6.教育原理(R元年-後期)2/2
問6 次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人物を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
【Ⅰ群】
A 文化の継承として知識をそのまま受け容れて身に付けることが大切であると主張したが、そのためには機械的に知識を覚えさせるのではなく、学習者の認知構造に意味のある変化をもたらすように教えなくてはならないとした。
B 行動主義心理学の立場で、刺激を与えれば反応が生起するという理論(S‒R 理論)をもとにプログラム学習を構想した。
【Ⅱ群】
ア オーズベル(Ausubel, D.P.)
イ ブルーナー(Bruner, J.S.)
ウ スキナー(Skinner, B.F.)
(組み合わせ)
A B
1 ア イ
2 ア ウ
3 イ ア
4 イ ウ
5 ウ イ
人物の整理の仕方は、自分に合ったやり方で。
受験生としては、人物とキーワードの暗記が重要ですが、たまにはその人物、その時代、その国や地域、その思想や理論、その実践に思いを馳せよう。
私のお勧めは、年表を作ること。時系列にすることにより、誰が誰に影響を受けたかなどの整理がしやすい。また、写真や絵が残っていれば、写真や絵も一緒に見た方が印象に残りやすい。
【正解2】
問7 次のア~ウの図は、日本の教育制度を示したものである。年代を古い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
(組み合わせ)
1 ア→イ→ウ
2 ア→ウ→イ
3 イ→ア→ウ
4 イ→ウ→ア
5 ウ→イ→ア
【正解4】
問8 次の文は、中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(平成 28 年)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
2030 年とその先の社会の在り方を見据えながら、学校教育を通じて子供たちに育てたい姿を描くとすれば、以下のような在り方が考えられる。
・社会的・職業的に自立した人間として、我が国や郷土が育んできた伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、理想を実現しようとする高い志や意欲を持って、主体的に学びに向かい、必要な情報を判断し、自ら知識を深めて個性や能力を伸ばし、人生を切り拓ひらいていくことができること。
・( A )を通じて、自分の考えを根拠とともに伝えるとともに、他者の考えを理解し、自分の考えを広げ深めたり、集団としての考えを発展させたり、他者への思いやりを持って多様な人々と協働したりしていくことができること。
・( B )の中でも、感性を豊かに働かせながら、よりよい人生や社会の在り方を考え、試行錯誤しながら問題を発見・解決し、新たな価値を創造していくとともに、新たな問題の発見・解決につなげていくことができること。
(組み合わせ)
A B
1 発表や主張/変化の激しい社会
2 発表や主張/知識基盤社会
3 対話や議論/変化の激しい社会
4 対話や議論/情報化社会
5 対話や議論/知識基盤社会
分かりやすいカッコから埋める。
Bは~の中においても、というニュアンスです。つまり、不利な状況若しくは対処が難しい状況の中でもどうにかしようということです。この場合、対処の難しい状況である変化の激しい社会が入ることになります。1か3に絞られました。Aについては、他者の考えを理解し、という言葉が一番のヒントになります。他者の考えを理解するためには、一方的な発表や主張よりも対話や議論が適当であることになります。
【正解3】
問9 次の文は、「幼稚園教育要領」(平成 29 年告示)第1章 第1「幼稚園教育の基本」の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
教師は、幼児との信頼関係を十分に築き、幼児が( A )に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気付き、これらを取り込もうとして、( B )したり、考えたりするようになる幼児期の教育における見方・考え方を生かし、幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。
(組み合わせ)
A B
1 身近な環境/試行錯誤
2 身近な環境/表現
3 身近な環境/判断
4 活動/判断
5 活動/試行錯誤
分かりやすいカッコから埋める。
Bが分かりやすい。~したり、の後に考えたりするようになるとありますので、表現は明らかに消去できます。表現は考えた後に行うものです。また、判断したり、考えたりするとした場合、二重表現になります。Bのカッコの前に幼児が何とか取り込もうとしていることも記述されています。以上から判断して、試行錯誤になります。1と5に絞られました。活動に関わりとした場合、どんな活動かよく分かりません。また、主体的に関わることにより、関わり方に気付くという記述が後にあります。環境と関わり、環境との関わり方に気付くと考えるのが順当でしょう。以下、「幼稚園教育要領」(平成 29 年告示)第1章 第1「幼稚園教育の基本」の一部から該当部分抜粋。赤字が答え。
幼稚園教育要領
第1 幼稚園教育の基本
幼児期の教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり,幼稚
園教育は,学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため,幼児期の特性を
踏まえ,環境を通して行うものであることを基本とする。
このため教師は,幼児との信頼関係を十分に築き,幼児が身近な環境に主体的に関わり,環境との関わり方や意味に気付き,これらを取り込もうとして,試行錯誤したり,考えたりするようになる幼児期の教育における見方・考え方を生かし,幼児と共によりよい教育環境を創造するように努めるものとする。これらを踏まえ,次に示す事項を重視して教育を行わなければならない。
1 幼児は安定した情緒の下で自己を十分に発揮することにより発達に必要な体験を得ていくものであることを考慮して,幼児の主体的な活動を促し,幼児期にふさわしい生活が展開されるようにすること。
2 幼児の自発的な活動としての遊びは,心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な学習であることを考慮して,遊びを通しての指導を中心として第2章に示すねらいが総合的に達成されるようにすること。
3 幼児の発達は,心身の諸側面が相互に関連し合い,多様な経過をたどって成し遂げられていくものであること,また,幼児の生活経験がそれぞれ異なることなどを考慮して,幼児一人一人の特性に応じ,発達の課題に即した指導を行うようにすること。
【正解1】
問 10 次のA~Cのうち、「特別支援教育の推進について(通知)」(平成 19 年 文部科学省)の一部として、下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。
B 特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。
C 特別な支援が必要と考えられる幼児児童生徒については、担任一人が責任をもって保護者の理解を得ることができるよう慎重に説明を行い、学校や家庭で必要な支援や配慮について、保護者と連携して検討を進めること。
(組み合わせ)
A B C
1 ○ ○ ○
2 ○ ○ ×
3 ○ × ○
4 × ○ ×
5 × × ○
自信のあるものから正誤の判断をする。
まずは、Cでしょう。担任一人が責任を持つというのは、どう考えてもおかしい。後のAとBは国語的には問題がないが、合っているかどうかは実際に読んでみないと判断できない。
以下、「特別支援教育の推進について(通知)」(平成 19 年 文部科学省)の一部から該当部分抜粋。それ以外は通知の目次を示す。赤字部分が解答。
1.特別支援教育の理念
特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。
2.校長の責務
3.特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取組
(1) 特別支援教育に関する校内委員会の設置
(2) 実態把握
(3) 特別支援教育コーディネーターの指名
(4) 関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用
(5)「個別の指導計画」の作成
(6) 教員の専門性の向上
4.特別支援学校における取組
(1) 特別支援教育のさらなる推進
(2) 地域における特別支援教育のセンター的機能
(3) 特別支援学校教員の専門性の向上
5.教育委員会等における支援
6.保護者からの相談への対応や早期からの連携
7.教育活動等を行う際の留意事項等
(1) 障害種別と指導上の留意事項
(2) 学習上・生活上の配慮及び試験などの評価上の配慮
(3) 生徒指導上の留意事項
(4) 交流及び共同学習、障害者理解等
(5) 進路指導の充実と就労の支援
(6) 支援員等の活用
(7) 学校間の連絡
8.厚生労働省関係機関等との連携