問題 1 思春期・青年期における心身の特徴に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 思春期には、男女ともに緩やかな身体の変化がみられる。
2 思春期における心理的特徴としては、自意識過剰がある。
3 思春期には、アイデンティティは形成されている。
4 第二次性徴に性差はみられない。
5 青年期の死亡原因としては心疾患が最も多い。
1は×である。
思春期の始まりは、第二次性徴と呼ばれる体の急激な変化によって始まる。
2は〇である。
3は×である。
アイデンティティは、思春期から青年期にかけて形成される。
4は×である。
第二次性徴では、性差がはっきりと現れる。
5は×である。
青年期の死亡原因として最も多いのは自殺である。問題を解くだけなら、最も多いのが心疾患ではないことに気づければよい。
正解2
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
2は何となく正しそうであるが、知らないと自信を持って選べない。誤っているものを消去していく方法を併用する。
問題文から、思春期と青年期をわけて考えることが前提となっていることを見逃さないこと。
問題 2 高齢者における薬害有害事象の発生予防や発生時の対処方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 服用法を複雑にする。
2 定期的に処方内容を見直す。
3 若年者と同じ投与量にする。
4 投与薬剤の数はなるべく8剤以下にする。
5 新規症状が出現した場合に薬剤を追加する。
1は×である。
服用法を複雑にしても、発生予防には役立たないであろうし、発生時の対処方法としては明らかに不適切である。
2は〇である。
3は×である。
高齢者は、多くの薬を使うと副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすくなることが知られている。若年者と同じ投与量にすることは不適切である。
4は×である。
高齢になるほど、薬剤の量が多くなることが知られている。そのため本肢は適切ではないかと迷った人もいるであろう。しかし、単純に薬剤の数を一定数以下にすれば、薬害有害事象の発生予防になったり、発生時の対処方法として適切とまではいえないであろう。
5は×である。
新規症状が出現した場合には、薬剤を追加するよりも、原因を考えて、処方内容を見直す方が適切であろう。
正解2
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
1と3は、常識的に不適切だと気づける。
残った2,4,5の中で、「最も適切なもの」を選ぶ。2>4,5と判断できるのではないだろうか。
問題 3 筋骨格系に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 筋肉は骨格筋と心筋の2種類からなる。
2 筋組織にはカルシウムを貯蔵する働きがある。
3 人体は約400個の骨からなる。
4 骨量は小児期に最大となり、青年期以降は減少する。
5 骨には血球をつくる働きがある。
1は×である。
骨格筋と心筋と平滑筋の3種類がある。
2は×である。
筋組織内の筋小胞体という細胞内小器官にはカルシウムイオンが貯蔵されているが、本肢は×の記述とされた。
3は×である。
骨の数は成長につれて少なくなっていく。新生児の骨は約350個であるが、成人では約200個である。
4は×である。
骨量は20歳頃までにピーク (最大骨量)に達し、 40歳くらいまで維持されるが、その後、徐々に減少していく。
5は〇である。
出生後から10歳代までは全身の骨の骨髄で造血が行われてるが、20歳前後からは、体の中心部にある胸や腰の骨などの限定された骨髄でのみ、造血が行われるようになる。
正解5
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
筋骨格系を詳しく聞く問題は、近年は出題されておらず、迷った受験生が多かったのではないだろうか。中高生のときに理科で習った記憶を頼りに5を選んだ人もいたと思われる。
なお、正式な発表まで、2の記述も正しいのではないかという見解がネット上では流れていた。しかし、正答は5のみとされた。
問題 4 難病に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 発病の機構が明らかでない疾患であることは、「指定難病」の要件の一つである。
2 「指定難病」では、客観的な診断基準が定まっている。
3 「指定難病」の患者数は我が国において人口の1%程度に達する。
4 「障害者総合支援法」の対象疾患は、「指定難病」より対象範囲が狭い。
5 小児の難病については、法律に基づく難病対策はない。
(注)1「指定難病」とは、「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づき、厚生労働大臣が指定する疾病をいう。
2「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1は〇である。
疾病の機構がわかっていれば治療法も見つかるであろう。
2は〇である。
客観的な診断基準が設けられている。
3は×である。
1%ということは、100人に1人の割合である。これでは多すぎるのではないかと感じられればよい。厚生労働省令では、人口のおおむね千分の一(0.1%)程度に相当する数と規定されている。
4は×である。
令和6年4月から、「障害者総合支援法」の対象疾患は366疾病から369疾病へと見直しが行われた。これに対し、指定難病は同年4月から341疾病となっている。
5は×である。
小児慢性特定疾病医療費助成制度がある。
正解1,2
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
3と5は、何となく誤りだと気づければよい。悩むのは4の記述である。法改正を知らなかった人は、判断に迷ったであろう。
障害者総合支援法に難病等も含まれていることは押さえていた人が多いと思われるが、そこから素直に考えた場合、生活の支援に重点がある障害者総合支援法の対象疾患を指定難病よりも狭く解釈する必然性はないと考えることもできるのではないだろうか。
問題 5 肺炎に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 市中肺炎の起因菌は肺炎球菌が最も多い。
2 誤嚥性肺炎は若年者に多い。
3 口腔ケアによって増悪する。
4 経皮的酸素飽和度(SpO₂)が上昇する。
5 肺炎の診断には発熱が必須である。
1は〇である。
2は×である。
誤嚥性肺炎は、高齢者に多い。
3は×である。
口腔ケアによって、予防できたり、緩解できたりする。
4は×である。
肺炎にかかると経皮的酸素飽和度(SpO₂)は下降する。
5は×である。
高齢者では発熱しないケースもあり、診断に発熱が必須といえない。胸部レントゲン検査、血液検査を行って判断する。
正解1
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
1を積極的に選べた人は少ないであろう。消去法を用いて最終的に1を選べれば良い。
問題 6 事例を読んで、Aさんに最も適切な入院形態を1つ選びなさい。
〔事例〕
B市に住むAさん(21歳)は、大学4年生で就職活動中であったが、なかなかうまくいかず、次第に抑うつ気分、意欲の低下、思考制止、不安、不眠を呈するようになった。同居する両親(両親ともに50歳代で共働き)とともに。精神科のクリニックを受診し、うつ病の診断となり治療開始となった。しかし、自宅では生活が乱れ、家に閉じこもりがちになり、定期的な受診や薬物治療が困難な状況となった。自傷行為や家族に対する他害行為はみられないが、なかなか抑うつ症状は改善を認めなかったため、主治医が入院加療の必要性があると判断した。主治医が本人及び両親に入院加療の必要性を説明したところ、本人は入院加療を希望した。その後、紹介状を持参のうえで、入院病床を有する精神科病院に受診した。
1 医療保護入院
2 措置入院
3 緊急措置入院
4 任意入院
5 応急入院
正解4
ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
精神科病院における入院形態が問われている。
事例を読んでいくと、最終的に「(A)本人は入院を希望した」とあるので、Aに最も適切な入院形態は、4の任意入院となる。
問題文の途中で、「主治医が本人及び両親に入院加療の必要性を説明した」との部分を読んで、軽率に結論を出さないように注意する。