問題56 「平成 28 年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(厚生労働省)における障害者の実態に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 身体障害者手帳所持者のうち,65 歳以上の者は半分に満たない。
2 身体障害者手帳所持者のうち,障害の種類で最も多いのは肢体不自由である。
3 障害者手帳所持者のうち,困った時の相談相手として,相談支援機関と答えた者が最も多い。
4 18 歳以上 65 歳未満の障害者手帳所持者のうち,一月当たりの平均収入として18万円~21 万円未満と答えた者が最も多い。
5 障害者手帳の種類別でみると,療育手帳所持者が最も多い。
正確な統計は知らない人が多いと思いますが、感覚的に消去できる選択肢もあります。
1:ちょっと迷う問題ですが、65歳以上が74%です。
2:正しい
3~5はなんとなく違うと思うのではないでしょうか。
【正解2】
問題57 「障害者総合支援法」における相談支援などに関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。
1 サービス利用支援では,利用者の自宅を訪問し,身体介護や家事援助等の介助を行う。
2 地域相談支援では,地域生活から施設入所や精神科病院への入院に向けた移行支援を行う。
3 相談支援は,訓練等給付費の支給対象となる。
4 基幹相談支援センターは,地域における相談支援の中核的な役割を担う機関である。
5 指定障害福祉サービスの管理を行う者として相談支援専門員が規定されている。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
支援等の細かな内容もありますが、 基本的な事項を問うものです。
1:サービス利用支援は、サービス等利用計画の作成等を行います。
2:地域相談支援には、地域移行支援と地域定着支援があります。移行支援は施設や病院から地域生活への移行を支援します。
3:訓練等給付費の支給対象は、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助(グループホーム)です。
4:正しい
5:指定障害福祉サービスの管理を行う者の要件は、いろいろ複雑です。教科書などで確認をしておきましょう。
【正解4】
問題58 「障害者総合支援法」の実施に関わる関係機関などの役割に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。
1 障害支援区分の認定は,市町村が行う。
2 介護給付費に関する処分に不服がある者は,市町村長に対して審査請求ができる。
3 訓練等給付費の支給決定は,都道府県が行う。
4 自立支援給付や地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本指針は,都道府県が定める。
5 国,都道府県及び市町村は,自立支援給付に係る費用をそれぞれ3分の1ずつ負担する。
国、都道府県、市町村の役割です。頻出問題です。
1:正しい
2:審査請求は処分をした機関の上級官庁か専門機関に対して行います。介護給付費に関する処分に不服がある者は、都道府県知事に対して審査請求を行う。
3:訓練等給付費の支給決定は、市町村が行います。
4:自立支援給付や地域生活支援事業の円滑な実施を確保するための基本指針は,厚生労働大臣が定めます。
5:自立支援給付に係る費用は、簡単に言えば国が2分の1、都道府県4分の1、市町村4分の1です。
【正解1】
問題59 事例を読んで,V相談支援事業所のF相談支援専門員(社会福祉士)によるこの段階における支援方針として,最も適切なものを 1つ選びなさい。
〔事 例〕
重症心身障害があるGさん(40 歳)は,70 歳代の母親と二人暮らしで,喀痰吸引などの医療的ケアを必要としている。家族や,Gさんが通う生活介護事業所の職員は,Gさんの表情を読み取りながら長期にわたり生活全般の介助をしてきた。Gさんは,先月,誤嚥性肺炎を起こして入院したが,状態が落ち着いてきたので退院することになった。退院先を決めるに当たり,別居している姉が,これを機に,母親の負担も考えて,医療的ケアが可能な共同生活援助(グループホーム)を利用してはどうかと母親に勧めている。一方,母親は看護師などによる自宅への訪問には消極的であるが,可能な限り自宅でGさんと一緒に生活を続けたいと考えている。そこで,母親はF相談支援専門員に相談した。
1 病状や医療的ケアの必要性を考えて,退院先は医師の方針で決定する。
2 母親の負担を考え,姉の提案する共同生活援助(グループホーム)の利用を勧める。
3 Gさんに最も身近な母親の意向に沿い,退院後は自宅で生活することを方針として決定する。
4 医療的ケアの必要性を考慮し,医師に対して病院での生活継続を依頼する。
