25.子どもの食と栄養(H31年-前期)1/4

問1
次の文は、栄養素の消化に関する記述である。( A )〜( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 唾液に含まれる( A )は、でんぷんを加水分解する酵素である。
・ 中性脂肪の消化は、主に膵液中の( B )の作用により小腸で行われる。
・ 二糖類の麦芽糖は、小腸粘膜において( C )によって分解される。このような消化を( D )消化という。
【語群】
ア ペプシン / イ アミラーゼ / ウ リパーゼ / エ 膜 / オ マルターゼ / カ ラクターゼ / キ 腸 / ク 粘液
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア イ ウ エ
2 ア ウ イ キ
3 イ ウ オ エ
4 イ オ カ ク
5 ウ カ オ キ
 
栄養素別の消化の問題です。
A アミラーゼはでんぷん以外にもアミロースグリコーゲン加水分解します。加水分解とは、水分子が付加するかたちで起こる分解反応です。
B リパーゼは加水分解を行なう消化酵素で、膵腺房細胞で合成されます。
C マルターゼは麦芽糖(マルトース)を2分子のブドウ糖に加水分解する酵素です。
D 小腸粘膜において分解、消化されることを膜消化といいます。

【正解3】

問2
次の文は、ビタミンの生理機能に関する記述である。【Ⅰ群】のビタミンと【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
A ビタミンK
B ビタミンD
C ビタミンC
D 葉酸
【Ⅱ群】
ア 小腸からのカルシウム吸収を促進し、欠乏すると小児ではくる病、成人では骨軟化症の発症リスクが高まる。
イ 皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須で、欠乏すると血管がもろくなる。
ウ 血液凝固因子の活性化に必要なビタミンで、母乳栄養児は欠乏に陥りやすい。
エ 受胎の前後に十分量を摂取すると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減できる。
(組み合わせ)
  A B C D
1 ア イ ウ エ
2 ア ウ イ エ
3 ウ ア イ エ
4 ウ ア エ イ
5 エ ア イ ウ
 
必ず出題されると言って良い内容ですね。
ビタミンに関しては、大きく2種類に分けて考えます。脂溶性水溶性です。 
脂溶性:ビタミンA、D、E、K
水溶性:ビタミンB1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン
次に、各々の特性ですが、一番区別しやすく、出題頻度も高いのが葉酸です。他のものは、摂取するその人に対する作用が書かれていますが、葉酸は摂取した人(妊婦)から胎児への影響という観点です。
まずは、D=エを選びましょう。
A=ウですが、母乳の弱点と結び付けて覚えましょう。保育士としては非常に重要な視点と言えるでしょう。また、ビタミンKは骨の形成にも関係することから、ビタミンDと間違えないようにしましょう。
B=アです。腸管からのカルシウムの吸収により骨の形成を促進します。また、ビタミンDは紫外線を浴びることで、人の体内で生成されることも覚えておきましょう。
C=イです。ビタミンCは、コラーゲンの合成と抗酸化作用と覚えましょう。 

【正解3】

問3
次の文は、糖質に関する記述である。( A )〜( C )にあてはまる数値および語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

糖質は主要なエネルギー源で、1g あたり( A )kcal のエネルギーを供給する。体内では単糖類として吸収され、肝臓に運ばれ、( B )に変換される。エネルギー源として利用されなかった糖質は、グリコーゲンや( C )として、体内に蓄積される。
(組み合わせ)
  A/B/C
1  4 /ブドウ糖/脂肪
2  4 /乳糖/脂肪
3  7 /ブドウ糖/たんぱく質
4  9 /乳糖/たんぱく質
5  9 /ブドウ糖/脂肪
 
三大栄養素の知識問題です。
A エネルギー 1g当たり
糖質4kcal
蛋白質4kcal
脂質9kcal
これは覚えましょう。
単糖類多糖類とありますが、複雑なので単糖類と多糖類があることだけ知っていれば良いと思います。
B 乳糖とブドウ糖の違いから判断するか、肝臓の働きから答えを出すか。
乳糖はブドウ糖(グルコース)とラクトースという成分が合わさった2糖類(多糖類)です。牛乳や母乳に含まれているものですので、Bではなさそうですね。
C 脂肪

【正解1】

問4
次の文は、日本の食をめぐる現状に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 平成 28 年度食料自給率(農林水産省)は、カロリーベースで 40%以下である。
2 日本型食生活は、ごはんを中心に多様な副食などを組み合わせることができるため、栄養バランスに優れている。
3 中食とは、家庭内で手づくりされた料理を食べることをいう。
4 日本の食生活は飽食の時代といわれ、大量の食品を廃棄している。
5 遺伝子組換え食品とは、他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、その性質を持たせたい植物などに組み込む技術を利用して作られた食品であり、農作物や食品添加物に利用されている。
 
常識問題ですね。
3の中食とは、外食(レストランなどで食べる)と内食(家で作って家で食べる)の間という意味です。外で買ってきたものを家で食べるのが中食です。出前やデリバリーも含まれそうです。
これ以外にも食料自給率や廃棄などは、社会的にも非常に重要な問題ですね。

【正解3】

問5 次の文は、「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」の栄養素の指標の目的と種類に関する記述である。( A )〜( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

〈目的〉   
摂取不足の回避    
過剰摂取による健康障害の回避 
生活習慣病の予防
〈種類〉
推定平均必要量、( A )
*これらを推定できない場合の代替指標:( B )
( C )
( D )
(組み合わせ)
  A     B    C     D
1 推奨量   目標量  耐容上限量 目安量
2 推奨量   目安量  耐容上限量 目標量
3 目安量   推奨量  耐容上限量 目標量
4 耐容上限量 目標量  推奨量   目安量
5 耐容上限量 目安量  目標量   推奨量
 
この問題は、国語的な感覚で解いていくとできるのではないでしょうか。
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 は、策定の目的として、次の様に記載されています。「日本人の食事摂取基準は、健康増進法(平成 14年法律第 103 号)第 30 条の2に基づき厚 生労働大臣が定めるものとされ、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましい エネルギー及び栄養素の量の基準を示すものである」また、使用期間は、平成 27(2015)年度から平成 31(2019)年度の5年間である。とありますから、次回の試験では最新版を参照しましょう。
参考までに、2015年版の基本的事項を紹介しておきます。
 

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「策定の基本的事項」
1)指標 エネルギーの指標 エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バランス)の維持を示す指標 として、「体格(BMI)」を採用することとした。
BMI=体重(kg)÷(身長(m))
2)栄養素の指標 栄養素の指標は、従前のとおり、3つの目的から成る指標で構成した。
摂取不足の回避を目的として、「推定平均必要量」(EAR)を設定した。
※推定平均必要量は、半数の人が必要量を満たす量である。推定平均必要量を補助する目的で「推奨量(RDA)を設定した。推奨量はほとんどの人が充足している量である。 十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合は、「目安量」(AI)を設定した。一定の栄養状態を維持するのに十分な量であ り、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。 過剰摂取による健康障害の回避を目的として、「耐容上限量」(UL)を設定した。 生活習慣病の予防を目的に「生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量」として「目標量」(DG)を設定した

【答2】