7.地域福祉の理論と方法(H30年-第31回)2/2

問題37 
地域福祉の担い手や組織に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 厚生労働省の「社会保障審議会福祉部会報告書~社会福祉法人制度改革について~」(2015 年(平成27 年))では,社会福祉法人の今日的意義は,他の事業主体ではできない様々な福祉ニーズを充足することにより,地域社会に貢献していくことにあるとした。
2 中央共同募金会の「参加と協働による『新たなたすけあい』の創造」(2016 年(平成28 年))では,共同募金を災害時の要援護者支援に特化していくこととした。
3 厚生労働省の「地域力強化検討会最終とりまとめ」(2017 年(平成29 年))では,介護保険法を改正し,多機関協働による支援の中核機関を地域ケア会議で決めることとした。
4 全国社会福祉協議会の「社協・生活支援活動強化方針」(2018 年(平成30 年))では,市町村社会福祉協議会が生活困窮者の自立支援を中心に活動を展開していくこととした。
5 全国民生委員児童委員連合会の「これからの民生委員・児童委員制度と活動のあり方に関する検討委員会報告書」(2018 年(平成30 年))では,民生委員・児童委員に対して給与を支給することとした。
 
この問題も全部知っている人はいないと思っていい。自分の今の知識を活かして答えを推測していこう。
1は〇ぽい。2015年という時期もそう悪くない。2は「共同募金を災害時の要援護者支援に特化していく」なんて聞いたことがない。×だろう。2のような改正は聞いたことがないし、「多機関協働による支援の中核機関を地域ケア会議で決める」という内容にも無理がある。×だろう。4も「市町村社会福祉協議会が生活困窮者の自立支援を中心に活動を展開していく」なんて聞いたことがない。×ぽい。5の「民生委員・児童委員に対して給与を支給する」との改正が現実になされていたら、大きなニュースになっているだろうし、受験対策講座でも取り上げられていたであろう。×だろと推測できる。

【正解1】

問題38 
事例を読んで,地域包括支援センターのA相談員(社会福祉士)による今後のBさんへの支援や近隣との関わりとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕
一人暮らしのBさん(89 歳,女性)は,認知機能の低下は見られないが,日常的な買物や家事が難しくなってきている。そこで,地域包括支援センターに相談をしたところ,A相談員は要介護認定を受けることを勧め,要支援1 の認定を受けた。
Bさんは週1 回,近隣で開催されている高齢者サロンに参加することを楽しみにしており,ちょっとした買物やゴミ出しについては,近隣の住民が声を掛けて随時手助けを行っている。
 
1 Bさんに高齢者サロンの利用をやめて,デイサービスを利用するよう促す。
2 近隣の手助けが行われているので,A相談員は当面関わらないようにする。
3 近隣の住民に対し,専門職が関わるので,手助けは不要であると伝える。
4 公的な制度の利用は検討せず,近隣の住民に支援の中心になるよう依頼する。
5 現在の近隣関係を基に,今後の支援の在り方を他の専門職と一緒に検討する。
 
素直に考える。
1は×(ベタな肢である)。2もいまいち。×ぽい。3も×。4はわざわざ認定を受けたのだから、「公的な制度の利用は検討せず」の部分がおかしい。×ぽい。5は無難な内容である。最も〇ぽい。

【正解5】

問題39 
地域福祉における連携に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 地域福祉の推進には,個人支援レベル,機関・団体の活動者や実務者レベル,それらの代表者レベルの各種の重層的な連携が想定される。
2 NPOなどのアソシエーション型組織と自治会のような地域コミュニティ型組織は,それぞれ目的や活動圏域等が異なるため連携することなく活動している。
3 民生委員児童委員協議会は,その職務の遂行に当たって,当該市町村の自治会連合会と連携することが法定化されている。
4 プラットフォーム型の連携とは,地域生活課題への対応を協議するため,固定化された代表者が行う会議のことである。
5 小地域ネットワーク活動は,要支援者を専門機関が発見し,地域住民が見守るという,双方の責任分担を明確にした見守りのための連携の仕組みである。
 