5 Gさん参加のもと意思決定支援会議を開催し,Gさんが退院後どのような生活を望むのか検討する。
社会福祉士の支援の基本理念です。正解して欲しい問題です。
【正解5】
問題 60 知的障害者福祉法に関する次の記述のうち,正しいものを 1つ選びなさい。
1 知的障害者に対する入院形態として,医療保護入院が規定されている。
2 市町村は,知的障害者更生相談所を設けなければならないと規定されている。
3 市町村は,その設置する福祉事務所に知的障害者福祉司を置くことができると規定されている。
4 1998 年(平成 10 年)に,精神衛生法から知的障害者福祉法に名称が変更された。
5 知的障害者に対して交付される「療育手帳」について規定されている。
法律そのものの問題です。
1:医療保護入院については、精神保健福祉法に規定されています。
2:都道府県は、知的障害者更生相談所を設けなければならない、と規定されています。
3:正しい
4:精神病者監護法」(明治33年法律38号)と「精神病院法」(大正8年法律第25号)
5::療育手帳は、療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)に基づいて交付される。
ソーシャルワンカーからのワン ポイントアドバイス
精神衛生法→精神保健法→精神保健及び精神障害者福祉に関する法律という流れです。
時代を感じますね。知的障害者福祉法は、1998年に精神薄弱者福祉法から名称変更された。
【正解3】
問題61 障害者基本法に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 「障害者」とは,「身体障害,知的障害又は精神障害により,長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」と定義されている。
2 意思疎通のための手段としての言語に手話が含まれることが明記されている。
3 都道府県は,毎年,障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を国に提出しなければならないとされている。
4 社会モデルを踏まえた障害者の定義は,国際障害者年に向けた取組の一環として導入された。
5 障害を理由とする差別の禁止についての規定はない。
障害者の定義は、各法律で違いがありますので整理しておきましょう。
1:選択肢の中に社会的障壁が入っていません。
2:適切
3:政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しなければならない。
4:社会モデルを踏まえた障害者の定義により、障害者基本法の障害者に関する規定が変更になった。選択肢1の社会的障壁の記述。
5:第四条 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。とある。
【正解2】
問題62 「障害者雇用促進法」及び「障害者優先調達推進法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1つ選びなさい。
1 国は,障害者就労施設,在宅就業障害者及び在宅就業支援団体から優先的に物品等を調達するよう努めなければならない。
2 国や地方公共団体は,法定雇用率を上回るよう障害者の雇用を義務づける障害者雇用率制度の対象外である。
3 事業主は,障害者就労施設から物品を調達することで障害者雇用義務を履行したとみなすことができる。
4 事業主は,在宅就業支援団体を通じて在宅就業障害者に仕事を発注することで障害者雇用義務を履行したとみなすことができる。
5 事業主は,身体障害者及び知的障害者を雇用する法的義務を負うが,精神障害者については雇用するよう努めればよい。
(注)1 「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
2 「障害者優先調達推進法」とは,「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律」のことである。
障害に関しては、法律の数が多いので大変です。勉強の仕方として、各々の法律の目的条項を整理することを勧めます。目的条項とは、第1条~第3条(大抵の場合第1条)にこの法律の目的つまり理念などが規定されているところです。それを整理するとこの法律が何について規定されているかの概要を掴むことができます。
1:適切
2:国や地方公共団体も法定雇用率の対象となっています。頻繁な改正により、法定雇用率は変わっていっているので試験前に再度確認しましょう。
3:障害者就労施設から物品を調達することで障害者雇用義務を履行したということにはなりません。
4:在宅就業支援団体を通じて在宅就業障害者に仕事を発注したからといって障害者雇用義務を履行したことにはなりません。
5:精神障害者も平成30年4月1日から、障害者雇用義務の対象となりました。
【正解1】