6.教育原理(H31年-前期)2/2

問6 
次の文は、19 世紀後半から 20 世紀初頭にかけての新教育運動に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A コメニウス(Comenius, J.A.)は、事物による教育を提唱し、絵入教科書「世界図絵」を作成した。
B デューイ(Dewey, J.)は、「為すことによって学ぶ(learning by doing)」ことの重要性を説き、子どもたちが経験を通して学習することを提唱した。
C ドルトン・プランは、パーカースト(Parkhurst, H.)によって開発されたプランである。
D キルパトリック(Kilpatrick, W.H.)は、自主的な問題解決に取り組ませるプロジェクト・メソッドを確立した。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ○  ○  ○  ○
2 ○  ×  ×  ○
3 ×  ○  ○  ○
4 ×  ○  ×  ○
5 ×  ○  ×  ×
 

不適切問題により、全員正解扱い。

問7 次の文は、文部科学省についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。
1 教育職員の養成並びに資質の保持及び向上に関する事務をつかさどる。
2 スポーツ庁と文化庁が外局として置かれている。
3 少子高齢社会への総合的な対応に関する関係行政機関の事務の調整に関する事務をつかさどる。
4 学校環境の整備に関する指導及び助言に関する事務をつかさどる。
5 科学技術に関する研究及び開発に関する計画の作成及び推進に関する事務をつかさどる。
 
省庁の業務に関する問題です。
3の「少子高齢社会への総合的な対応に関する関係行政機関の事務の調整に関する事務」は、厚生労働省です。
その他は文部科学省が行います。迷うとしたら5でしょうか。科学技術庁の管轄だと感じた受験生がいたかもしれません。しかし、科学技術庁は中央省庁再編によって既に廃止されており、その業務は文部科学省等に引き継がれています。※科学技術庁は、1956年(昭和31年)から2001年(平成13年)まで存在した。
※選択肢文言の中に、ヒントが隠されている問題も少なくありません。仮に、分からなくても丁寧に選択肢文言を読み込んでみましょう!

【正解3】

問8 
次の文は、「幼稚園教育要領」(平成 29 年3月告示)の第3章「教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項」の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

幼稚園の運営に当たっては、子育ての支援のために保護者や地域の人々に機能や施設を開放して、園内体制の整備や関係機関との連携及び協力に配慮しつつ、幼児期の教育に関する相談に応じたり、情報を提供したり、幼児と保護者との登園を受け入れたり、保護者同士の交流の機会を提供したりするなど、幼稚園と( A )が一体となって幼児と関わる取組を進め、地域における( B )としての役割を果たすよう努めるものとする。その際、心理や保健の専門家、地域の子育て経験者等と連携・協働しながら取り組むよう配慮するものとする。
(組み合わせ)
A/B
1 家庭/幼児期の教育のセンター
2 家庭/子育ての相談機関
3 地域社会/幼児期の教育のセンター
4 地域社会/子育ての相談機関
5 地域社会/就学前の教育機関
 
またしても、幼稚園教育要領からの出題です。
今度は、前文からではなく、本文第3章からです。前文だけではなく、本文からの問題ということは概要だけでなく、内容も問われるということです。
今後出題が増えそうな予感がしますね。本問は、幼稚園教育要領第3章5項の2からの出題です。マーカーが答えです。※問題2も参照。
 
2 幼稚園の運営に当たっては,子育ての支援のために保護者や地域の人々に機能や施設を開放して,園内体制の整備や関係機関との連携及び協力に配慮しつつ,幼児期の教育に関する相談に応じたり,情報を提供したり,幼児と保護者との登園を受け入れたり,保護者同士の交流の機会を提供したりするなど,幼稚園と家庭が一体となって幼児と関わる取組を進め,地域における幼児期の教育のセンターとしての役割を果たすよう努めるものとする。その際,心理や保健の専門家,地域の子育て経験者等と連携・協働しながら取り組むよう配慮するものとする。

ソーシャルワンカーからのワン🐾ポイントアドバイス
幼稚園教育要領の目次
前文
1章 総則
第1 幼稚園教育の基本
第2 教育課程の編成
第3 教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動など
第2章 ねらい及び内容
健康/人間関係/環境/言葉/表現
第3章 指導計画及び教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項
第1 指導計画の作成に当たっての留意事項
第2 教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項

