12年)以降は減少に転じると見込まれている。
2 65歳以上人口に占める一人暮らしの者の割合は増加傾向にあり、その傾向は、少なくとも2050年(令和32年)までは継続すると見込まれている。
3 2023年(令和5年)現在の高齢化率を都道府県別にみると、最も高いのは島根県であり、最も低いのは埼玉県である。
4 介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者は、2021年度(令和3年度)には第一号被保険者の3割を超えている。
5 65歳以上の者について、2023年度(令和5年度)における住宅所有の状況をみると、持家(一戸建て・分譲マンションなどの集合住宅)が5割程度となっている。

1は×である。
65歳以上人口の増大により、死亡数は平成18(2006)から令和22(2040)年まで増加傾向にあり、その後令和52(2070)年にかけて減少傾向になると予測されている。
2は〇である。
65歳以上人口に占める一人暮らしの者の割合は、2020(令和2)年には男性15.0%、女性22.1%となり、2050(令和32)年には男性26.1%、女性29.3%になると見込まれている。
3は×である。
令和5(2023)年現在の高齢化率は、最も高い秋田県で39.0%、最も低い東京都で22.8%となっている。判断する上では、「最も低いのは埼玉県」という部分が誤りであることに気づければ十分である。
4は×である。
要介護者等は、第1号被保険者の18.9%を占めている。
5は×である。
65歳以上の者の8割以上が持家に居住している。

正解2

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
団塊の世代が2025年に75歳以上になること、高齢の夫婦のみ世帯(その延長にある単独世帯)の増加といった知識を駆使して、推論する。

問題 86 日本の高齢者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1  1963年(昭和 38年)の老人福祉法の制定によって、デイサービスやショートステイを含む在宅福祉サービスが法定化された。
2  1982年(昭和57年)の老人保健法の制定によって、市町村及び都道府県における老人保健福祉計画の策定義務が法定化された。
3  1997年(平成9年)の介護保険法の制定によって、介護保険の保険者は市町村及び特別区であることが法定化され、併せて広域連合や一部事務組合も保険者になることができるようになった。
4  2005年(平成17年)の「高齢者虐待防止法」の制定によって、使用者(高齢者を雇 用する事業主)による虐待が高齢者虐待の定義の一つとして、法定化された。 5  2023年(令和5年)の「認知症基本法」の制定によって、国民に対して、認知症の 人を不当に差別する行為を禁止することが法定化された。
(注)1「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する文 援等に関する法律」のことである。
2 「認知症基本法」とは、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」のことである。

1は×である。
老人福祉法改正時(1990年(平成2年))に、デイサービスやショートステイが法定化された。なお、老人家庭奉仕員派遺制度は、1963年の老人福祉法制定時から法定化されていたが、1970年代までは、その対象者は基本的に低所得者に限られていた。㉙問127肢4参照。
2は×である。
1990年に改正された老人福祉法及び老人保健法の中で、市町村及び都道府県における老人保健福祉計画の策定義務が法定化された。㉛問126肢4参照。
3は〇である。
介護保険法の制定は、1997年である。介護保険の保険者に関する記述は、介護保険の基本的知識といえる。
4は×である。
高齢者虐待防止法には、使用者による虐待は含まれていない。なお、2011年の障害者虐待防止法では、使用者による虐待が含まれている。
5は×である。
認知症基本法には、国民に対して、認知症の人を不当に差別する行為を禁止する規定はない。

正解3

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
知識としては、やや細かいものも問われている。積極法で3を選びたい問題である。

問題 87介護保険制度の介護報酬などに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 介護サービス事業者は、自己負担分を除いた介護報酬を国民健康保険団体連合会に請求する。
2 介護報酬の額の基準を厚生労働大臣が定めるときには、あらかじめ介護保険審査会の意見を聴かなければならない。
3 介護サービス事業者からの介護報酬の請求などに関する審査の事務は、社会保険診療報酬支払基金が行う。
4 介護保険施設入所者のうち、低所得者など一定の条件に該当する者を対象として、入所中の食費と居住費の負担軽減を図るための補足給付が設定されている。
5 介護報酬の1単位当たりの単価は、介護サービス事業所の所在する地域やサービス種別にかかわらず、全国一律に定められている。

1は〇である。
2は×である。
介護保険審査会ではなく、社会保障審議会(介護給付費分科会)の意見を聞かなければならない(介護保険法41条5項参照)。介護保険審査会は、介護保険制度において、保険者が行った処分が法令に基づき適正に行われているかを審査し、裁決する機関である。介護報酬の額の基準を更生労度大臣が定める際に、意見を聴くべき機関としては相応しくないと推論して欲しい。㉞問131肢4、㉝問132肢5参照。
3は×である。
当該事務は、国民健康保険団体連合会が行う。
4は〇である。
5は×である。
事業所の所在する地域やサービス種別により、異なる単価が定められている。㉘問131肢1、

正解1,4

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
3と5が×であることは、基本的知識に属すると思われる。残りはやや細かい。2が×であることに気付ければ、消去法で正解を導ける。

