7.社会的養護(R2年-後期)1/2

問1 次の文のうち、「児童福祉法」第3条の2の一部として、(a)~(c)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
国及び地方公共団体は、児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、(a)児童の保護者を支援しなければならない。ただし、児童及びその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他の状況を勘案し、児童を家庭において養育することが困難であり又は適当でない場合にあつては児童が(b)できる限り良好な家庭的環境において継続的に養育されるよう、児童を家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合にあつては児童が(c)家庭における養育環境と同様の養育環境において養育されるよう、必要な措置を講じなければならない。
 
(組み合わせ)
  a b c
1 ○ ○ ○
2 ○ × ○
3 ○ × ×
4 × ○ ○
5 × × ×
 
この条文も丸暗記をしている人は少ないと思います。間違えてもしょうがないかな、という問題です。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
すべての法律について言えることですが、第1条~第3条ぐらいまでは、なんとなくでも覚えておいた方が良いと思います。第1条~第3条までの条文を転記しておきます。

児童福祉法
第一章 総則
第一条
 全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。
第二条 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。
② 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。
③ 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。
第三条 前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない。
 
第一節 国及び地方公共団体の責務
第三条の二 国及び地方公共団体は、児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、児童の保護者を支援しなければならない。ただし、児童及びその保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他の状況を勘案し、児童を家庭において養育することが困難であり又は適当でない場合にあつては児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されるよう、児童を家庭及び当該養育環境において養育することが適当でない場合にあつては児童ができる限り良好な家庭的環境において養育されるよう、必要な措置を講じなければならない。
 
第三条の三 市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、児童が心身ともに健やかに育成されるよう、基礎的な地方公共団体として、第十条第一項各号に掲げる業務の実施、障害児通所給付費の支給、第二十四条第一項の規定による保育の実施その他この法律に基づく児童の身近な場所における児童の福祉に関する支援に係る業務を適切に行わなければならない。
② 都道府県は、市町村の行うこの法律に基づく児童の福祉に関する業務が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言及び適切な援助を行うとともに、児童が心身ともに健やかに育成されるよう、専門的な知識及び技術並びに各市町村の区域を超えた広域的な対応が必要な業務として、第十一条第一項各号に掲げる業務の実施、小児慢性特定疾病医療費の支給、障害児入所給付費の支給、第二十七条第一項第三号の規定による委託又は入所の措置その他この法律に基づく児童の福祉に関する業務を適切に行わなければならない。
③ 国は、市町村及び都道府県の行うこの法律に基づく児童の福祉に関する業務が適正かつ円滑に行われるよう、児童が適切に養育される体制の確保に関する施策、市町村及び都道府県に対する助言及び情報の提供その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

【正解3】

問2 次の文は、「児童福祉法」第 25 条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句および数値の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する( A )若しくは児童相談所又は( B )を介して市町村、都道府県の設置する( A )若しくは児童相談所に通告しなければならない。ただし、罪を犯した満( C )歳以上の児童については、この限りでない。この場合においては、これを家庭裁判所に通告しなければならない。
 
(組み合わせ)
      A           B      C
1 児童家庭支援センター     児童委員     16
2    福祉事務所       児童委員     14
3 児童家庭支援センター  児童虐待対応協力員  16
4    福祉事務所     児童虐待対応協力員  16
5    福祉事務所     児童虐待対応協力員  14

Aは都道府県に設置されている機関です。福祉事務所と児童相談所は「施設」ではなく、行政機関ですね。
A:都道府県に設置する行政機関を選択します。児童家庭支援センターは児童福祉施設です。
B:児童委員は民生委員が兼ねています。
C:14歳です。児童に関する年齢の規定のまとめのWEBを紹介します。以下、URL↓
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000096703_1.pdf

【正解2】

問3 次の文は、里親制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 「社会的養育の推進に向けて」(平成 31 年1月 厚生労働省)によると、平成 30 年3月末の里親及び小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)への社会的養護を利用する児童全体に占める委託率は約4割である。
B 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は、「社会福祉法」に定める第一種社会福祉事業である。
C 都道府県知事は、児童を里親に委託する措置をとった場合には、児童福祉司、知的障害者福祉司、社会福祉主事のうち一人を指定して、里親の家庭を訪問して、必要な指導をさせなければならない。
 
(組み合わせ)
  A B C
1 ○ × ○
2 ○ × ×
3 × ○ ○
4 × ○ ×
5 × × ○
 
社会的養護を必要とする児童は約45,000人です。
A:里親養育里親(4,134人)、専門里親(221人)、養子縁組里親(299人)、親族里親(770人)となっています。小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は1,434人です。従って1割強という状況です。
B:小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は、社会福祉法では第二種社会福祉事業です。
C:正しい

【正解5】

問4 次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)に定められた児童福祉施設の一般原則の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
・ 児童福祉施設は、入所している者の人権に十分配慮するとともに、一人一人の( A )を尊重して、その運営を行わなければならない。
・ 児童福祉施設は、( B )との交流及び連携を図り、児童の保護者及び( B )に対し、当該児童福祉施設の運営の内容を適切に説明するよう努めなければならない。
・ 児童福祉施設は、その運営の内容について、自ら評価を行い、その結果を( C )するよう努めなければならない。
 
(組み合わせ)
  A    B    C
1 個性  地域社会  活用
2 個性  地域社会  公表
3 個性  関係機関  活用
4 人格  関係機関  活用
5 人格  地域社会  公表
 
児童福祉施設の理念・原則の理解を求めた問題です。
A:一般的な使われ方だと個性になると思いますが、ここでは重い表現が使われています。人格です。
B:後続に交流という言葉が使われていますので、関係機関ではなく、地域社会が当てはまると分かると思います。
C:公表です。

【正解5】

問5 次の文は、乳児院に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児院は、保育所等訪問支援事業の訪問対象の施設である。
B 乳児院の長は、施設の所在する地域の住民につき、児童の養育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めなければならない。
C 乳児院は、「児童福祉法」に定める「乳児」のみを対象とした施設である。
D 「児童養護施設入所児童等調査結果(平成 30 年2月1日現在)」(令和2年1月 厚生労働省)によると、被虐待経験のある乳児院入所児が受けた虐待の種類は、「ネグレクト」が最も多い。
 
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×
 
児童福祉法の乳児の定義は1歳未満です。
A:正しい。
B:正しい。
C:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の乳児院に関する条文で以下の内容があります。第二十一条 5 「看護師の数は、乳児及び満二歳に満たない幼児おおむね一・六人につき一人以上、満二歳以上満三歳に満たない幼児おおむね二人につき一人以上、満三歳以上の幼児おおむね四人につき一人以上(これらの合計数が七人未満であるときは、七人以上)とする。」とあります。従って、児童福祉法の乳児に限定されません。
D:正しい。

【正解1】