問題 70 事例を読んで、保護観察所がAさんの特別調整の協力を求めた機関について、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Aさん(84歳)は、来月で6回目の刑期を終える。Aさんは帰る先もなく、頼れる人もいない。Aさんは「帰るところも探せないし、お金もない」と話しており、特別調整を希望している。矯正施設では、福祉専門官がAさんと面談し本人の意向を確かめた結果、特別調整対象者として判断したため、保護観察所に通知した。保護観察所長は、Aさんの状況を確認するために特別調整協力の依頼を求めることにした。
1 地域生活定着支援センター
2 養護老人ホーム
3 更生保護施設
4 障害者支援施設
5 福祉事務所
1は〇である。
地域生活定着促進事業は、高齢又は障害により自立が困難な矯正施設退所者(刑務所、少年刑務所、拘置所及び少年院を退所したもの)に対し、退所後直ちに福祉サービス等につなげ、地域生活に定着をはかるため、各都道府県の「地域生活定着支援センター」と保護観察所が協働して進めるものである。ここで行われる支援が特別調整である。㉝問93肢1参照。
2は×である。
特別調整の協力を求める機関ではない。
3は×っである。
特別調整の協力を求める機関ではない。
4は×である。
特別調整の協力を求める機関ではない。
5は×である。
特別調整の協力を求める機関ではない。
正解1
問題 71 問題解決アプローチに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 クライエントのもつ主体的な意志の力に注目し、支援機関の活用を図る。
2 クライエントの動機づけ、能力、機会を把握して支援を進める。
3 クライエントが直面している危機状況に対して、短期集中的に働きかける。
4 クライエントへの直接的な支援とともに、個人を取り巻く環境に働きかけを行う。
5 クライエントが解決を望む問題について、目標と期限を設定し課題に取り組む。
1は×である。
機能的アプローチに関する記述である。
2は〇である。
問題解決アプローチにおいて、パールマン,Hは、援助に対するクライエントの動機づけ(M:motivation)、問題解決に向かうクライエントの能力(C:capacity),環境や援助機関によって提供される機会(O:opportunities)の3点のアセスメントを重視する。㊱問100肢3参照。
3は×である。
危機介入アプローチに関する記述である。
4は×である。
エンパワメントアプローチに関する記述である。
5は×である。
課題中心アプローチに関する記述である。
正解2
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
各種アプローチについての理解があれば、1と2までは絞れる。㊱問100を解いていた人には、見覚えのある問題に映ったであろう。
パールマン,HのMCOについては最近の試験ではまとめて登場しておらず、2の判断に迷った人が多かったのではないだろうか。その場合、1の記述の内容から、1が診断学派の流れを組む考え方だと推測できれば、消去法で2を選ぶことができる。
問題 72事例を読んで、この段階のA病院のB医療ソーシャルワーカー(社会福祉土)が行った実践モデルやアプローチに関して、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Cさん(46歳、男性)は夫婦で生まれ故郷に戻り、5年前から喫茶店を営んでいる。1か月前に、脳出血を患い,A病院でリハビリテーションを受け、数週間後に自宅退院を控えている。BはCさんと退院に向けた面談を行った。Cさんは「左片まひ麻があるのは仕方がないとしても、妻もまた一緒にお店をやっていこうと言ってくれているので仕事がしたい。地の友達も戻ってきたら店に行くよと声をかけてくれているから」と語った。Bは「奥様もお友達もCさんがお店に戻ってこられるのを待っておられるんですね。お店に戻られるまで、どのように暮らしを整えていったら良いか、ご一緒に考えていきましょう」と提案した。
1 行動変容アプローチ
2 治療モデル
3 実存主義アプローチ
4 生活モデル
5 課題中心アプローチ
1は×である。
行動を学習の結果として捉え,正しく学習することにより問題行動を消去することを目指すものである。Cには、変容が必要な問題行動は存在しない。
2は×である。
事例では、治療モデルを用いた事情はうかがわれない。
3は×である。
実存主義アプローチでは、クライエントが自我に囚われた状態から抜け出すために、他者とのつながりを形成することで、自らの生きる意味を把握し、外からの解放を目指す(㊱問100肢4参照)。事例のCには、実存主義アプローチを用いるような事情はうかがわれない。
4は〇である。
生活モデルは、人と環境の交互作用に焦点を当て、人の生活を全体的視点から捉える(㊱問99肢2参照)。BがCに対して用いたのは、この生活モデルと考えるのが適切である。
5は×である。
事例からは、Cが現在抱えている問題に焦点が当たっているとはいえない(㉞問題100肢4参照)。
正解4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
個々の実践モデル、実践アプローチについてイメージを持てていれば、正解を導くことが可能である。
㊱問101、㉟問99、㉞問題100など、毎年のように出題されているので、自分なりに整理しておくことをお勧めする。