問題 88 A社員(社会福祉士)は、B社の総務部門に在籍し、企業内での相談支援を担当している。事例を読んで、AによるCさんへの介護休業制度に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(52歳、無期雇用の正社員,入社後1年4か月)は母親(84歳)との二人暮らしである。この母親は、20日前にインフルエンザにかかり5日間入院した後、現在も自宅療養中であるが、退院後は歩行もできず、排せつや食事摂取に常時の介助が必要となった。要介護認定はまだ受けていない。Cさんは10日前から時間単位で年次有給休暇を取得して母親を介護しているが「仕事を辞めるわけにはいかず、母親の今後の介護はどうすべきか」と悩み、直属の上司からAへの相談を勧められた。なお、Cさんは母親以外に介護が必要な家族・親族はいない。

1 現時点でのCさんの母親の状態は、介護休業制度の対象に該当する可能性がある と助言した。
2 介護休業を取得するためには、あと2か月の勤務期間が必要と助言した。
3 介護休業を取得する場合、医療保険制度の介護休業給付が受給可能と助言した。
4 介護休暇の取得は、年度あたり14日間が可能なことを助言した。
5 現在の状況では、所定労働時間の短縮の措置を受けることは難しいと助言した。

1は〇である。
介護休業制度の対象は、負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態にある家族である。
2は×である。
介護休業給付の受給資格は、介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上あることである。
3は×である。
介護休業給付は、医療保険制度ではなく、育児・介護休業法に定められている。
4は×である。
1人の対象家族について通算93日まで取得することができ、3回を上限に分割取得することもできる。㉛問29肢5参照。
5は×である。
介護短時間勤務制度とは、2週間以上要介護状態の家族を介護するために、勤務時間を短縮できる制度である。Cの母親は20日前にインフルエンザにかかり、5日間入院した後に退院して自宅で療養しているため、すでに2週間以上要介護の状態にあるので、Cは所定労働時間の短縮の措置を受けるが可能である(育児介護休業法23条3項、2条3号参照)。

正解1

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
選択肢の中には判断に迷うものもあると思われるが、積極法で1を選びたい問題である。

問題 89 事例を読んで、A介護老人保健施設の支援相談員であるB職員(社会福祉土)が、通所介護事業所のC生活相談員から受けた情報提供の依頼に回答するにあたり、A施設に勤務する他の職員に専門的な意見を求める際、最も適切な職種を1つ選びなさい。
〔事例〕
入所後2か月が経過したDさん(81歳,要介護2)は「介護サービスを利用しながら家族と自宅で暮らしたい」と希望しており、施設内で家庭復支援に向けたサービス担当者会議が開かれた。Dさんは脳梗塞後遺症で左片麻連があるが、屋内での日常生活動作は補助具などを使っておおむね自立している。しかし、球麻痺によって食事や飲水の際にむせ込むことがある。Bは、数日前にDさんが退所後に利用を希望している通所介護のCに連絡をとった際「Dさんの嚥下に関する訓練の状況や誤嚥を防ぐ適切な方法を知りたい」と情報提供の依頼を受けており、その情報をこのサービス担当者会議の場で取得しようと考えた。
1 看護師
2 介護福祉士
3 薬剤師
4 作業療法士
5 言語聴覚士

正解5

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
A施設のBが、同施設の専門職に意見を求めるとしたら、Dの援助にあたり注意すべき事項についてということになるだろう。
事例を読むと、D(81歳、要介護2)は、屋内での日常生活動作は補助具などを使っておおむね自立しているものの、球麻痺によって食事や飲水の際にむせ込むことがあるとなっている。そして、通所介護のCから、「Dさんの嚥下に関する訓練の状況や誤嚥を防ぐ適切な方法を知りたい」との情報提供を求められていることから、誤嚥防止のための訓練を担う専門職に意見を求めるのが適切だと判断できる。
選択肢の中で、誤嚥防止の訓練や方法を聴くのに最も適した専門職は、言語聴覚士である。

問題 90 事例を読んで、地域包括支援センターのA社会福祉士が、Bさんとともに利用を検討するサービスのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
一人暮らしのBさん(80歳)は、心身の不調を感じたため要介護認定を申請した。その結果は要介護及び要支援ともに非該当であったが「基本チェックリスト」により運動機能の低下と閉じこもりの傾向にあることが示され,介護予防・生活支援サービス事業対象者に該当した。BさんはAと相談した結果「自宅の中だけで過ごすことが多いため、運動や気分転換のために外出の機会をもつ必要があると思う。そうして人と関わる機会が増えれば、今後の生活に向けた意欲も増すかも知れない」と考えるに至った。

1 第1号通所事業(通所型サービス)
2 地域密着型通所介護
3 介護予防通所リハビリテーション
4 小規模多機能型居宅介護
5 居宅介護支援

1は〇である。
2は×である。
要介護1以上の認定を受けていることが必要である。
3は×である。
要支援1または2の認定を受けていることが必要である。
4は×である。
要介護1以上の認定を受けていることが必要である。
5は×である。
原則として要介護の認定を受けていることが必要である。

正解1

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
介護保険のサービスの大枠がわかっていれば解ける問題である。
Bは、要介護認定の結果、要介護及び要支援ともに非該当だったことから、介護給付、介護予防給付に該当する2,3,4は利用できない。また、居宅介護支援は、要介護の人のケアプランを作成するサービスなので、5も不適切である(なお、要支援の人のケアプランの作成も受託できるが、Bは要支援の認定も受けていない)。
ただ、Bは介護予防・生活支援サービス事業対象者に該当していることから、肢1の第1号通所事業(通所型サービス)を利用できる。

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