この問題は最も無難な選択肢を選ぶものである。
1は内容的には極めて無難である。〇ぽい。2は「連携することなく」が×。3は連携が「法定化」されているが×ぽい。ケースバイケースで現場に任せるのが無難であろう。4は「固定化された代表者」が変である。×ぽい。5は「双方の責任分担を明確にした」が変である。×ぽい。

【正解1】

問題40 
P市から生活困窮者自立支援事業を受託している社会福祉協議会のC相談員(社会福祉士)は,民生委員から,30 歳で失業して以来,親と同居して20 年間にわたりひきこもっているケースを相談された。C相談員は,これを契機として,P市には他にも長い期間ひきこもりの状態になっている人がいるのではないかと考えた。そこで,この考えを市の担当課に伝えたところ,総合的なひきこもり対策を検討する必要があると考えた市は,C相談員にその対応についての検討を依頼した。
次のうち,C相談員の対応として,適切なものを2つ選びなさい。

1 学校や地域若者サポートステーションと役割分担し,40 歳以上の人に限定した対策を考えるために関係者に集まってもらう。
2 民生委員児童委員協議会と協働して実態調査を実施する。
3 ひきこもりの人たちが参加しやすい場づくりが必要と考えて,市内のボランティア組織の会長に相談する。
4 ひきこもり対策は保健師の対応が適切であると考えて,保健センターに対策を任せる。
5 親が要介護であるなど,支援の必要性が高い場合に限って対応する。
 
社協に勤務する相談員(社会福祉士)になったつもりで考える。
1は「40歳以上に限定した対策」と事例の「総合的な引きこもり対策」とが相容れない。×である。2のような実態調査は有効である。〇ぽい。3は単独だと少し悩む。内容的にはあってもよいので△。4の「〇〇に任せる」という記述はまず×である。5は「親が要介護であるなど,支援の必要性が高い場合に限って対応する」とあるが、ひきこもりの対策としてそのような限定が必要だろうかと感じられる。

【正解2,3】

問題41 
高齢者保健福祉の領域における地域包括ケアの推進に関して,地域福祉と関連する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 介護保険法の改正(2014 年(平成26 年))で,市町村に地域ケア会議が必置の機関として法定化された。
2 生活支援体制整備事業に規定された地域福祉コーディネーターが市町村に配置され,協議体づくりが進められている。
3 介護予防・日常生活支援総合事業では,ボランティア,NPO,民間企業,協同組合などの多様な主体がサービスを提供することが想定されている。
4 在宅医療・介護連携推進事業には,地域住民への普及啓発が含まれる。
5 介護保険法では,要介護認定に関わる主治医の意見に認知症初期集中支援チームの,地域での活用に関する記載が義務づけられた。
 
地域福祉論の問題というよりも高齢者福祉論の問題というべきである。
1の改正は1期前の改正である。 地域包括ケアに向けた動きが加速した時期であり、一見するとよさそうだが、「地域ケア会議」を必置の「機関」としているのがひっかかる。2は地域福祉コーディネーターが「市町村に配置され」の部分がひっかかる。社協に配置されたのならわかるのだが。3は高齢者福祉論で学ぶ内容である。〇である。4は知らないと△。5は、「要介護認定に関わる主治医の意見に」認知症初期集中支援チームの,地域での活用に関する記載が「義務づけられた」との記述がひっかかる。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
地域福祉コーディネーターとは
市町村社会福祉協議会(社協)に籍を置き、ふれあいのまちづくり事業を推進する役割を果たします。具体的には、住民や団体、関係機関と情報交換や連携しながら、必要な事業を企画・立案し、ふれあいのまちづくり推進会の設置・運営を行います。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
認知症初期集中支援チーム
複数の専門職が家族の訴え等により、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し、アセスメント、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的(おおむね6ヶ月に行い、自立生活のサポートを行うチームのことです。

【正解3,4】