7.保健医療サービスの知識(R2年10月-第23回)2/4

問題 31 食事について適切なものはどれか。3つ選べ。
1  摂食•嚥下プロセスの口腔期では、視覚、触覚、嗅覚の認知により、無条件反射で唾液が分泌される。
2 摂食•嚥下プロセスの咽頭期では、咽頭に食塊が入ると、気道が閉じられて食道に飲み込まれる。
3 食事の介護のアセスメントでは、摂食動作ができているかを確認する。
4 食事の介護のアセスメントでは、食欲がない場合には、痛み、口腔内の状態、服薬状況などを確認する。
5 医師は、食事の介護のアセスメントに関わる必要はない。
 
問題に応じて、アプローチの仕方を変えることも大切である。
難易度A この問題は、前の問題30と異なり、積極法で解いたほうがよい。
 
ざっと読んで、1は△、2は〇、3も〇ぽい。4も〇ぽい、5は×と感じた人が多かったであろう(私もそうである)。
悩む記述は1の「無条件反射」の部分である。生物学や心理学が得意な人以外は、考えれば考えるほど迷ったのではないだろうか。
2,3,4の内容に特に問題はないので、それらを適切なものとして選ぶという方法である。
なお、1であるが、無条件反射の部分が×である。同じテーマを扱った問題にR元-問27がある。

【正解2,3,4】

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内外の刺激に対して、神経系を通しておこる生活体の反応を反射と呼ぶが、通常、反射と呼ばれるのは無条件反射を指す。
無条件反射は、その種が先天的に持っている反射行動である。
これに対し、経験などで後天的獲得された反射行動が条件反射である。
条件反射の例は、梅干しを見ると唾液が出てくるような場合である。
無条件反射は、熱いものに触れたときに手を引っ込めるような場合である。

 

問題 32 褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。
2 半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。
3 発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。
4 同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、体圧分散用具を用いるとよい。
5 指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。
 
知らない肢があっても慌てずに対処しよう。
難易度A 積極法でいくのがよい。
 
1は〇である。
2は、「肩甲骨部には発生しない」という例外を有さない断定的な言い回しが×ぽい。
背もたれのある椅子で座位を保つなら肩甲骨に褥瘡ができる可能性は高いので、内容的にもおかしいと気づく。
3は〇ぽい内容である。
4もそのとおりであろう。そのための褥瘡予防用マットやクッションもある。4は〇である。
5は知らないと判断しづらい。なお、指定介護老人福祉施設においても褥瘡マネジメント加算は算定できるので、5は×である。

【正解2,3,4】


題問 33 次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 高齢者では、特に疾患がなくても、気道の閉じるタイミングが遅れることで誤嚥が生じやすくなる。
2 歯のかみ合わせは、咀嚼だけでなく、嚥下にも影響する。
3 唾液腺を刺激しても、唾液は分泌されない。
4 食物残渣は、口臭の原因となる。
5 摂食•嚥下リハビリテーションは、医師のみで行う。
 
積極法でも消極法でもよいので、短時間で確実に正解したい問題である。
難易度A
 
1は〇だとわかるであろう。年を取ると咽やすくなるということである。
2も何となく〇ぽい内容である。「~にも影響する」という言い回しも〇のパターンに多い。
3は×ぽい。唾液線なのだから、刺激することにより唾液が分泌されそうだからである。
4は〇であろう。歯磨きをしていないと口臭の原因になるのと同じ理屈である。
5は「医師のみで」が×ぽい。STという資格もあるのだから、そうした専門職と共同で行うのが普通だと考えられるからである。

【正解1,2,4】


問題 34 認知症のケアや支援について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 認知症初期集中支援チームは、都道府県が配置する。
2 認知症カフェは、認知症初期集中支援チームが運営することとされている。
3 認知症初期集中支援チームの対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人である。
4 パーソン・センタード・ケアは、認知症を持つ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアの1つの考え方である。
5 認知症施策推進大綱では、認知症の人本人からの発信支援を推進するよう明記されている。
 
すべての肢について判断できない場合であっても正解を出すことはできる。
難易度A 本問は消去法で解いたほうがよかったと思われる。
 
1は、認知症初期集中支援チームを都道府県に配置されても機動性に欠けるのではないかと感じて欲しい。1は×である。
2であるが、認知症初期集中支援チームという名称からは専門性や集中しての支援というイメージがわくのではないだろうか。
専門性や集中しての支援というイメージと認知症カフェにはずれがあると感じて欲しい。2は×であると推測するのが素直である。
3は知らないと自信をもって正誤を判断できないであろう。
4は、パーソン・センタード(人を中心にした)・ケアと説明の内容は噛み合っているといえ、〇だと判断できる。
5は知らないと自信をもって正誤を判断できないであろう。認知症初期集中支援チームは、過去問ではR元再-問28、H30-問32などで出ているが、1や2のような問われ方はされていない。
しかし、認知症初期集中支援チームについてイメージを持っているか、あるいは用語の内容から少し想像すれば1と2が×ではないかと推測することは可能だと思われる。
3と5は初の出題だが、受験生の中で知っていた人が何人いたのだろうか。

【正解3,4,5】


問題 35 老年期の精神障害について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 老年期うつ病では、心気的な訴えは少ない。
2 老年期うつ病では、気分の落ち込みよりも、不安、緊張、焦燥が目立つ。
3 老年期の統合失調症の症状の再発は、配偶者や近親者の死が要因となることがある。
4 老年期のアルコール依存症は、認知症を合併することはない。
5 遅発パラフレニーは、老年期の妄想性障害の代表的な疾患とされている。
 
当初は難易度をAとしたが、1と2の判断に迷った人が多かったと思われるので、Bとした。
難易度B
 
ざっと選択肢に目を通すと、3が〇で、4が×であることは多くの人が気づくはずである。
だが、そこからさらに選択肢を絞るのが難しい。
1の心気的な訴えというのは、心身の些細な不調に著しくとらわれ,これに必要以上にこだわり,重大な疾患の徴候ではないかと恐れ,しかもその心配を他者へ執拗に訴えるようなことを指すと考えられる。
心気症という言葉を知っていた人は、そこから推測できたかもしれない。高齢者でそうした訴えをする人は、自分の経験上あまりいない。
そこから1は〇かなと判断できる。もちろん高齢者と接する機会が少なければ、そうした推論も難しいだろう。過去問でも出ていない。
2はどうか。老年期のうつ病でもやはり中心は「気分の落ち込み」ではないか、あるいは「不安、緊張、焦燥」が気分の落ち込みよりも目立つということまではいえないのではないかと考えれば、2は×だと推測することになる。この推測は適切であり、2は×である。
5は、知らなければ判断することが困難である。過去問にも出ていない。

【正解2,3,5】