10.福祉サービスの知識(R2年10月-第23回)1/3
問題 46 面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 オープンクエスチョンとは、チェックリストに従って質問していくことである。
2 クローズドクエスチョンは、面接を一方通行にしないために有効である。
3 観察は、非言語的なメッセージを感知することを含む。
4 面接を効果的に実施するためには、面接の焦点を的確に定めることが重要である。
5 明確化とは、クライエントの言葉をそのまま反射することである。
確実に、正解して欲しい問題である。
難易度A
1は×である。チェックリストに従って質問するのではオープンクエスチョンとはいえない。
2は×である。クローズドクエスチョンは、面接をより一方通行なものにしてしまう。
3は〇である。特に説明はいらないであろう。
4も〇である。
5は×である。クライエントの言葉をそのまま反射すること≠明確化であることは普通に気づけると思う。
【正解3,4】
問題 47 ソーシャルワークの視点から、支援困難な高齢者に関する記述として、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 近隣住民からの「一人暮らしの高齢者宅から異臭がする」との訴えに対し、まずその高齢者に施設への入所を勧める。
2 支援を拒否している高齢者には、信頼できる人を探し、支援につなげることが有効である。
3 アウトリーチによる対応には、支援のためのネットワークの構築が含まれる。
4 高齢者が不平•不満を何度も訴えるため、担当の介護支援専門員が地域包括支援センターにスーパービジョンを依頼する。
5 セルフ•ネグレクトには、親族による介護放棄が含まれる。
支援困難者に関する問題は、今後、増えていくかもしれない。
難易度A
1は×である。異臭がするとの訴えだけでいきなり施設入所を勧めることは、ソーシャルワークの視点から到底適切なものとはいえない。
2は〇ぽい。
3も〇ぽい。
4も〇ぽい。
5は×である。セルフネグレクトは、通常一人の人として、生活において当然行うべき行為を行わない、あるいは行う能力がないことから、自己の心身の安全や健康が脅かされる状態に陥ることを指す。
親族による介護放棄は虐待である。4で迷った人もいたかもしれないが、1と5が×であることはわかりやすい。
【正解2,3,4】
問題 48 ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 インテーク面接で得られた情報が少ない場合には、それを記録する必要はない。
2 クライエントの主訴のとおりに援助計画を立てることが、重要である。
3 モニタリングとは、援助計画の進涉を定期的、継続的に観察して評価することである。
4 多職種連携の際は、護もが支援できるように、それぞれの役割を曖昧にすることが重要である。
5 クライエントとソーシャルワーカーとの契約とは、両者の間で焦点となる問題や目標を明らかにして、援助に関する合意をすることである。
簡単そうな問題ほど、ケアレスミスをしないように注意する必要がある。
難易度A
1は内容+文末の断定的な言い回しから×である。
2は注意が必要である。主訴はもちろん大切だが、「主訴のとおりに援助計画を立てること」は必ずしも適切でない場合がある。△にして先に進むのが無難である。
3は〇ぽい内容である。
4は「曖昧にする」の部分が×である。雑に読んで〇とした人もいたのではないだろうか。
5は深読みするとかえって迷う部分もある。そのようなときは他の肢との比較で決めるしかない。
1と4は×、3は〇としてよさそうなので、2と5を再度検討する。
2は先に述べたように「主訴のとおりに援助計画を立てること」がかえってよくない場合もあるので、より適切なものを選ぶのであれば5の方であろう。
以上から、より適切ものは、3,5となる。
【正解3,5】
問題 49 ソーシャルワークにおける集団援助として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
1 地域包括支援センターの社会福祉士による一人暮らしの高齢者を集めた生きがいづくりのためのプログラム活動
2 医療機関における医療ソーシャルワーカーによる入院中のクライエントへの相談支援
3 社会福祉協議会の職員と民生委員による「福祉マップ」の作成
4 精神科クリニックで行われるアルコール依存症患者の家族を対象とした交流活動
5 NPO法人のスタッフと地域住民による高齢者の見守り活動
過去問を解く際に、試験で出される集団援助の特徴をまとめておこう。
難易度A 本問と類似した問題にH30-問48がある。
1は〇としてよさそうな内容である。
2は×である。個別援助であることが明らかである。
3は専門職による共同作業であり、ソーシャルワークにおける集団援助ではない。
4は〇としてよさそうな内容である。
5のような見守り活動は、ソーシャルワークにおける集団援助には該当しないので×である。
5で迷った人もいたと思われるが、地域の高齢者の見守りは、その集団に働きかけて支援をするという関係とは質的に異なる。
【正解1,4】
問題 50 介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 利用者20人未満の併設事業所の場合には、管理者は常勤でなくてもよい。
2 利用者20人未満の併設事業所の場合でも、生活相談員は常勤でなければならない。
3 利用者20人未満の併設事業所の場合でも、機能訓練指導員は他の職務と兼務することはできない。
4 利用者40人以下の事業所の場合には、他の施設の栄養士との連携があり、利用者の処遇に支障がなければ、栄養士は配置しなくてもよい。
5 食事の提供と機能訓練に支障のない広さを確保できる場合には、食堂と機能訓練室は同一の場所とすることができる。
本問は基準の内容を知らないと自信を持って正解できない。知らないと決定打に欠ける肢が多い。常識と勘を働かせて解くしかない。
難易度C 当初は難易度BとしていたがCに変更した。できなくても気にしなくていい問題だと思われる。
1の管理者が常勤でなければならないかは過去に何度か出ているが、利用者20人未満の併設の短期入所生活介護について問われたのは初めてだと思われる。
規模が小さくても管理者である以上は常勤でないといけないと感じられたなら×とすることになる。結論は×である(指定短期入所生活介護に係る人員、設備及び運営に関する基準122条)。
2は小規模なら生活相談員は常勤でなくてもよいかが問われている。こちらは常勤でなくてもよいことになっているので、2は×である(同基準121条5項)。
3は×である(同基準121条6項)。
4は、小規模で他の施設の栄養士との連携があり、かつ利用者の処遇に問題がないという条件が揃えば、栄養士を置かなくてもよいとするものである。
こうした条件が揃っていれば、栄養士を配置しなくてもよいとされており、4は〇である(同基準121条1項但書)。
5は間違いではないかと感じた人もいるかもしれないが、食堂を使う時間は限られており、支障のない広さが確保できるのであれば、食堂と機能訓練室は同一の場所とすることができると考えてもよいようにも思える。実際、そのような場合は同一の場所にしてもよいとされており、5は〇である(同基準124条6項3号ロ)。
【正解4,5】
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