問題 73 事例を読んで、この時点でAさんを担当する若年性認知症支援コーディネーターが行った支援に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
総合商社に勤務するAさん(44歳)は、半年前から商品の発注ミスや大事な商談の約束を忘れてしまうことが度々あり、B上司と産業医の勧めにより認知症疾患医療センターを受診し、若年性アルツハイマー型認知症と診断された。先日、B上司から、若年性認知症支援コーディネーターに電話相談があった。「Aさんから、認知症だと診断されたと報告を受けた。実は、責任のある仕事を一人で任せることも難しくなった。Aさんが自信なさそうに仕事をしており、時折、休むようになった。落ち込んでいる様子もあり、周りの社員も戸惑っている。私も社員も認知症のことがよくわからないので、今後どのように対応してあげたらよいのか正直わからずに困っている」とのことだった。
1 Aさんの仕事のミスがなくなるように、諦めずに教えてあげてください。
2 Aさんの意向を聴いて、仕事のサポート体制の構築を検討してください。
3 Aさんの家族にはAさんの自尊心を尊重して今の社内での様子を伝えないようにしてください。
4 Aさんの短期記憶を活用できる業務への配置転換を検討してください。
5 認知症の理解を進めるために認知症の学習会を実施する場合は、ご相談ください。
1は×である。
Aは若年性アルツハイマー型認知症と診断されているので、諦めずに教えてあげるというアドバイスは適切とはいえない。
2は〇である。
Aの意向を聴いたうえで、仕事のサポート体制の構築を検討してもらうことは、若年性認知症支援コーディネーターの支援として適切である。
3は×である。
Aの家族には、Aの社内での様子を伝えるべきなので、本肢のアドバイスは適切とはいえない。
4は×である。
単に短期記憶を活用できる業務へ配置転換することがAにとって良い結果を生むとは限らず、Aの配置転換がAにとって良いものかどうかは、会社全体で考えてもらう必要がある。
5は〇である。
B上司と社員も認知症のことがよくわからないためにどのように対応してよいのかがわからずに困っている。このような状況において、認知症を理解するために学習会のするのであれば、相談してくださいと伝えることは、若年性認知症支援コーディネーターの支援として適切なものといえる。
正解2、5
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
若年性認知症支援コーディネーターは、㉟問108で登場している。名称から、大まかな役割は想像できるであろうが、若年性認知症の人や家族の自立支援に関わる関係者のネットワークの調整役を期待されている。
平成27(2015)年の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)で登場した。
問題 74 事例を読んで、地域包括支援センターのA社会福祉士がこの段階で行う援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Bさん(75歳,女性)は、一人暮らしが不安になり、長男家族と同居することになったが、転居後すぐに自宅に閉じこもるようになった。心配した長男が地域包括支援センターを訪ね「以前は、社交的で友人と外出することもあったが、それがなくなり心配」と相談した。Aは、Bさんと数回の面接を行った。Bさんは「長男家族が食事内容を私に合わせて作ってくれるのが、申し訳ない」「人と話すのが好きで、前に住んでいた地域では毎日楽しかった。きっかけがあれば外に出たい」と語った。Bさんは要支援1の認定を受けている。Aは、得られた情報を踏まえてBさんの支援計画を立てようと考えている。
1 Bさんに元の地域に戻ってみても良いのではないかと助言する。
2 Bさんと長男家族との関係修復を行い、閉じこもりを解消する。
3 Bさんの食事は給食サービスを利用し、食事は家族と別にしても良いのではないかと助言する。
4 Bさんの社交性は強みなので、地域の茶話会への参加を促す。
5 代弁者として、Bさんの意向を長男に伝える。
1は×である。
Bは一人暮らしが不安になったため、長男夫婦と同居することになったのであり、元の地域に戻りたいとの意思も表明していない。
2は×である。
Bと長男家族とは、特に関係性が悪くなっているわけではない。よって、両者の関係修復を行うとことは不適切である。
3は×である。
Bは、長男家族が食事内容を自分に合わせて作ってくれることに申し訳なさを感じているが、だからといって即座に給食サービスの利用を提案するのは適切とはいえないであろう。
4は〇である。
Bは、話すことが好きで、機会があれば外出したいと言っている。要支援1であることから、近隣に一人で出かけることも可能だといえる。よって、Bの強みを活かして、地域の茶話会への参加を促すことは、適切な援助といえる。
5は×である。
自宅に閉じこもるようになったBの状況を心配して地域包括支援センターに相談に訪れたのはBの長男である。それにより訪問したAがBから聞いた内容は、外出したいという点では、長男の相談内容と合致している。よって、Bの意向を代弁者として長男に伝えることは、適切とはいえない。
正解4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
事例の内容と選択肢を見比べながら、確実に得点したい問題である。