【正解1】

問9 
次の文は、中央教育審議会答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(平成 27 年 12 月)の一部である。( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

学習指導要領の次期改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を超えた組織運営の改善を行っていくことが求められているとしており、教育活動や組織運営など、学校全体の在り方の改善において核となる教育課程の編成、実施、評価及び改善という「( A )」の確立が必要であることが示されている。
こうした( A )は、次のような側面から捉えることができる。
・ 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
・ 教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連の( B )を確立すること。
・ 教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。
(組み合わせ)
A / B
1 クオリティ・マネジメント / インテリジェンス・サイクル
2 クオリティ・マネジメント / PDCAサイクル
3 リスク・マネジメント /  PDCAサイクル
4 カリキュラム・マネジメント / PDCAサイクル
5 カリキュラム・マネジメント / インテリジェンス・サイクル
 
中央教育審議会答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(平成 27 年 12 月)は、全部で68ページあります。
さすがに、これを読んで覚えるという勉強法は無理があります。問題文を読んで、どの語句が適当かを考える訓練をするしかありません。つまり、過去問学習が効果を発揮する問題です。赤字がポイントです。
 
学習指導要領の次期改訂が目指す理念を実現するためには、教育課程全体を通した取組を通じて、教科横断的な視点から教育活動の改善を行っていくことや、学校全体としての取組を通じて、教科等や学年を超えた組織運営の改善を行っていくことが求められているとしており、教育活動や組織運営など、学校全体の在り方の改善において核となる教育課程の編成、実施、評価及び改善という「( A )」の確立が必要であることが示されている。
こうした( A )は、次のような側面から捉えることができる。
・ 各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
・ 教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連の( B )を確立すること。
・ 教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。
赤字の中でも重要なのは、「組織的に配列」と「編成」「実施」「評価」「改善」です。
PDCAサイクルという場合、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)という表記が多いと思いますが、この計画と編成を交換すれば、問題文のBはPDCAサイクルということは直ぐに分かります。
また、Aについてはリスクやクオリティのマネジメントではなく、教育の内容の組織的な配列により教育目標を達成するということですから、カリキュラム・マネジメントであることが分ります。

【正解4】

問 10 
次の文は、「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」(平成 29 年 11 月 内閣府障害者施策担当)の一部である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 言葉だけでの指示だと、内容を十分に理解できないで混乱してしまうことがある。
→ 小学校へ入学してから苦労しないように、言葉だけで指示を聞けるよう指導を続けた。
B 咀嚼することが苦手であり、通常の給食では喉に詰まらせてしまう可能性がある。
→  大きな食材については、小さく切ったりミキサーで細かくしたりして、食べやすいサイズに加工することとした。
C 触覚に過敏さがあり、給食で使うステンレスの食器が使用できず、手づかみで食べようとする。
→ 根気強くステンレスの食器を使用することで慣れさせることとした。
D 多くの人が集まる場が苦手で、集会活動や儀式的行事に参加することが難しい。
→  集団から少し離れた場所で本人に負担がないような場所に席を用意したり、聴覚に過敏があるのであれば、イヤーマフなどを用いることとした。
E 聴覚に過敏さがあり、運動会のピストル音が聞こえると、パニックを起こしてしまうかもしれない。
→  すぐ近くではピストルの音をならさないようにしたが、小学校ではピストルを使うことが多いので、少し離れたところからピストルでスタートの合図をすることとした。
(組み合わせ)
  A B C D E
1 ○  ○  ○  ×  ○
2 ○  ○  ×  ○  ×
3 ○  ×  ○  ○  ○
4 ×  ○  ×  ○  ×
5 ×  ○  ○  ×  ×
 
この問題も「合理的配慮の提供等事例集」を読んでいることを前提とはしていないと思います。
つまり、問題を解けるかどうかは、何が合理的配慮を考えることができるかどうかです。
A 言葉だけで指示を聞けるよう指導を続けた。とありますが、特性の理解がありませんし、代替可能なものについての考慮がありません。
CもA同様、障害者の特性に配慮していません。また、ステンレスから他の食器への代替は容易ですね。
Eのピストルですが、聴覚過敏でなくても怖いと思う児童はいると思います。また、代替も容易です。

【正解4】